「Adobe Creative Suite 5 Production Premium」

2010年11月17日、アドビ システムズは、CMや映画の制作を手掛ける映像制作会社ロボットが、テレビコマーシャルの制作を含めた幅広い領域で、「Adobe Creative Suite 5 Production Premium」による制作/運用を開始したと記者発表した。本発表は、両社が2009年に発表した次世代の映像制作ワークフロー構築における提携に基づき実現されたもので、64bit作業環境とテープレス収録素材にネイティブ対応する「Adobe Premiere Pro CS5」をはじめとする各種製作ツールにより、ロボットでは映像制作ワークフローの大幅な改善と、全社的な制作能力の向上を目指すとしている。

ロボット 代表取締役社長 加太孝明氏は、「Adobeとの提携により、今後もさらなるスタッフのスキルアップや、世界市場での相対的な競争力の向上にも努めていきたい」と述べた

ロボット 代表取締役社長 加太孝明氏、ロボット 経営企画/情報システム担当 鴨川弘樹氏、アドビ システムズ クリエイティブソリューション部 ビデオ製品担当フィールドマーケティングマネージャー 古田正剛氏、ビジネスデベロップメント部 ビジネスデベロップメントマネージャー 林岳里氏などが登壇し開催された発表説明会の模様から、最新の映像制作ワークフローの概要についてお伝えしていこう。

ロボットでは、Adobe Creative Suite 5 Production Premiumの本格導入にあたり、昨年より慎重なツールの評価、クリエイター個別セミナーの開催などを繰り返してきたという。同社では、現在放映中の日立製作所によるテレビコマーシャルでも、すでに最新のデジタル一眼レフによる動画収録と、Premiere Pro CS5による映像編集を軸とした新たな制作ワークフローを構築し、多大なる成果が得られたとのこと。

「ロボットにあるすべての編集室には、それぞれWindows/Macが1台づづ備えられており、いずれのPCにも『Adobe Creative Suite 5 Production Premium』を導入しました。プラットフォームには固執せず、今後もどのような作業環境がクリエイターにとって最良なのか、模索を続けていきたい」とロボットの鴨川氏は語った

具体的な事例として、テープレスフォーマットをネイティブサポートしたAdobe Premiere Pro CS5なら、これまで必須であった映像編集のためのファイルフォーマット変換を一切必要とせず、編集作業およびカラーグレーディング作業を行えるため、撮影現場から編集過程での不要な待機時間の大幅な削減が実現、さらに動画の収録現場においてのプレビューなどの際にも威力を発揮したという。

ロボットでのCS5の導入は、近年のHD化を含めた映像の高画質化へのスムーズな対応のみならず、実質的な作品制作へのリソース集中が可能となることで、作品自体のクオリティの向上にも大きく寄与している。また、映画やCM、アニメーションだけでなく、Web、モバイル、グラフィックデザインなど多様化するメディアに対して、より効率的に対応できることも大きな魅力となっているとのこと。

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