世の中には「7つの習慣」「仕事のうまくいく人の習慣」など「習慣」と名のついた自己啓発本が何と多いことか。それほど習慣の持つ力は強いということだろう。

しかし実際にはさまざまな悪い習慣が身についてしまっていないだろうか。たとえば、職場に着くとまずWebサイトのニュースをだらだらとチェックする、メールが届いたら今までしていた仕事をやめてメールを読む、気がつくとメーラーの受信ボタンを連打してメールが届いていないかを確認する、昼休みにアイスクリームを食べる、などなど。こういう悪癖はなくして良い習慣を身につけたいものだ。

U.S.News&World ReportでキャリアアドバイザーのAndrew G. Rosen氏が「職場での悪癖を直す5つのステップ(原題: 5 Steps to Breaking Bad Work Habits)」という記事を書いているので紹介しよう。

ゴシップに花を咲かせたり、不平不満を言ったり、食べ過ぎたり、爪をかんだり、メールを絶え間なくチェックするといった悪癖はないほうが幸せになれる。次のステップにしたがって、悪癖をやめて良い習慣に置き換えよう。

ステップ1: 職場での悪癖を見つける

習慣は無意識に私達をコントロールするため、なかなか自分では気づきにくい。そこで1週間自分自身を観察して、とりあえずこれは自分の習慣と思われるものをノートに書きとめよう。たとえば「午後に炭酸飲料を飲む」とか、そういう類のことを書き留めていく。

ステップ2: 自分に悪影響を及ぼす習慣を決める

ステップ1でノートに書き留めた習慣の中で、最もあなたに悪影響を及ぼすものを選ぶ。つまり時間を浪費する、身体的、精神的にストレスを与える、といったものだ。短期と長期の両面から見て最悪の習慣を選ぼう。

ステップ3: 直ちにその習慣をやめる

禁煙が何回でもできるように、悪癖をやめること自体は簡単だ。やめたはずの習慣をまた繰り返したと気づいたら「やめろ!」と頭の中で叫ぼう(自分ひとりしかいなかったら声に出してもOK)。

ここからが鍵だが、その習慣によって引き起こされる悪い結果を表す物理的な、またはビジュアルな"リマインダー"を用意する。このリマインダーを机の近くに置いておき、常に見るようにする。

たとえば炭酸飲料を飲むという習慣ならば、酸で溶けた歯の絵を張っておくのだ。タバコの場合は真っ黒な肺の写真が良いだろう。そういうのを見慣れておくと、次回炭酸に手を伸ばしそうとしたときに、水という選択肢が頭に浮かぶはずだ。

ステップ4: 悪癖を良いものに置き換える

職場生活はルーチンになりがちだが、良い習慣をルーチンにしてしまおう。たとえば、Eメールが届いたら今までしていた作業をやめるのではなく、深呼吸をし頭をすっきりさせるという感じに。ほかには、目の疲れを和らげる方法として、"20/20/20ルール"をやってみるのもよい。これはディスプレイや書類を20分見るたびに、20フィート先を20秒間見るというものだ。深呼吸、ストレッチ、目を休ませるなど仕事中にできることはたくさんある。

ステップ5: 辛抱強く取り組む

習慣の中には根深いものもあるので、1日で変えてしまおうとはしないこと。何週間も何カ月も自分の習慣を観察しよう。毎週の習慣として"習慣リスト"を作ってみてはどうだろう。

以上5つのステップであるが、3まではわりと簡単にできると思う。私にとっての最大の悪癖は、仕事中に気がつくとニュースサイトを見ているということだろうか。この習慣は時間を浪費するという悪影響があるので、リマインダーとしては仕事が終わらなくて残業をしている自分の姿の絵でも机に張っておこうか。