【レポート】
今年もやってきた。ボジョレー・ヌーヴォーの解禁だ。
「50年に一度の」というコピーがついてまわった2009年のボジョレー・ヌーヴォー。そんな史上稀に見る出来栄えの翌年は怖い。いいことはそうそう続かない。残念な出来だったとしても、ワインの場合は天候にかかっているから誰も責められはしない。今年のボジョレー・ヌーヴォーに対しては、そんな期待と不安が入り混じっていた。
まずは結論から言ってしまおう。今年も「YES!! 」
解禁日には、毎年の恒例行事となっているフランス大使館でのテイスティングに今年も足を運んだ。そこで75種類のボジョレー・ヌーヴォーを飲みまくって、いや、試飲してきた。もちろん造り手によって個性はあるが、総じて言うなら「色はグラスに注ぐと淡いルビー色で、縁は青みを帯びた紫色。野イチゴやラズベリーのチャーミングな香りは毎年共通している。タンニンをほとんど感じず、なめらかで優しい口当たりでスルスルと喉を通り抜ける」。
今回来日したボジョレーワイン委員会共同会長兼広報委員長のグザビエ・バルビ氏も、「さくらんぼのようなきれいな赤。爽やかでバランスがいい」といい、昨年の「しっかりパワフル」とはタイプが異なる。2010年は典型的なボジョレー・ヌーヴォーになったとほっと胸をなでおろした。
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ボジョレーワイン委員会共同会長兼広報委員長のグザヴィエ・バルベ氏 |
昨年来日したA.O.Cボジョレー / ボージョレー・ヴィラージュ統制委員会会長のダニエル・ビュリア氏は、「ボジョレー・ヌーヴォーはお祭り、楽しいことはみんなで分かち合いましょう」といっていたが、バルビ氏は「ボジョレー・ヌーヴォーは昨日今日に始まったわけではない。今でこそお祭りのように華やかだが、この成功はきっちりと歴史と伝統に裏打ちされているのだよ」という。
ボジョレー・ヌーヴォーのはじまりは、"ブション"と総称されるリヨンのビストロへとヌーヴォーが次々と運ばれ飲まれた18世紀に遡る。その後、1967年に解禁日を11月15日とし、その人気はパリからベルギーやオランダ、スイスなどに飛び火した。当初1,000万本の出荷が年を追うごとに拡大し、2000年には7,800万本が出荷されるようになった。なお、解禁日が現在のように「11月第3木曜」と定められたのは1985年のことである。
輸出量は2004年から減少の一途をたどってはいるが、「量さえ造ればいいという一時のブームに比べると、今はじっくりと質を極められる時代」と静観している。
輸出先ランキングでは日本が2位のアメリカ、3位のドイツを大きく引き離して断トツでトップ。これは昨年と変わらない。いや、昨年だけではなく、ここ10年ほどはそういった状態が続いている。時差の関係でどの国よりも早く、そう、本国フランスよりも早くボジョレー・ヌーヴォーを口にできるのも変わらない。ただ違うのはユーロ安が加速したことだ。
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