【レポート】

従来のRAIDの制限を克服する”BeyondRAID"ストレージ「Drobo」

 

メーカー・容量・回転数の違うHDDを混載可能

今回試用した「Drobo FS」は、インタフェースとして有線LANのみを備えるNASだ。シリアルATAのHDDを最大5本搭載できる。最大の特徴は、ここに挿入するHDDは3.5インチのシリアルATAならば何でも良いということだ。通常のRAID製品ではメーカーはもちろん、回転数なども揃える必要がある。また、ケースに挿入するための専用ガイドが必要であるため、ケースメーカーからHDDを購入しなければならないのが普通だ。しかしDroboならば、そうした制限はない。

今回試用した「Drobo FS」

今回は、2TBのWestan Dedital製HDD(回転数非公開)、320GBのサムスン製HDD(回転数7200rpm)、160GBの日立製HDD(回転数7200rpm)を混在させてみたが、まったく問題なく動いた。通常はこうした容量の混在はなかなか行われないだろうが、例えば「とりあえず自宅に余っているHDDを使いたい」、「容量が不足した時につなぎとして手持ちのHDDを利用したい」といった場合に役立つはずだ。また、スモールスタートから容量拡張時に大容量HDDを追加するという方法や追加時に安価に購入できるHDDを追加するという方法をとることも可能だ。

試用した3種のHDD。容量もメーカーも違うHDD混在したがまったく問題なし

利用中の様子。カバーを外した本体はスロットとインジケータのみで、設定ボタンなどは存在しない

背面には電源コネクタ、LANポート、電源スイッチのみが配置。利用中に触る必要があるものはない

使用開始にも管理にもIT知識は不要

Droboには、いわゆるスタートアップガイド的なものとマニュアルが付属している。スタートアップガイドには、「PC側に管理ツールをインストールした後、HDDを2台以上挿入したDroboをLANに接続して電源を投入するように」としか書かれていない。実際に、この手順で電源を投入すると、管理ツールが自動的にDroboを検出する。

付属するスタートアップガイド。非常にシンプルな内容だが、実際にこれだけ読めば利用できる

ただし、Droboに初期値で割り当てられるIPアドレスが決まっているため、DHCPの自動割り振り機能を利用して動的IP環境でネットワークを構築していないと、うまく検出できないことがある。その場合は付属のLANケーブルでPCの有線LANポートとDroboを直接接続すれば認識され、管理ツールを用いて固定IPを割り振ることが可能だ。検出されると、すぐに合計容量と使用状況を確認できる画面が表示される。

管理ツールの表示はグラフィカルで、今何が起こっているのかわかりやすい。さらに、Droboは正面のカバー裏にインジケータの意味が表示されているから、マニュアルと取り出したり管理ツールを確認したりするまでもなく、ユーザーは何をすべきかがわかる。また、マニュアル自体も懇切丁寧に書かれており、例えば、HDDの挿入方法も「金属プレートのついている側を上にする」など、まったく知識のない人が使えるように気遣いされているのが印象的だ。

検出が完了すると容量情報が表示される

2台のHDDがエラーを出している状態でもデータを保護する設定や、IPの固定指定などは「詳細設定」画面で行える

カバー裏の表示でインジケータの意味がわかる

管理ツールでボタンを押すだけで、今何をすべきなのかを動画で解説するページを開くことができる

HDDの合計容量の大半をデータ保存に利用可能

データ保存に使用可能な容量はHDDの組み合わせによって前後するが、大体すべてのHDD容量から最大容量のHDDを除いた程度になる。異なる容量のHDDを混在させることが可能なストレージ製品の中には、最小容量のHDDを基準にRAIDを構築するためにデータ保存可能な容量が非常に小さくなってしまうものもある。

しかし、Droboは独自のBeyondRAIDテクノロジーによって「搭載されたHDD構成に従って、書き込むデータブロックごとに適切なアルゴリズムを適用する」といった内部処理を行っているため、すべての容量を無駄なく使い切ることができるのだ。

容量のシミュレーションはWeb上で行うことができる。保護のためにどれだけ使われているのかもわかりやすい

利用しているデータの量は正面下部の青いLEDで確認できる。ランプ1つが10%に当たり、85%を使用したところで空きスロットもしくは最小容量HDDのスロット横のランプが黄色く光る。これが容量追加推奨のサインだ。さらにそのまま使った場合、90%以上が使われたところでランプは赤くなり、すぐに容量を追加するよう促される。

内部の利用容量を示すのは下部LED。全HDDが問題なく稼働し容量の問題もない場合はスロット横のLEDは緑になる

HDDの使用量80%を超えた時、次にHDDを挿入すべきスロット横が黄色く光る。90%を超えると赤ランプになる

空きスロットがあればそこにHDDを追加すると、すぐに認識される。スロットが埋まっている場合は、最小容量のHDDを引き抜いてもっと容量の大きいHDDを挿入するだけだ。こうした作業はすべてデータの読み書きをしながら行うことができる。HDDを引き抜くと、利用中スロットの全ランプが点滅し始めるが、これはデータ保護環境を再構築している状態を示している。この間にもデータ読み書きは可能で、抜いたHDDを再挿入したり、別なHDDを追加したりしてもすぐに認識される。

HDDを追加すると緑と黄色でランプが点滅し、10秒程度で設定完了後緑の点灯となる

利用中にHDDを抜くと、残りスロットのランプが点滅し始め、再設定が行われる。再設定中もデータの読み書きは継続される

再設定にどれだけの時間がかかるかは管理ツールで確認可能。再設定中はデータ保護に問題があると表示されるが、完了すると新しい容量と利用可能な状態の表示になる

デスクトップから複数サーバ用ストレージまで幅広いラインアップ

Droboシリーズを扱ううえでやってはいけないことは、再構築中や設定中を示すスロットのLEDが点滅状態の時に該当HDDを引き抜くことだけだ。仮に電源を切った状態で全HDDを外し、順番を入れ替えてもきちんと認識される。筐体をまるごと交換しても大丈夫だ。どのHDDに何のデータが格納されているかということが記録されているため、HDDの順番などを気にする必要がない。

デスクトップでの利用に向いた「Drobo」と「Drobo S」、サーバ向けバックアップストレージ「DroboPro」、複数サーバ用ストレージ「DroboElite」とラインアップも揃っている。今回試用した「Drobo FS」ならば、SOHOや中小企業、部門ストレージとしての利用がぴったりだろう。

知識のあるユーザーがカスタマイズするためのツール群「DroboAppsライブラリ」も公式で用意されており、Droboは、簡単に使いたい人から深く使いこなしたい人まで、ストレージを利用したいあらゆる層にうってつけの製品なのだ。

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