Midori is a lightweight web browser.

シェアから判断すると、主要ブラウザはIE、Firefox、Chrome、Safari、Operaということになる。これらブラウザは最新技術への対応を積極的に進め、提供している機能も多岐に渡る。しかし実際のところ、こうしたブラウザが提供している機能のうち、実際にユーザが活用している機能はそれほど多くないかもしれない。よく使う機能は限られており、実はそれ以外の機能は必要としていないということもある。

実のところWebブラウザはこの5種類のみならず、多種多様な実装が存在している。レンダリングエンジンにはこれら主要ブラウザのエンジンを流用することが多いが、UIや機能はブラウザごとにさまざまだ。たとえばユニークな機能を提供しているところではIE、Firefox、Webkitという複数のレンダリングエンジンに対応したLunascapeがある。

こうしたブラウザのひとつにMidoriがある。レンダリングエンジンにWebKitを採用し、GUIにはGTK+2を採用している。ほかのコンポーネントへの依存が少なく、簡単に導入できるという特徴がある。

Midori 0.2.8実行例 on FreeBSD

Midori設定ダイアログ - シンプルな設定項目

スピードダイアログ

スピードダイアログへの追加は手動。サイズは大中小を選択可能

はじめからインストールされているエクステンションの有効無効設定

クラッシュ後の起動画面

Midoriが提供しているUIはFirefox 3.6のものに近い。Firefoxの機能をもっとさっぱりとさせ、はじめからいくつかのエクステンションを用意、それにOperaやChromeのスピードダイヤル機能を追加したような作りになっている。アドレスバーにおける履歴機能もあり、使う分にはそれほど違和感を覚えない。主要ブラウザほどは機能を提供しておらず、シンプルにして充分な機能を提供している。WebKitを使ったシンプルブラウザとして興味深い。

面白いアプリケーションだが、まだ動作が不安定というところがある。今後動作が安定してくれば、主要ブラウザに代わる軽量ブラウザやサブブラウザとして、またはネットブックや古いPCなど非力なマシンにおけるブラウザとして活用できそうだ。なお、MidoriはLinuxやFreeBSD版以外にもWindows版を提供しているが、あまり安定して動作するとはいえない。今のところLinuxやFreeBSDにおける代替えブラウザのひとつという位置づけが現実的といえる。