OpenOffice.org - The Free and Open Productivity Suite

現在開発が進められているOpenOffice.org 3.3ではスプレッドシートにおけるグラフの機能が大幅に書き換えられている。従来のように細かい機能の変更や新機能の追加といった作業ではなく、グラフ関連のコードを抜本的に作り替えるといった作業が進められている。

これを受けてこれまでのバージョンでは実現されてこなかった多段ラベルなどが実現されている。また、開発版を使ってみるとわかるが、作成されるグラフの標準設定が変わっており、従来よりも見やすく、そして便利なものになっている。OpenOffice.orgが作成するグラフは、作成後にサイズや設定を変更することが多かったが、3.3からはその作業が軽減されることになる。

OpenOffice.org 3.2と3.3で同じデータからグラフを作成すると違いがわかりやすい。3.3はグラフのデフォルトサイズが大きくなっており、従来では一旦作成したグラフのサイズを変更する必要があったが、これが必要なくなっている。フォントも若干大きくなって見やすくなった。また、余計な枠線が描画されなくなったことで、従来のグラフよりも見やすくなっている。

OpenOffice.org 3.2で作成されたグラフ。幅が小さいためラベルが表示しきれていない

OpenOffice.org 3.3開発版で作成されたグラフ。よりワイドな表示になり最初からラベルがすべて表示されている

同様の変更は3Dグラフに対しても実施されている。3.2と3.3で3Dグラフを作成して比べてみるとよくわかる。3.3のグラフの方が見やすい。

OpenOffice.org 3.2で作成した3Dグラフ。2Dの場合と同じ問題がある

OpenOffice.org 3.3で作成した3Dグラフ。ワイド化、フォントが若干大きなものへ、3Dシェープの変更が実施されておりデフォルトでの見やすさが向上している

こうした変更は棒グラフのみならず、ほかの種類のグラフにも実施されている。折れ線グラフを比べてみるとわかりやすい。同じようにデフォルトサイズのワイド化、フォントを若干大きなものへ変更しているほか、枠線の描画を廃止してよりすっきりとした見た目を実現している。

OpenOffice.org 3.2で作成された折れ線グラフ

OpenOffice.org 3.3で作成された折れ線グラフ。ワイド化、フォントを若干大きなものへの変更以外に、ノードにおける枠線の廃止などがあり、見た目がすっきりしている

新しいデフォルト設定が気に入らない場合の対処方法がNew Chart features in OpenOffice.org 3.3 Beta (part 3) - GullFOSSで紹介されている。よく使うグラフをダミーデータで作成して好みの設定にカスタマイズしたあとに保存し、もっともアクセスしやすいフォルダにコピーしておく。グラフを作成する段階になったら、このダミーグラフを開いてコピー&ペースト。データ部分を利用したいデータに置き換えて利用する。