プレゼンテーションソフトのバージョンアップにおける花形選手的存在と言えば、なんといっても“動き”だろう。PowerPoint 2011でも「動き」に関するさまざまな新機能が登場している。

まず注目したいのは、関連機能をまとめて見ることのできる[アニメーション]タブと、スライド上に表示されるアニメーションの実行順番号の登場により、その設定が飛躍的に行いやすくなった点だ。PowerPoint 2008では、アニメーションの設定状況は専用の設定パレット画面で確認する必要があり、その全体像がなかなか掴みにくかった。そんな問題を一気に解消したスライド上への番号表示という手法は、シンプルながらその効果は絶大。[アニメーション]タブの選択時のみ表示されるので、その他の作業中に邪魔になることも一切ない。

関連機能がわかりやすくまとめられた[アニメーション]タブが登場。このタブの選択中は、アニメーションの実行順を表す番号と軌跡(軌跡機能利用時)が表示され、スライド内のどのオブジェクトにどのタイミングでアニメーションが設定されているのかが非常にわかりやすい

オブジェクトなどに対するアニメーションの効果、画面の切り替えともに、新たな動きが追加されたのは言うまでもなく、その種類に加えて動きのスムーズさもぜひ一度試用版などでチェックしてほしいポイントだ。

そんな中、特に目をひくのが「アニメーションの軌跡」機能の登場だ。従来のアニメーションの効果はその場の動きであるのに対し、軌跡では画像や文字を移動させることが可能。より効果的かつインパクトのあるスライドショー作りに重宝する新機能だ。

設定はいたって簡単で、[アニメーション]タブで[軌跡]から軌跡の種類を選択するだけ。ドラッグでサイズや位置を調節すれば、思い通りに動かすことができる仕組みだ。

[アニメーション]タブの[軌跡]から軌跡の種類を選択しよう。さまざまな動きに加え、任意の軌跡を指定できる[フリーハンド]も用意されている

設定された軌跡は点線で表示される。ハンドルをドラッグしてサイズの変更も可能だ

アニメーションを実行すると、軌跡の通りに画像が移動する

このように画像や動画の使い方が広がったPowerPoint 2011では、オブジェクト同士を重ねて配置する機会も増えることが予想される。そんな時に便利なダイナミックソートは、PowerPointでももちろん利用可能だ。こちらはWordとは異なり、標準表示の状態で[ホーム]タブの[配置]から[オブジェクトの並べ替え]を選択するだけで利用できる。

ダイナミックソートを利用するには、[ホーム]タブの[配置]から[オブジェクトの並べ替え]を選択する

オブジェクト単位でレイヤー表示される「ダイナミックソート」。対象のオブジェクトをドラッグして移動すれば、簡単に重なり順を変更できる

Office for Mac 2011 新機能大全

Mactopia Japan