【レポート】

変わる教育 - 「21世紀型教育のモデル授業」に国会議員も興味津々

非営利活動法人スーパーサイエンスキッズ(SSK)は、11月4日、東京・永田町の衆議院第二議院会館において、「21世紀型教育のモデル授業」を行った。

絶滅危惧種をテーマに行われたモデル授業のようす

西町インターナショナルスクールの堀井清毅教諭

「21世紀に求められる能力を育てるための教育はどうあるべきか?」をテーマに、今回のモデル授業が日本の教育政策の立案、実行のヒントになることを目指したという。

日本の小中学生7人と、インターナショナルスクールの小学生6人を対象に、絶滅危惧種の保護に関するモデル授業を同議員会館内で実施。ファシリテーターは、21世紀型教育の先進校である西町インターナショナルスクールの堀井清毅教諭が務めた。後援はACCJ。また、WWFジャパン、動物チャネル/ア二マルプラネットの協力を得たほか、フィンランドの元小学校教諭であり、現在、日本の教育支援活動にも取り組んでいるEija Pajarinen氏も参加した。

モデル授業は、10月から5回に分けて行われており、まずは児童および生徒個人が授業中に本やインターネットで絶滅危惧種について調べたのち、上野動物園を訪れて絶滅危惧種などの対象動物を実際に観察して写真を撮影。その後、チームで議論しながら、対象動物に関する発表を行うための資料をPCで作成。また、WWFスタッフによる特別講演により、ドードーの絶滅危機についても学習した。

これらの授業のほかに、自宅でのインターネットを通じた学習や、保護者との話し合いを通じて理解を深めるといった活動も行われた。

今回、公開されたのは、「守れ!!絶滅危惧種プレゼンテーション」として絶滅危惧種に関する発表を行うための準備を行う、第4回目の授業。11月25日にも予定されているチーム発表の授業のための資料を議論しながら作成した。

政府では、文科省の「未来を拓く学び・学校創造戦略」や総務省の「フューチャースクール推進事業」が進められており、次世代教育には関心が高い。議員会館の地下で行われたということもあり、会場には国会議員や秘書、教育関係者などが見学に訪れた。

モデル授業の間には、見学に訪れた国会議員や教育関係者が間近に寄って、子供たちの学習の様子を目の当たりにした

ITを活用するだけでなく、紙の資料を活用したり、実際に書き込んだりといった作業も多い。ITは学習を補助するツールのひとつにすぎない

特定非営利活動法人スーパーサイエンスキッズ 瓜谷輝之理事長

スーパーサイエンスキッズの瓜谷輝之理事長は、「これだけ多くの国会議員および関係者が来場したのは予想外。最先端の教育現場の実際の様子を見せることができた」とコメント。また、「21世紀の教育環境では、ITが完全にツールとなり、子供たちの学習を補助するものになる。いま、日本の教育現場では、PC教室に行って、PCの利用方法を学ぶというものになっており、まだ子供たちのツールとはなっていない。今回のモデル授業では、一般的な教室でPCを利用し、さらに、SQUEAK(スクイーク)を活用してプログラムを作成したり、パワーポイントを利用してプレゼンテーションを行うといった使い方も行っている。なかには、SQUEAKを利用して、ライオンとシマウマの生態をシミュレーションするプログラムを作成した子供もいた。シマウマが減少したら、ライオンはどうなるのか、そこに人間が加わるとどうなるのかといったことを要素を入れながらシミュレーションするといったことが、子供自身の興味の上で実現でき、探求心を刺激することになる」などとした。

SQUEAKを利用してプログラミングをする子供やパワーポイントで資料を作成する子供もいる

また、今回のモデル授業では、小学校3年生から中学校1年生までという異なる年齢層で授業を構成。インターナショナルスクールとの合同授業という点でも、通常の学習とは異なるものだ。「授業のなかでは、子供たちがお互いに教えあったりという風景が見られた。また、SQUEAKに慣れていた日本の子供が、インターナショナルスクールの子供にSQUEAKの使い方を教える一方、絶滅危惧種に関するネット上の情報には圧倒的に英語によ情報が多いことため、英語に精通しているインターナショナルスクールの子供がその内容を伝えたりといった協力も見られた」という。

Eija Pajarinen氏

一方、Eija Pajarinen氏は、「今回のモデル授業は、先生が教えるというスタイルや、教科書を通じて教えるというものでなく、子供たちが話し合いながら学習し、先生が支援するというもの。これはフィンランドで行われている授業のスタイルと同じ。こうした探求心を刺激する授業を行うには、すべての教室にPCがあるのが最適であり、PC教室にいって授業をするという形では効果が薄い。PCは学習支援ツールのひとつであり、ツールとしての繰り返し利用することが、より効率的な教育アプリケーションの利用を生むことになる」などと語った。フィンランドは、PISA(OECD生徒の学習到達度調査)で世界トップの成績を誇っている。

なお、特定非営利活動法人スーパーサイエンスキッズは、未来を担う子供たちの創造性や国際性を育むことを目的に教育支援活動を行っており、行政、教育委員会、学校、大学、研究機関、企業、NPO、第一線で活躍する科学者やクリエーターと協力し、学校支援、各種ワークショップやコンテストなどを実施。21世紀型の教育に関して、実践を通して、社会に提案している。

瓜谷理事長やPajarinen氏の周りには熱心に質問する議員や行政関係者も



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