成熟期に入った定番WEBツール
[発売元] デジタルステージ |
国産WEB作成ソフトとして定番の存在となった「BiND for WEBLiFE*(以下、BiND)」の新バージョンが、2010年9月17日に発売される。恒例となる1年に1度のメジャーバージョンアップも今回で3回目、バージョン4となる。
スライドショーなどの動きのあるコンテンツをHTML5ベースでWEB上に掲載できる点や、細かいコントロールが可能なテーブル作成が可能になった点などが新機能の目玉だ。しかし、本バージョンの魅力はそういった目新しい機能だけに留まらない。実は、80種以上といわれる新機能のほとんどが、ユーザからのリクエストを踏まえた改善や機能追加だという。
毎年のバージョンアップごとにユーザの声に応えてきたBiNDは、そろそろツールとして成熟したといってもいい。簡単な操作でキレイなサイトが作れるというだけでなく、あらゆる人にとって信頼のおける機能と使い勝手を備えたWEB作成ソフトだといえる。
HTML5+JavaScriptで動きのあるコンテンツを作成する「SHiFT for WebLiFE*」という機能を新搭載した。これまでスライドショーのようなコンテンツはフラッシュベースのものが大半だったが、この機能を使えば、iPhoneやiPadでWEBサイトに訪れた人にもスライドショーコンテンツを見せることができる |
またBiNDは、以前からケータイサイトのサポートなど、ビジネスでのWEB制作をバックアップする機能を充実させてきた。BiNDユーザ専用の有料のホスティングサービスやその中で利用できる有料のケータイサイト自動変換、キャンペーンクーポン発行機能などは、まさに商店経営や小規模事業者に役立つ機能だ。BiND4ではこの方向性をさらに推し進め、専用ショッピングカートの仕組みを搭載。本格的なネットショップの運営ができるようになっている。
「趣味のホームページ」を簡単に作れるのはもちろんだが、「仕事でお客様をおもてなしするサイト」作りのためのオールインワンパッケージとなってきたのだ。
WEBサービスとの連携も充実
BiNDの進化のもう1つの方向性として、WEBサービスの充実という点がある。例えば、BiND 2.5で登場した、YouTubeやGoogle ドキュメントをWEBページ内に配置できる「WEBサービス系パーツ」はその代表例だ。BiND4ではこの方向性に関しても確実な進化を遂げており、WEBページを翻訳して表示する「Google 翻訳」ボタンやGoogleのサイト内検索用の検索窓を設置できるようになった。
これらのパーツを配置する操作では、アプリケーション内だけで処理を完了させず、インターネット上に置かれたBiND用のサービスを呼び出すことで行っている。そのためBiND側は、Googleなど元のWEBサービスの仕組みの改変に合わせて発売後もメンテナンスが必要となる一方、ソフトウェアパッケージの販売時期に関係なく機能を充実させられるというメリットがある。
このように見ると、BiNDは徐々にデスクトップアプリケーションにとらわれない方向性に進化していくようにも見える。たしかにサービスをタイムリーに提供しようと考えれば、デスクトップアプリケーションよりもインターネットサービスのほうが小回りが利く。将来は、ブログのようにオンラインで使うサービスに近づいていくかもしれない。
ともあれ、現状においてBiND4は、デスクトップアプリケーションとインターネットサービスを融合させた、快適で使いやすいWEB作成ツールになっている。本稿執筆時点で試すことができたのは開発途上バージョンだったため、製品のすべてを体感することはできなかったが、製品版を評価できるようになった際には改めてこの製品の有効性を考えてみたい。