前回、ダイソンから発売されている羽根のない扇風機「Air Multiplier(エアマルチプライアー)」の原理について、「"吸気口、背面、周囲、3ヶ所から空気を吸い込む"のがポイント」であると述べた。

しかし理屈では何となくわかっても、この"3ヶ所から空気を吸い込む"というところについて、いまいちピンときていない人も多いのではないだろうか。

そこで今回はYoutubeに公開されている、とある動画をご紹介したいと思う。


「Balloons and Dyson Air Multiplier fans」と題されたこの動画は、Air Multiplierを広い場所にいくつも並べ、同じ方向へ向けて一斉に起動、そしてそこへ風船を飛ばすという実験映像なのである。

さて、どうなるかもう予想はついているだろう。風船は並べられたAir Multiplierを次々にくぐり抜け、まるで見えない糸に操られているかのように前へ前へと進んで行くのだ!

もちろんAir Multiplierが強い気流を起こし、風船を次々に吸い込んでいるからこそ成せる芸当なのだが、注目すべきは"風船の軌道がズレて明後日な方向へ飛び去ろうとしても、Air Multiplierの強い気流がそれを一瞬で捉え、強引に吸い込んでいる"という点にある。

これはつまり、目には見えないけれど、Air Multiplierの"空気を吸い込む力"がどれだけ強く広範囲に及んでいるかということの確かな証左なのだ。

それにしてもAir Multiplierがこれだけたくさん並んでいると壮観である。きっとダイソン社員も、この実験をやっているうちに楽しくてやめられなくなってしまったに違いない。