Adobe Design Achievement Awards受賞者発表

10月25日から28日(太平洋夏時間)にかけて、米カリフォルニア州ロサンゼルスにおいてAdobe社主催のユーザカンファレンス「Adobe MAX 2010」が開催される。この期間は世界中から開発者やデザイナー、ビジネスユーザに至るまで多くのAdobeユーザが会場となるLos Angeles Convention Centerに集結する。

会場となるLos Angeles Convention Center

会場エントランス

カンファレンスバッグなど

24日にはプレイベントとして第10回Adobe Design Achievement Awardsの受賞者が発表されるなど、開催前夜にして早くも現地は熱を帯びはじめている。今年は日本人デザイナーが2名、多摩美術大学のWataru Yoshida氏と米国アカデミーオブアート大学のChiharu Tanaka氏がノミネートされ、Tanaka氏の「MONYO+MOJI」がPrint Comunications部門で見事Awardsに輝いた。同賞の受賞は日本人初とのこと。受賞作品および最終選考作品はADDA Galleryで見ることができる。

マルチスクリーン対応に向けて進化するFlashプラットフォーム

例年、Adobe MAX会期中には新製品や最新テクノロジーのトレンド、今後の展望まで、多くの発表やメッセージが伝えられる。中でも今年とくに注目を集めているテーマは、何といってもFlashプラットフォームのマルチデバイス対応だろう。昨年のAdobe MAXでは、モバイルデバイスに対応した「Flash Player 10.1」が発表されて話題を呼んだ。今年期待されているのはその一歩先、各種開発ツール群におけるモバイル端末対応だ。

たとえば、Adobe LabsではすでにFlash Builderの次期バージョン"Burrito"やFlex SDKの次期バージョン"Hero"、Flash Catalystの次期バージョン"Panini"などのプレビュー版が公開された。いずれもスマートフォン向けのアプリケーション開発をサポートする予定のバージョンである。これらに関する詳細な情報や今後のロードマップなどが、このAdobe MAX 2010会期中に明らかにされることは間違いないだろう。

マルチスクリーン対応という点では、AIRやHTML5への取り組みなども気になるところだが、これについても25日(日本時間)付けのプレスリリースにより、同社CTOのKevin Lynch氏が新しい発表を行うことが予告されている。Adobe AIRについてはAIR 2.5におけるスマートフォンやタブレット、TV対応などに関する発表も行われるとのこと。その一貫としてすでにAndroidマーケットには「AIR for Android」ランタイムが登録されており、こちらも目が話せない状況となっている。

電子出版に関する新製品を発表

もちろん、今年のAdobe MAXで行われる発表はFlash関連のものばかりではない。たとえば、エンタープライズ向けのソリューションとしては「Adobe LiveCycle」の最新動向が気になるところだ。Flashプラットフォームがマルチデバイスに対応するにあたり、企業向けソリューションはどのように変わってくるのか。

電子出版に関しても何らかの新しい発表が期待されている。「Adobe InDesign」はすでに出版業界ではスタンダードとなっているDTPツールである。5月にリリースされたCS5ではすでにePub形式をサポートしているが、こちらもタブレットPCをはじめとしたさまざまなタイプのデバイスがターゲットとなることから、今後はマルチスクリーンという単語が鍵になってくるだろう。

さらに最新のプレスリリースによれば、今回Adobeは新しい電子出版ツールとして「Adobe Digital Publishing Suite」を発表するようだ。これはCreative Suite 5とInDesign CS5をベースとして、ディジタルコンテンツの作成から電子書籍や電子雑誌の作成、消費者への販売までを行うスイート製品であり、企業による電子媒体での出版をトータルにサポートするとのことである。

関連情報を日本語で配信

今年のAdobe MAXに関する情報は、Adobe MAX 2010日本語情報サイトにまとまっている。さらに基調講演については日本語同時通訳付きでライブストリーミング配信が行われる予定となっている。

その他、日本人参加者チームによるTwtterを利用した情報発信(ハッシュタグは#maxjp)や、プレゼント付きのクイズなど、日本にいながら現地の雰囲気を味うことができる企画が用意されている。

もちろんマイコミジャーナルでも精力的にレポートをお届けする予定なので、楽しみに待っていていただきたい。