大人気のTwitterであるが、私たちはTwitterに対してどういうスタンスで取り組めばよいのだろうか。ツイートの内容は「帰宅なう」といった本当のつぶやきでよいのか、また、自分のフォロワー数はどのくらいあればよいのか。

そんなモヤモヤ感に対するひとつの示唆が「Penelope Trunk's Brazen Careerist」という人気ブログに「誰も教えてくれないTwitter4つのヒント(原題: 4 Twitter tips no one will give you)」として載っている。Penelopeさんはソーシャルネットを使ったキャリアアドバイザーなのでTwitterを就活に使いたい人は必見だ。

1つ目は「量ではなく質にフォーカスせよ」というもの。この量と質はツイートの内容ではなくフォロワーの質のこと。まず、Twitterの目的は「他者に影響を与えること」としている。つまり、あなたの目的が商品の宣伝ならば他者に影響を与えることは必須であるし、逆によい文章を書くことである場合でも誰も読んでくれないならば意味はない。

最近「Twitterってつまらない」という人もいると聞く。何をすればよいのかわからないし、読んでもつまらないということらしい。情報収集手段としてのTwitterも注目されており、オピニオンリーダー的な人をフォローすることの有用性は語られている。しかしPenelopeさんはTwitterをブログのようなライティングプラットホームと位置付けている。つまり自分のブランド作りをブログで行うように、Twitterもその線で活用しようということだ。

Twitterをマーケティングに使うのが最近の流行だが、その流れにはPenelopeさんは懐疑的である。人はお金で幸せになるよりも、人に影響を与えることの方が幸せを感じることができるそうなのだ。

だから人に影響を与えるようなツイートをするべきなのだ。とはいっても、有名人のように何十万人ものフォロワーは必要ない。ここで「量より質」の議論が出てくる。

Penelopeさんは、求人や商談を行うためのビジネス系SNSのLinkedInの創業者との会話の中で、30人の良質のコンタクトがいれば十分なネットワークとして機能すると聞いたそうだ。ただし"良くネットワーク化された30人"である必要がある。つまりTwitterでもあなたのツイートをよく読んで反応してくれる人が30人もいれば十分というということだ。もちろん「帰宅なう」などとつぶやくようでは読んではもらえないので、ツイートの内容も問われてくる。フォロワーとともにツイートの内容も量より質なのである。

2つ目は「ライティングパートナーを持て」というもの。Twitterは面白い内容でなければ誰にも読んでもらえない。良い内容にするためにはライティングパートナー、つまり編集者の存在は必須だそうだ。書籍やブログの編集者はすでに存在するのでTwitterの編集者がいてもおかしくないということらしい。皆さんが読んでいるこの記事も私の原稿が優秀な編集者の手によりブラッシュアップされており、読みやすい内容になっているのだ。

Twitterの編集者というものはちょっと想像ができない。個人でTwitterをやる限り、編集者を間に置く仕組みはまだないと思う。組織でTwiiterをやる場合は編集者を間においてもいいだろう。

3つ目は「幸せにフォーカスせよ」。ハーバード大学の社会学教授によるとソーシャルネットワークで影響を与えるためには「幸せそうに見える」ことが重要とのこと。Twitterのプロフィールの写真も幸せそうなものが他者により影響を与えることができるらしい。

自分のプロフィール写真をちゃんとした写真家に撮ってもらい、ベストな写真を用意しておく効用はよく聞く話である。

4つ目は「黒人のようになれ」 - 何のことかと思いきや、Twitterのトレンドに表示される今流行っているハッシュタグは黒人の間でやり取りされる話題が多いらしい。なぜ黒人かというと黒人は団結力が強いから他者の話題に乗ってきてリツイートしあうのだそうだ。要は我々も他の人のツイートに興味を示し、ネットワーク化していこうという意味だろうか。

この4つ目のアドバイスはPenelopeさん自身も人種差別的であるかもしれないと書いている。しかしリスクを取ってやや危険な話題をTwitterで取り上げることが、日常のcomfort zoneから一歩外に出て、人生を面白いものにするチャンスであるとも言っている。

以上をまとめると、Penelopeさんのアドバイスは、フォロワーは数よりも質を重視し、ツイートの内容を他者が興味を引く、幸せな内容にしつつ、リツイートなどでネットワークを強固にし、たまにはやや危険なネタもツイートしてみるといったところか。私も今後はちゃんとした内容のあるツイートにしたいなと思った次第である。