Officeソフトの操作からプログラミングまで幅広く対応

今回お話を伺ったケンソフト ITソリューション事業部 Webエンジニアの板倉直樹氏は現在32歳。27歳でケンソフトに転職し、30歳でチームリーダーになるなど、順調なキャリアアップを歩んでいる

東京都千代田区に本社を置くケンソフトは、システム開発から各ジャンルのエンジニア派遣、さらには社会人・学生をターゲットとしたスクール事業「KENスクール」の運営を手がけている企業だ。このKENスクールと連携し、未経験から経験者まで幅広いニーズに応える人材紹介、教育ノウハウを活かした法人向け研修などのエデュケーションサービスも実施している。そこで今回は関東で12校、関西で2校を展開しており、10月に開校23周年を迎えた同スクールについて、受講者の体験に基づいたレポートを紹介しよう。

「KENスクールは、Officeソフト関連の基本操作から高度なプログラミング技術まで幅広いニーズに対応するだけでなく、目的や能力などに応じて個別にカリキュラムを組める自由度が魅力です」と語るのは、ケンソフト ITソリューション事業部でWebエンジニアとして活躍する板倉直樹氏だ。実はこの板倉氏、今でこそケンソフトの社員として働いているが、入社したきっかけはKENスクールの受講だった。

板倉氏は大学を卒業後、百貨店に約1年ほど勤務していた。しかし書店で雑誌のIT特集を見た時、IT業界に対する将来性を確信すると同時に"新しいことにチャレンジしたい"という意欲が生まれ、24歳でC言語を用いた制御系のシステム会社へ再就職。「未経験でも採用してくれるシステム開発系の企業を探しました。最初は手探り状態でしたが、業務をこなすうちに自分でも少しずつC言語の知識が身についていくのが分かって嬉しかったですね」と、板倉氏は当時を思い出しながら語る。

スクールで知識の偏り防止と目標の明確化を図る

板倉氏が入社したのは、C言語で物流の制御系システム開発を行う、いわゆる"組み込み系"の開発企業だった。しかし入社から約2年が経過した頃、板倉氏の胸中にはしだいに不安の影が色濃くなってきたという。

「当時勤めていた会社は100%受託開発で、C言語を用いた案件しかありませんでした。一方で派遣社員の友人たちと情報交換をしていると、世の中はWeb系のシステム開発が盛り上がりを見せています。そこで改めて、C言語だけでは将来的に厳しくなるのではないか、今後のエンジニアにはより幅広いニーズへの対応能力が求められるのではないか、といった想いを抱き始めたんです」と語る板倉氏。

こうした背景からキャリアアップの必要性を感じた板倉氏は、新たにJavaなどWeb系のプログラミングスキルを身につけるべく、働きながらKENスクールへと通い始めたのである。

板倉氏が独学によるキャリアアップではなくスクールでの受講を選んだのは、知識の偏りを防ぐことに加えて、自身の目標を明確化する意味合いもある。「確かに独学でもキャリアアップに必要な知識を身につけることはできます。しかし、正しい知識を効率的に学ぶにはスクールへ通うのが一番近道だと感じました。もちろん費用はスクールの方が高くなりますが、逆にお金をかけているだけに、ある意味で自分の中の"甘えを断つ"ことができるわけです」と板倉氏は語る。

能力や期間に応じたマンツーマン形式の柔軟なカリキュラム

インストラクターの存在が学習を続ける上で大きかったという板倉氏。インストラクター間で受講生の情報が共有されているため、キャリアの相談や学習アドバイスももスムースに進んだ

エンジニア向けのスクールは、東京都内だけでもかなりの数が存在する。その中でKENスクールを選んだ理由について板倉氏は「やはりマンツーマンで自分の能力やペースに合ったカリキュラムを組めるのが大きな魅力でした。私は3カ月から半年の予定で受講しましたが、受講生のレベルや期間に応じた教え方をしてくれますし、途中で出されるWebサイト構築の課題でも知識が身についている手応えを実感できます。また、実際に受講して驚いたのはインストラクターの方が日によって変わるにもかかわらず、どこまで進んだかなど情報の連携がしっかりと行われていることです。なぜそこまで細かくわかるのか、というくらいスムーズでしたね」と、受講者としてKENスクールに通っていた当時を振り返る。

さらにもうひとつ、校舎が綺麗なこともスクール選びの重要なポイントだったそうで、板倉氏は「友人がさまざまなスクールを見学していたんですが、『ここまで明るくて綺麗な校舎はないよ』と嬉しそうに話してくれたのが印象的でした」と語る。たしかに校舎の概観や内装は、生徒が学びやすい環境づくりに配慮している、というスクールの考えが一番伝わりやすい部分でもある。無駄に装飾を施す必要こそないが、気持ち良く学べる環境があれば受講生のモチベーションも変わってくるだろう。

また、学習環境への配慮はKENスクール全体の校風にも表れており「正直なところ、こうしたスクールは黙々と学ぶような暗いイメージがあったんです。でも実際に通ってみて、そのイメージは間違いだったことに気付きましたね。他のスクールについてはわかりませんが、少なくともKENスクールでは校舎や教え方などを含めて、明るく学べる環境が整っています。空き時間に他の受講生たちとコミュニケーションが取り合えるような、良い雰囲気が形成されていました」と板倉氏は続けた。

このように、KENスクールはエンジニアの学び舎として最適な要素をそろえた場所といえる。しかし、同校が数多くの受講生を惹きつける理由はこれだけに止まらない。後編では、さらに深い魅力へと迫っていこう。