【レポート】
以前、スペインに行った時、語学学校の友達に「寿司の作り方を教えて」と言われて、口から泡が出たことがある。海苔って英語でなんて言うんだ? 日常生活でよく使う単語じゃない限り、準備でもしなければそんなことはわからない。そのとき、救いの手を差し伸べてくれたのは、アメリカ人の女の子だった。彼女は語彙の足りない私に代わって、寿司の作り方を説明してくれたのだ。
そのときに強く思ったことがある。やはり太平洋を囲む国々は、日本に対する知識がほかの地域に比べて圧倒的に高いということだ。特にアメリカは留学先の人気ナンバーワン、経済的にも深いつながりがあり、アメリカには日本に関する情報が多い。
しかしヨーロッパとなると、すでに日本と中国、韓国あたりの区別がつかないらしく、チャイナ服に十二単の女性の柄が入っていたり、着物を着た女の子がお団子二つ作ったチャイナヘアーをしているキャラが作られたりと、混乱ぶりがよく目につく。日本は、遠いところにある未知の国って感じなのだ。
日本のマンガやアニメは、スペインやフランスなどでは大興隆している一方、前回取材したロンドンでは、ごく一部の人たちの隠れた楽しみであった。それは、良くも悪くも、日本という国が遠いお空の果てにある未知の文化を持っているから、だろうと思われる。
しかし、今回取材に行くニューヨークは、寿司の作り方までわかるアメリカ人たちが住むお国。ロンドンで見かけたマンガの出版社は、みなアメリカにある企業だった。数年前、アメリカではジャンプやら少女マンガやらが上陸し、大流行とテレビで見たことがある。どれだけマンガが浸透しているのか、想像に難くない。
ところが、である。街中でマンガを見かけないのだ。テレビをつけても、日本アニメは登場しない。スペインでは、テレビをつければ『ママレード・ボーイ』が現れ、キオスクにはマンガが置いてあり、街の子どもたちはポケモンとしんちゃんを争って身につけていた。
アメリカではコミックイベントがあちこちで開催され、そのひとつに萩尾望都が招待された、なんて話も聞いていたのに……おかしい。テレビで見ていた情報が正しいならば、街中がナルトであふれているはずだ!
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