毎日新聞東京センターの「メモリーズ新聞」は、1872(明治5)年3月29日から現在まで保存されている新聞データの中から1面とテレビ面をA3およびB4サイズで提供するサービスだ。仕上げとしてラミネート加工も行っているので、誕生日や結婚記念日など大切な人への贈り物としても喜ばれているという。

価格は、A3片面印刷(1面かテレビ面を選択)・ラミネート加工ありで630円(別途郵送料)。両面印刷(1面とテレビ面)・ラミネート加工ありで1,050円(別途郵送料)など。価格一覧はこちら。今回は、小学校6年生と高校1年生の子供を持つ家族に協力してもらい、「メモリーズ新聞」を実際に見ての感想を話してもらった。

「メモリーズ新聞」

今回家族が注文したのは、1面の片面印刷を2枚。弟の僚一君(12)と姉の杏奈さん(16)の誕生日の一面記事だ。なお、ホームページの価格一覧には入っていないが、違う日付の片面2枚(ラミネート加工あり)でも、1,050円(別途郵送料)で申し込むことができるとのこと。ニーズに応じて柔軟に対応してくれるので、まずは相談してみるといいかもしれない。

小学校6年生の僚一君(12)は、1998年8月4日生まれ。自分が生まれた日の新聞を見てまず反応したのは、和歌山毒物カレー事件の関連記事。

僚一君が生まれた日の新聞

僚一君「僕知ってる! カレーに毒が入れられて、大勢の人が死んだんだよね」
お母さん「よく知ってるね! 7月に事件が起きてこのころはテレビで大騒ぎだったのよ」
僚一君「テレビで見たよ。犯人捕まったんだよね」
お母さん「まだ逮捕前なので…10歳の男の子が亡くなっているって書かれているよ」
僚一君「え! そうなんだ…僕より年下なんて……ひどい事件だね」

僚一君の一面トップ記事は、小渕恵三首相の支持率についてだった。

お母さん「ほら、りょう君の生まれた頃は小渕首相なんだよ」
僚一君「小渕首相かぁ、僕知らないなぁ」
お母さん「小渕首相は首相在職中に亡くなったのよ」
僚一君「え! そうなの!?」
お母さん「今は娘さんが衆議院議員をやっているわね」

続いて、円安の記事にお母さんは反応。

お母さん「この時、ドルが145円だって!」
僚一君「ふうん」
お母さん「今(取材日時点)は81円だから全然違うね」
僚一君「経済の話って僕、よくわかんないや」

経済の話はちんぷんかんぷんの僚一君。続いて、お姉ちゃんの杏奈ちゃんの誕生日(1994年7月7日)の一面を一緒に見てもらった。

杏奈さんが生まれた日の新聞

杏奈さん「私の新聞にはドルが98円って書かれていたよ」
お父さん「僚一の時ともまた違うね」
杏奈さん「今は円高なんでしょ」
お父さん「そうだよ、たとえばお父さんがこのペン(持っているペンを指さし)1本を1ドルで売っていたとするだろ。僚一の頃は145円で売れたけど、今は81円でしか売れない」
杏奈さん「そしたら、儲けが少なくなってしまうね」
お父さん「日本は輸出で成り立っている国だから、これは困ることなんだ」
杏奈さん「でも海外旅行では安く物が買えるってことだよね」
お父さん「正解。それと輸入しているものは安く買えるからね」

さすが、高校一年生ということもあり、新聞の内容もしっかりわかる様子。僚一君もお姉さんとお父さんとの会話に興味津々だ。

あと、ご両親に人気だったのがその日の天気だった。

お父さん「そういえば、僚一が生まれた時は暑かったな」
お母さん「杏奈の時もね。蒸し暑かったのよね」
杏奈さん「曇り一時雨って書かれていたけど」
あ母さん「天気予報では雨が降るって言われてたけど、結局曇りだったのよね」

最後にご家族に感想を聞いてみた。

杏奈さん「自分が生まれた時の新聞なんてなかなか読めないからうれしかった。オウム真理教の事件についても触れられていたけど、テレビで見たことのある事件が自分の生まれた頃だったなんて思わなかった」
僚一君「うん、僕も和歌山のカレー事件が、僕の生まれた頃だったなんて知らなかったよ」
お父さん「誕生日の新聞という身近さから、社会問題に興味を示してくれたのはよかったな」
お母さん「子供たちが生まれた頃を話し合うなんて、いい家族団らんになりました」
お父さん「結婚式のお祝いや、おじいちゃんおばあちゃんへのプレゼントにもよさそうだね」
お母さん「自分たちの新聞もほしいなぁ。自分の時のテレビ欄も見てみたい」

ご協力いただいた関根ファミリー

家族団らんにもぴったりのメモリーズ新聞。電話かメール、FAXで申し込み、銀行振り込みで申し込む。ただし、掲載されている内容を事前に知らせるといったサービスは行われていないので注意が必要だ。また、データが一部残っていなかったり、新聞休刊日の場合もあるのでまずは問い合わせてみてはいかがだろうか。