上司は部下をいかに管理/指導するかで日頃から苦労しているものだ。しかし中には部下の管理を放棄している上司もいる。そういうとき、部下はどうしたらよいのだろう。上司の目の届かないところでのびのびと仕事ができると喜んでいていいのだろうか。実はこれはよくない状態なのである。上司とはあなたの評価と査定をする人間である。そんな人があなたに無関心ということはあなたは決して良い評価をしてもらえないことを意味するからだ。上司から放置されているな、と感じる人は続きを読んで、上司との関係を自ら改善してはどうだろう。

USAToday.comなどへ寄稿しているジャーナリストのアニータ・ブルゼッセさんのブログから「上司とよい関係を持つための3つの方法(原題: 3 Ways to Have a Better Relationship With the Boss)」を紹介しよう。

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細部に至るまで部下を管理する上司はいやなものだが、逆に部下をまったく放置する上司はもっとたちが悪い。

もし上司があなたを存在していないかのように扱っているとしたら、おそらくあなたは昇進することはないし、新しいプロジェクトへの抜擢や、昇給の可能性もないだろう。長期的には、求人市場で必要なスキルや機会を得られないという意味でキャリアが傷つくことにもなる。

「上司を管理してもいいんだよ(It's Okay to Manage Your Boss)」の著者であるブルース・タルガンは次のように言っている。

ビジネスパーソンは上司を管理する方法を学んだほうがいい。というのもほとんどの管理職は管理が下手だからだ。職場で成功するためには期待や規則などをちゃんと知る必要がある。それらがないと努力の方向を間違ってしまう。上司は部下にそれらを与える義務があるが、もし与えていないようならば、部下自身がなんとかしなければならない。

上司を管理するという考えは、怖い、ゾッとする、馬鹿げている……と思うかもしれないが、それほど難しくはない。

上司と定期的なコミュニケーションを取っていない場合、ほとんどのケースでは上司は何か悪いことが起ころうとしたときに限ってあなたを管理しようとするだろう。すでに事態は制御不可能で気づかないうちにあなたは間違ったことをしている、というわけだ。

業績の高い人と低い人の違いは、業績の高い人は上司を会話に引き込むようにしているということなのだ。

もしあなたの上司が「ほっといてくれ、自分で何とかしろ」という態度の人ならば、上司との関係を改善するために次のステップを実践してみてはどうだろう。

1. 上司を追い詰める

上司と1対1の対話の時間を確保する。そのために上司の行動パターンやスケジュールを調べて、話しかけるベストのタイミングを計る必要がある。

上司との対話は長くなってはいけない。そのためにアジェンダを作っておくと感謝されるだろう。アジェンダにはあなたが伝えるべきこと、たとえば、仕事のこと、業績のフィードバックのこと、あなたが業務遂行上必要とするリソースのことなどを明確に書こう。

2. 対人関係を重んじる

上司が遠隔地にいる場合、メールですべてを済まそうとしてはいけない。可能ならば実際に会うこと。または電話会議でよりよいコミュニケーションをとることが重要だ。グループ会議はダメ。上司とは一人で会うこと。

3. 徹底的にやる

上司を管理する上で重要なことは両者が同じ理解をするということだ。そのためには両者が同意することをすべて書き下すべきだ。さらにはあなたの進捗や今後の計画、いかに業務を達成したかについてもメモを取っておこう。

この書面による実績記録は、上司自身があなたの進捗の記録を取らない場合に有用となる。

あなたがどんなに努力をしても、対話を拒否する上司はいる。そのような場合は……新しい上司を探すときかもしれない。

名目だけの上司という場合は、上司の代わりになる他の人を見つけても良い。上司の上司とか、上司の補佐役とかを任命するのだ。そういう人にあなたがどんな仕事をしているかの最新情報を知ってもらうようにする。

あなたのキャリアに対し、より関与しようとする上司を見つけると、あなたが仕事に責任感を持っているというメッセージが伝わるというメリットもある。

さらに、ほかの人もあなたのことを物事を成し遂げることのできる、率先して行動する業績の高い人と気づくことだろう、そして、あなたを自分の下で働かせたいと思うようになるに違いない。

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ここまでを読んでどう思われただろうか。上司の立場からすると、こんな部下がいれば楽かもと思う反面、実績を書面で見せ付けられると、下から突き上げられているようでやりにくさも感じる。

一方、業績の高い社員は上司とうまく会話ができる人、というくだりは自分のまわりを見ても実感を持って納得できる。ヒューマンスキルはどんな職種の人にとっても重要だ。

あ、そういえば自分の上司と最近1対1で会話してなかった……。