iPadユーザー待望のアップデートに

iPadでもついにiOS 4系が体験可能に

iPadやiPhoneをお使いの方はもうすでに「iOS 4.2」へのアップデートは済ませただろうか。米Appleでプロダクトマネージャを務めるスコット・ブロデリック氏は、iOS 4.2を得たことでiPadは「まったく新しいデバイスになった」と説明する。

iPadでは初のiOS 4系環境。iPhone/ iPod touchユーザーが先行利用していたマルチタスキングやフォルダ機能も使えるし、Game Centerでソーシャルゲームに仲間入りすることもできるようになった。そしてiOS 4.2から追加された「AirPrint」や「AirPlay」はiPadと相性のよい機能となっている。

もはやパソコンを使わず、書類の作成も情報収集もiPadでひとつで済ませるようなユーザーにとっては、とくにAirPrintのようなワイヤレス印刷機能は重宝するだろう(現状HPの「ePrint」対応機のみサポートという縛り付きだが)。AirPlayは、Apple TVや対応スピーカーにコンテンツデータをストリーミングする機能。iPad内の写真やiTunes Storeで購入した映画をApple TV経由でテレビに表示できる。シチュエーションに応じてiPadの画面かテレビの大画面かを選べるし、AirPlayでテレビに映画を映しながら手元のiPadでWebを見たり、電子メールを送ったりといったこともスムーズにこなせる。こうしたiOS 4.2の新機能によって、iPadはより生活シーンに浸透しやすいデバイスになったといえる。

もちろんiOS 4.2はiPadのみに重要なアップデートというわけではない。有料サービス「MobileMe」で提供されていた"iPhone/ iPadを探す"機能が無料開放されることになった。iOS 4.2を搭載したiPad/ iPhone 4/ 第4世代iPod touchが対象となる。これはiPhoneユーザーには非常にうれしい知らせだろう(iPadよりは紛失しやすい、という意味において)。

本誌では、大きなアップデートとなったiOS 4.2や関連情報について、ポイントごとのレポート記事などを掲載している。変更点や活用法のチェックなどに役立ててほしい。

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(続報を掲載しだい追記していく予定です)

より生活に浸透していくiPad

「発売から8カ月、iPadは多くの人の生活に入り込んでいる。(発売から)最初の180日間で750万台を出荷した。これはコンシューマエレクトロニクス製品では異例の成功」と、米Apple プロダクトマネージャのスコット・ブロデリック氏はiPadの好調な販売状況を説明する。現在、多くの最適化アプリがリリースされ(同氏によると4万件以上)、iPadは人々のプライベートやビジネスシーンで活用するツールとなった。「スマートフォンとコンピュータの間」(同氏)という新たなジャンルのデバイスに関わらず、いまや「2歳から99歳まで」(同氏)という幅広いユーザー層に受け入れられている。

さらには障がいを持つ人たちの社会進出をサポートするツールとしても可能性を示しているという。たとえば、視覚障がいを持つ人々のコミュニティではiPadに対して「どうやったらタッチスクリーンをコントロールできるのか心配があった」(ブロデリック氏)。iPadにはこの問題への対応策がある。「ボイスオーバー機能(画面上のタッチした場所の文字やボタンを読み上げる)を使って音声ナビゲーションをすることができる。これは彼らにとって重要だ」(同氏)。こうしたiPadのアクセシビリティは高く評価されている。学習障がいを持つ子どもとのコミュニケーションにiPadが使われている例もあるという。

ブロデリック氏が事例を挙げるように、iPadはすでに一定の評価を得ているわけだが、そこにとどまらず「まったく新しいもの」に進化。iOS 4.2へのアップデート、iTunes Storeでの映画配信やApple TVの登場は、iPadの使い勝手をさらに向上し、利用シーンを拡大させた。印刷ができて、映画も楽しめる。当たり前と期待された使い方が可能になったことで、仕事でも生活でも、より本格的にiPadを使い倒せる環境が整ってきた。