2001年より「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)にて連載が開始し、既刊47巻で6,700万部を売り上げ、来年2011年には連載10周年を迎える人気コミックス『BLEACH (ブリーチ)』だが、その劇場版シリーズ第4弾にして原作者である久保帯人氏が初めて製作指揮として参加した『劇場版BLEACH 地獄篇』がついに完成。2010年11月28日、東京・千代田区の東商ホールにて完成披露試写会が開催された。

『劇場版BLEACH 地獄篇』の完成披露試写会にて行われた舞台挨拶には (写真左から)阿部記之監督、中井和哉、森田成一、古谷徹、T.M.Revolution 西川貴教が登場

完成披露試写会終了後に行われた舞台挨拶には主人公・黒崎一護 (くろさきいちご)役の森田成一、朱蓮 (シュレン)役の古谷徹、黒刀リ (刀へんに刂、コクトー)役の中井和哉、主題歌「Save The One, Save The All」を歌うT.M.Revolution 西川貴教、そして阿部記之監督が登場した。

朱蓮役古谷徹の「ようこそ、地獄へ」という言葉とともに、舞台上に設置された「地獄の門」から5人が姿を現すと、会場からは大きな歓声が上がる。そして森田成一が「BLEACH!」の掛け声とともに、「いかがでしたか? 今回、劇場版第4弾ということで、心機一転、スタッフ、キャストともに、知恵に知恵を絞り、そして演技に演技を重ねてこの作品を作ってまいりました。皆さん、今観たとおりです。あれが今の『BLEACH』です」と挨拶。黒崎一護を演じてから丸6年、7年目に突入するという森田は今回の収録で「初めて『BLEACH』で喉を潰しました」と告白する。「そこまで要求される作品だった」という森田の熱演、そして作品の仕上がりに注目しておきたい。

舞台上に設置された「地獄の門」が開き……

5人が姿を現す

続く古谷徹は、森田に負けじと「地獄!」と絶叫。「何か対抗しないと(笑)」と笑顔を見せつつ、「日本のみならず、世界的に大人気の『BLEACH』という作品に、しかも連載10周年記念という記念すべき作品に、メインゲストとして参加することができて、とても幸せに思っています」との感想を述べる。一方、中井和哉も森田の「BLEACH!」、古谷の「地獄!」に続くかと思いきや、「特にないです(笑)」。中井が演じたコクトーは謎多き役ということで、「謎の多い役はやっぱり楽しいですね。一癖あったり、屈折していたり、何か隠していたりという役はとても面白いので、演じていて楽しかったです」。

森田が「BLEACH!」と叫ぶと、会場からも「BLEACH!」と歓声が上がる

古谷の「地獄!」に続き、中井もと思わせつつ……

原作でも描かれていない「地獄」を描くことについて、「一番の苦労はロケハンに行けないことです(笑)」という阿部記之監督だが、「『BLEACH』らしい地獄というのがどういうところなのか、非常に苦労しましたが、久保先生にもご了解いただいて、なんとか『BLEACH』らしい地獄になったのではないかと思っております」と自信を見せる。また、「自分の今できる、精一杯の想いを楽曲に込めました。それを聴いていただき、作品とともに愛していただけるとうれしいです」と主題歌について語るT.M.Revolutionの西川貴教。「最初は正直びっくりしましたが、10年目のタイミングでこのお話をいただいて、本当に光栄でした」という西川だが、楽曲に込めた想いについて、「この時代だからこそ大事にされる一護の熱さをもう一度ちゃんと楽曲で描けたらいいなと思って、『Save The One, Save The All』というタイトルにさせていただきました。少しでも一護の魅力に近づけたらいいなという風に思っています」と語った。

阿部記之監督

T.M.Revolution 西川貴教

出演者の挨拶に続いては、サプライズ企画として生アフレコを実施。まずは森田と中井、続いては古谷を加えた3人での生アフレコに、先ほど観た映像が、ふたたび、そして生で演じられるとあって、会場の熱気は最高潮に達する。アフレコを実演する前のテストで、なぜか一護のセリフを口ずさみ、「だって一護のほうがセリフが少ないんだもん」という古谷。あわやシャッフルアフレコになるかと会場の期待も高まったが、実際の配役どおりでの披露となった。

まずは森田と中井が生アフレコに挑戦

続いて古谷を加えた3人による生アフレコ

『劇場版BLEACH 地獄篇』のプロモーションで全国を回っていたため、完成披露試写会の直前になって初めて作品を観たという森田だが、「スタッフから今回はすごいよと聞いていましたが、予想をはるかに凌駕する作品になっていた」とその仕上がりを絶賛する。「観る前は男らしく骨太な作品だと思っていて、たしかにそういった作品なのですが、観終わって一番に感じたのは、この作品は『絆』なんだということを再確認した」という森田。全国ツアーを行う中、ファンの熱い想いを感じ、その想いから、劇場版を観ながら涙したと語り、「それぐらいすばらしい作品になったと思いますし、自信を持ってお届けできる作品になりました。これもひとえにキャスト、スタッフの皆さん、そして何よりもファンの皆さんのおかげだと思っています。本当にありがとうございます」との感謝を述べて、舞台挨拶を締めくくった。

最後に「卍解!」と叫んでステージをおりる森田

『劇場版BLEACH 地獄篇』は2010年12月4日 (土)、全国東宝系にてロードショー。