2007年6月に策定された「がん対策推進基本計画」により、がんの予防及び早期発見の推進として、がん検診の受診率を50%に引き上げることなどが目標として掲げられている。それに伴い、女性特有のがんが注目を集めている。

なかでも、女性のがん検診(乳がん、子宮頚がん)については全国の女性約4,000万人を対象に無料クーポンを配布(2009年~2013年予定)。無料クーポンが配布された2009年の子宮頚がんの検診受診者数は前年と比べて13.5%(4.8万人)も増加したとの報告もある(参照:子宮頚がん征圧をめざす専門家会議HP)。

こうした背景を受け、アフラックは今年6月に「アフラックのがん保険 フォルテ」に付加できる「特約コサージュ」(以下、二つあわせてフォルテコサージュ)を発売した。今回は、フォルテコサージュの開発に携わった、商品開発部の中村佳子副長に開発の経緯や商品の特徴などについてお話を伺った。

――近年女性特有のがんに注目が集まっていますが、実態はどのようなものなのでしょう。

商品開発部の中村佳子副長

厚生労働省の「平成20年 患者調査」によると、がんの罹患者数は、30代から50代は男性より女性の方が多く、女性が30代から50代に罹るがんの5割以上を乳がんや子宮がんなど女性特有のがんが占めています。

こうしたがんの問題は、女性特有の部位であるということに加え、家事や仕事、子育てが忙しいタイミングに治療が重なるケースが多いということです。乳がんを経験された方からご意見をうかがった際、乳がんの手術で乳房を摘出した後で乳房再建したいという思いがあっても、家計の支出がかさむ時期と重なるため、自分のためにお金をかけることにためらいがあるといった声がありました。たとえがんにかかっても自分が納得できる治療を選択してその後の人生を前向きに生きていただくために、こうした女性ならではの悩みを解決できる、自分のために使っていただける給付金を用意したいと考え、フォルテコサージュを開発しました。

――フォルテコサージュの特徴を教えてください。

フォルテコサージュは女性特有のがんをより手厚く保障する商品です。フォルテコサージュは「フォルテ」のスタンダードながん保障に加え、女性特有のがん(乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん)の保障を強化した商品です。具体的には「フォルテ」の給付金に「女性特定ケア給付金」と「乳房再建給付金」を上乗せして受取ることが可能です。特約コサージュ部分の保障期間は10年満期で、80歳まで継続可能です。

女性特定ケア給付金は、乳房観血切除術や子宮・卵巣全摘手術をした場合、20万円が従来の手術給付金に上乗せされます。これらの手術の後では、後遺症に対する治療が必要となったり、再発防止のための治療が長期化することがあります。たとえば、代表的な後遺症にリンパ浮腫があります。

リンパ浮腫は、日常生活にも支障をきたす場合があり、術後リンパ浮腫をケアする下着などを着用することで症状が軽減するそうです。他にも、排尿障害だったり、乳がん、子宮がんは女性ホルモンのバランスをくずすことで更年期障害のような症状が起きたりするということも聞いています。また、乳がんの再発予防のためにホルモン剤を長く飲み続けなければならないこともあるそうです。

このように、長く付き合っていく後遺症の治療というのは、患者にとって肉体的にはもちろん経済的にも負担が大きくなるので、手術後のケアのために役立ていただきたいという思いが「女性特定ケア給付金」には込められています。

また、同給付金はその使途が限定されていませんので、自由に使用してもらえるのが特徴です。また、あくまで手術給付金に上乗せされる形で支払いますから、わずらわしい手続きもなく、給付金をお受け取りいただけます。

もうひとつの給付金「乳房再建給付金」は、乳房再建手術を受けた場合に1乳房につき50万円(通算2回まで)がお受け取りいただけます。洋服の着こなしが変わるから外出が億劫になってしまうなどの、手術後の悩みを解決することで前向きに普段どおりの生活をしてもらおうと用意しました。

――コサージュという言葉にはどのような意味が込められているのでしょう。

コサージュをつけると華やかな場においても気後れせず、堂々とふるまうことができます。ハレの日でなくてもカバンや髪につける若い女性もたくさんいます。そうしたところから、胸を張って歩いている女性をイメージしました。納得のいく治療をうけて、自分らしく輝いてもらいたい願いを込めました。

女性のためのスペシャルサイト「コサージュ・ルーム」

――ライフサポート年金やプレミアサポートについて教えてください。

これらは、フォルテに含まれる保障になります。ライフサポート年金は、当社オリジナルの給付金でがんと診断された翌年以降、年金形式でお受け取りいただく給付金です。たとえば、診断時には100万円を診断給付金としてお受け取りいただき、翌年以降はライフサポート年金を4年間10万円ずつお受け取りいただけます(トータルケアプラン140Sの場合)。生存されていることがお支払事由となっていますので、「女性特定ケア給付金」と同じく自由に使っていただけることが特徴です。がんの直接的な治療終了後もサプリメントを続けて飲んだり、水や食事に気を遣ったりされる方が多いそうです。そのような様々な用途に使用可能です。そうした特徴から「色の付いていない給付金」と紹介することがあります。

プレミアサポートには、2つの柱があります。「訪問面談サービス」と「ベストドクターズサービス」です。自分、もしくは家族ががんだと告知された時の衝撃は耐え難いものがあります。そんな心理状態の中で、短期間にどんな治療を選べばよいのかわからない、医者の説明がよく理解できないなどといった悩みを多くのがん患者やそのご家族が抱えていることから、こうした相談サービスを用意しました。

訪問面談サービスは、5年以上の臨床経験に加え、がんの知識とカウンセリングスキルを持つ看護師「がん患者専門カウンセラー」による面談を受けられるサービスです。最初に電話でヒアリングをして、後日、その人の悩みや不安に応じた適切な情報提供ができるよう、準備を行ってから約2時間の面談を行います。お客様からのアンケートでは「話を聞いてほっとした」、「医者にどんなことを聞けばいいのかポイントが分かった」などの非常に満足度の高い声が上がっています。

ベストドクターズサービスは、セカンドオピニオンの取得などのために、医師同士の相互評価により、推薦されたその分野の専門医を無償で紹介するサービスです。名前の通り、医者自身が治療を受けたい専門医「ベストドクターズ」ですから、技術にも定評のある専門医であるだけでなく、患者の状況を事前に伝えて診察が可能かを確認してからご案内しているので安心です。

これらのサービスは、フォルテコサージュでも利用可能です。これまでの相談では、4件に1件が女性特有のがんに関する相談で、特に乳がんの相談件数が多いと聞いています。

――フォルテコサージュは今年6月に発売されましたが、反響はいかがですか。

販売は好調です。多くの女性にコサージュをつけてご契約いただき、手ごたえを感じています。

女性特有のがんの検診受診率は、日本ではまだまだ低いのが現状です。これからもフォルテコサージュの販売を通じて、がんと闘う方々へのサポートのみならず、お客様に正しい知識を提供し、罹患率減少にも貢献していきたいと思っています。

――ありがとうございました。