【インタビュー】

乙葉しおりの"朗読"で読書体験──iPhoneアプリ『朗読少女』ヒットの秘密

1 少女が朗読することになったワケ

    大澤昌弘  [2010/09/07]

    「朗読」アプリはなぜウケた?

    女子高生キャラクターの「乙葉しおり」が文学作品を朗読してくれるiPhoneアプリ『朗読少女』。App Storeでのリリース後、1カ月で約10万件のダウンロードを達成したヒットアプリだが、今、なぜ「朗読」がウケるのか。企画者でオトバンク社長の上田渉氏にヒットの理由と今後の展開を聞いた。

    東京大学経済学部経営学科中退。複数のNPO・IT企業の立ち上げ・運営を経験。2004年にオーディオブックの制作販売を行うオトバンクを創業し、代表取締役に就任。出版業界の活性化を目指し、オーディオブックを文化として浸透させるべく日々奔走中

    読書離れをどうにかしたい


    ──アプリを企画したきっかけは何だったのでしょう

    読書離れが進む中で、読書習慣のない人に、本の楽しさに気づいてもらうには、どうすればよいのかをずっと考えていました。

    今では、電子書籍が流通し始めていますが、その内容は紙媒体の文章をそのまま移植したものがほとんどです。読書習慣のない人にとって、単に書籍の内容を移植しただけでは心に響かないでしょうし、デバイスならではの機能や特性を活かそうと考えたときに、今ある電子書籍とは別のアプローチが必要だろうと考えました。

    当社では、ビジネス書・自己啓発書をはじめとする書籍を耳で聞くオーディオブックの制作と販売を中心の事業にしているということもあって、本の内容を読み聞かせてくれるiPhone向けの朗読アプリはどうだろうかと考えたのがきっかけです。

    それから、いろいろな人の意見を取り入れて生まれたのが、高校2年生の「乙葉しおり」というキャラクターが文学作品を読み上げていく『朗読少女』です。

    男はみんな女子高生の声が好き!?


    ──「朗読少女」のコンテンツは、『よだかの星』(宮沢賢治著)、『羅生門』(芥川龍之介著)、『ごんぎつね』(新美南吉著)の三作品。すべてを文学作品にした理由はありますか

    読書習慣のない人たちに向けて作ったアプリですから、『羅生門』のように、短編で何度聞いても面白く、美しい日本語が聞けるものがいいと考え、歴史的名著を扱うことになりました。

    ──そもそも、なぜ、女子高生キャラを起用したのですか。たとえば、『朗読男子』というアプリではダメだったんでしょうか

    iPhoneユーザーで一番多いのは、20代後半から30代前半の男性です。マーケティング的な観点から見て、まずはその年代の男性に向けて、女性が朗読するスタイルにしようと考えました。

    女子高生キャラを採用した理由ですが、最初は先生、母親、女子アナウンサーなどといった別の候補があったんですよ。周囲の人に意見を聞いたら「女子高生に朗読してもらいたい!」という声が圧倒的に多かった。世の中は女子高生を求めているんですかね。そんなことから女子高生キャラを作ろうと考えたわけです。……つづきを読む

    写真で見るニュース

    関連したタグ

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        本音ランキング

        特別企画

        マイナビニュースマガジン