【レポート】

これからはネットワークですべてがつながる時代 - FTF Japan 2010 基調講演

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Freescaleにとって日本は重要なマーケット

今年も東京の雅叙園において2010年9月14日、Freescale Technology Forum Japan 2010(FTF Japan 2010)が開催された(Photo01~04)。既報の通り今年4月からDavid M Uze氏が同社代表取締役社長に就任したものの、直後にインタビューなどは受けていただいたものの、公式の場に出てくるという意味では今回のFTFが最初のイベントとなる。いわば、同氏のお披露目の場でもあるわけだ。

Photo01:昨年までと異なり、1Fの廊下にもFTFの看板が出る、ちょっと本国のFTFを思わせる飾りつけに

Photo02:Technical Sessionは午後に6トラックが各々4つ、合計24が用意された

Photo03:Technology Labは今年は一部屋に。とはいえ見やすさは大分増した気がする

Photo04:受付開始直後。最終的に基調講演はほぼ用意された席が埋まる好調ぶりだった

というわけで、基調講演はUze氏(Photo05)の挨拶から始まった。氏は「私は20年以上日本に暮らしており、日本人の勤勉さや誠実さに感銘を受けている」と自己紹介し、「Freescale Japanの社長として5カ月経ったが、良いお客と(自分をサポートする)良いチームに恵まれ幸せである」とした上で、自分の使命を「過去の経験を生かし、日本の顧客とGlobal Marketを繋ぐ架け橋になりたい」と説明した。具体的には「品質に対する要望は日本が世界をリードしている」事を念頭に「日本の顧客の要望をFreescale全体に伝える」と共に、「世界の動向をいち早く日本のお客に伝え、世界で勝てるお手伝いをしたい」とする。

Photo05:フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン 代表取締役社長 David M. Uze氏。まだ混み入った話になると英語になってしまうが、今回は基調講演のオープニング(と最後の挨拶)を、見事に日本語でこなした

Uze氏はFreescaleにとって日本は重要なマーケットであり、その理由として「ネットワークと自動車の分野で世界をリードしている」事をまず挙げ、更にSmartBookとかeBook Readerなどでは日本の企業と協力して比較的早期から製品投入を行えていることなども挙げた。その上で、「日本市場はこれからも沢山の可能性を秘めており、そしてFreescaleは皆様と一緒に成功したい」と締めくくった。

これに続いて、Henri Richard氏(Photo06)が登壇した。今回のFTF Japan、当初の予定では本国CEOのRich Beyer氏が来日予定だったが、Personal Reasonにより参加不可能になったとかで、Richard氏が代役を務めた形だ。まずはRich Beyer氏による短いビデオメッセージの後で、昨年からの経済動向を簡単にまとめながら、景気が復調しつつあることを強調した。

Photo06:Senior Vice President, Chief Sales and Marketing OfficerのHenri Richard氏。Uze氏の上司に当たる(基調講演では「私の大先輩です」と紹介された)。「まだレースやってるの?」と後で尋ねたところ、相変わらずだそうで。ただもうFerrariではない(レギュレーションの関係で他の車になった)とか

この景気の復調はまた、Freescaleにとっても幸いであり、売り上げも回復傾向に向かっているとする。Freescaleの強みは、MCU/MPU/DSPといったEmbedded Processingを中核に、センサ/アナログ/RFといったコンポーネントと、これを支えるソフトウェアエコシステムにあるとしており(Photo07)、特にOpen Softwareがキーであると強調した後で、これを4つのセグメントに分けてそれぞれリソースを集中することで、No.1ないしNo.2のポジションを得ることが重要であると説明。Freescaleの強みは、Motorolaの時代から培ってきた品質管理であり(Photo08)、これが最終的なカスタマバリューに繋がる、と氏は説明した。

Photo07:以前はConnectがもっぱら携帯電話のクライアントの話題だったが、昨年携帯電話部門を切り離した結果、現在では基地局向けのRFの話題がメインとなっている

Photo08:今回の氏の講演の特徴は、単に製品を提供するのではなく、システム全体のサポートを提供できる点を強調していたことだ

ここで話を変え、1970年代からの業界の成長率について言及した(Photo09)。1980年代の業界はPCの登場(Photo10)、1990年代はInternetの普及、2000年代はMobileとWeb 2.0(Photo11)がそれぞれ成長率の牽引役となってきた。そして2009年から経済後退に入り、再びこれから復調してゆくわけだが、それはWireless Deviceだとする。これまでネットワークに繋がっていなかった様々なものが一斉にWirelessでネットワークに繋がるようになり、こうしたDeviceが次の半導体業界の牽引役となる、というわけだ。

Photo09:半導体業界の成長率を示したもの。横軸が期間、縦軸が成長率である

Photo10:IBM-PCやその後継と互換機が、半導体業界に及ぼした影響はいうまでもなく大きい

Photo11:Web 2.0で新しいInternetのUsage(Social Networkと、それを支えるサーバ/クライアントの増強)が図られ、その後はMobile Internetのこれまた急速な普及が更に成長率を底上げした

これは同社が集中する4つのセグメント、つまり「Automotive」「Network」「Consumer」「Industrial」のすべてのマーケットに共通することでもある。例えばAutomotiveでは、より多くのコントローラが搭載されるようになると共に、Infortaiment Systemもネットワーク接続が前提となってゆく。Consumerでもe-BookReaderやTabletなど、新しいNetwork Connected Deviceが多く投入されてゆくと見られる。Industrialについても、例えばSmart GridはすべてのDeviceがNetwork Connectedであることが前提となる。当然こうしたNetworkの広がりは、PowerQUICCやQorIQといった同社のネットワークプロセッサの新たな需要を喚起することになる。

氏はFreescaleはこの盛り上がりに合わせる形で製品投入を行ってゆく事を改めて表明した。日本との係わり合い、という意味では、例えばLTEで一番進んでいるのは日本であり、あるいはAutomotiveについても特にエコカーに関しては日本が一番進んでいる。SmartGrid関連に関しても日本は今後かなりの投資を行うことがはっきりしており、これもFreescaleにとっては重要なマーケットである、とした。

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インデックス

目次
(1) 重要マーケットとなっている日本地域
(2) 4つのセグメントに向けた戦略を公開
(3) MCU分野に本腰を入れ始めたARM
(4) エレクトロニクス化で日産が夢見る進める自動車の未来
(5) プレスセッションでの質疑応答からの補足
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