ボーズは15日、ヘッドホン2モデル、ヘッドセット1モデルの新製品発表会を行った。発表されたモデルは、インイヤーヘッドホンの「Bose IE2」、モバイルヘッドセットの「Bose MIE2i」、アラウンドイヤーヘッドホンの「Bose AE2」。発売日などは表のとおり。

スタッフ全員が、2の文字がプリントされた白のTシャツスタイル。写真は、前半の進行を務めた、同社のマーケティングディレクター伊東奈津子氏

たいていの場合、新製品の発表会では、スタッフはスーツというスタイルが一般的だが、今回行われた発表会では、全員、同じTシャツというラフなスタイル。これは、「チーム一丸となってこの新製品を届けたい」「新製品が、構えて音楽を楽しむものではなく、カジュアルに楽しむためのもの」という同社からのメッセージだという。また、全員のTシャツには「2」という数字をプリント。この意味については明言を避けたが、発表された製品がそれぞれ、IE2はインイヤータイプの、AE2はアラウンドイヤータイプの、MIE2iはモバイルヘッドセットの、それぞれ2世代目の製品であり、なおかつ従来の製品とは別の次元の製品という意味が込められているのでは、と推察する。

発表会は、2部構成で行われ、前半は、同社のマーケティングディレクター伊東氏が進行を務め、カジュアル性を強く打ち出したプレゼンテーションが行われた。最初に登場したのはIE2で、同社のスタッフが、ヘッドホンを装着したまま踊るというパフォーマンスが行われた。また、IE2には、Y時型のケーブルが使用されているが、そこに10cm程の金属製のフック(1つ60gほど)を2個ひっかけ、それでも外れないという装着安定性の高さを示す実験も行われた。

約60gのフックを2個ひっかけても外れない、装着安定性の高さ

続いて登場したのは、IE2をベースにしたモバイルヘッドセットMIE2i。同社としては初めて、アップル製品専用モデルとして開発した製品。MIE2iのY時型のヘッドホンコードの右側には、頬のあたりの部分に、長さ3cm程度のリモコンが配置されている。これにより、曲の移動やボリュームコントロールなどの操作を、iPhoneに触れることなく行うというデモが行われた。

顔の横にあるリモコンで、アップル製品を快適に操作

最後に登場したのがAE2。装着したままギター演奏を行うことで、シングルケーブルによる、快適性をアピールするパフォーマンスが行われた。同社では、2002年に、耳全体を覆うオーバーヘッド型のヘッドホン「AE」を発売しているが、AEは、2002年から一度もモデルチェンジせずに販売され続けたロングセラーモデル。新モデルでは、この音質と、装着感を向上。また、新デザインの採用で、クオリティとポータビリティもアップしているという。また、AE2は、世界に先駆けて、日本で発表された。

8年ぶりのモデルチェンジとなったアラウンドイヤーヘッドホン

後半では、広報宣伝グループの富藤氏により、新製品の詳細な解説が行われた。まずはIE2。富藤氏は、インイヤーのヘッドホンに求められる3つの大きな要素として「オーディオパフォーマンス」「快適性」「装着安定性」を挙げ、そのなかで、オーディオパフォーマンスに関しては、同社の小型高性能スピーカー技術と進化したTriPortテクノロジーによって、重低音から1つ1つの音色まで、緻密に再生することが可能となったと述べた。

新製品の詳細な解説を行った、同社広報宣伝グループ マネージャー富藤元一氏

人間工学に基づいたStayHearチップにより、抜群の装着安定性を実現

さらに、装着安定性に関しては、新開発のStayHearチップについて説明。人間工学を応用して開発したStayHearチップは、ウィング型という独自の形状を持つ。この形状により耳上部のくぼみ部分にフィットし、安定した装着を実現しているという。また、シリコン製のStayHearチップは、S/M/Lの3サイズが付属しており、どのような人の耳にもフィット。アクティブなスポーツなどを行っているときでも、安定した装着を実現するとのことだ。

MIE2iに関しては、サウンド、快適性、装着安定性に加え、音楽を聴いているときに携帯電話の着信があると、音楽がフェードアウトして着心音が流れ、リモコンの操作で電話を取ることができると、アップル製品専用に開発されたモデルならではの操作性について説明した。

MIE2iのヘッドホン部分に関しては、IE2と同じものが採用されている

AE2に関しては、オーバーヘッド型のヘッドホンに求められる大きな要素として、「オーディオパフォーマンス」「快適性」「利便性」を挙げ、オーディオパフォーマンスに関してはIE2と同様に、小型高性能スピーカー技術と、進化したTriPortテクノロジーにより、リアルなサウンドを体験することができると述べた。快適性については、イヤーパッド内部に同社独自の低反発性素材を採用することで、頭が締めつけられることがなく、優しく耳にフィットするとし、さらに頭の部分を覆うヘッドバンドも人間工学に基づき調整しており、長時間の装着でも快適なリスニングが可能だと述べた。利便性に関しては、脱着式の片出しケーブルによる取り回しのよさと、ハウジングのスイベル機能による高い携帯性を持つと語った。

イヤーパッドの内部には、形状記憶効果のある独自の低反発素材を使用

回転式のハウジングで、携帯性も確保。なお、着脱式のコード/ハウジングには、2.5φのミニミニプラグ/ジャックが採用される

最後に富藤氏は「すべてのよい音楽に心から感謝します。しかし、よい音楽があっても、何で聴くかということが大事だと、我々ボーズは考えます」と述べ、発表会は終了した。なお、9月25日のIE2の発売日には、渋谷を中心にさまざまなイベントが行われる予定だ。

製品名 発売日 予約開始日 価格
Bose IE2 9月25日 9月15日 1万2,600円
Bose MIE2i 10月30日 1万5,750円
Bose AE2 1万8,900円