OpenOffice.org - The Free and Open Productivity Suite

オープンソースソフトウェアとして提供されている統合オフィスアプリケーションとしてはOpenOffice.orgが代表的な存在。Sun MicrosystemsがOracleに買収されてからOpenOffice.orgの行く末を心配する声も出ているが、Oracleは今後もOpenOffice.orgの開発を継続することを発表している。次のメジャーリリースはOpenOffice.org 3.3.0になる見通しで、現在ベータ版が公開されている。改善や機能追加が実施されているが、特にグラフ機能が強化された点に注目しておきたい。

OpenOffice.org 3.3開発版起動画面

OpenOffice.org 3.3.0 (m10 build:9533)

これまでOpenOffice.orgのグラフでは1段のみのラベルがサポートされていた。OpenOffice.org 3.3には多段ラベルの機能が実装されており、複数列または複数行の内容を多段階層化されたラベルとして描画できるようになった。2段に限らず複数段貼り付けることができる。またグラフに追加できるアノテーション用の画像も強化されており、従来よりも豊富な表現ができるようになった。

グラフに多段ラベルの対応機能登場

グラフに対してこれまでよりも多くのオブジェクトをコメントとして追加可能

OOo 3.3.0開発版に用意されているアノテーションの種類

フォントなどの影響を受けないように、グラフの範囲からラベルがはずれ、グラフのみが含められるように変更されている

変更点としては、グラフとしてのエリアが変わった点に注意しておく必要がある。従来はラベルまで含めた領域をグラフ領域として扱っていたが、OpenOffce.org 3.3からはラベルの部分がはずれ、グラフの部分のみが領域として扱われている。ラベルまで含めてあると、選択するフォントによって描画されるサイズが変わってしまうという問題がある。マルチプラットフォームでデータを扱う場合、これが原因で表示が崩れることにもなる。

今回、グラフにより豊富なアノテーションオブジェクトを追加したこともあって、サイズを確実にフィックスする必要があることからラベルを対象領域から除外。従来よりもフォントの違いによる表示ずれの可能性が軽減されている。