【インタビュー】
──なぜ、ヒットしたのでしょうか。どのように分析されていますか
私自身、正直なところこれほどまでに多くの方にお楽しみいただくアプリとなっていることにびっくりしています。こんなにヒットするとは思わなかった。ですのではじめからヒットするという確証があったわけではないのですが、強いて言えば歴史的名著と朗読の底力みたいなものがあったということではないでしょうか。
ユーザーから寄せられた声は、「『羅生門』がこんなに面白いとは思わなかった」「朗読は素晴らしい」といったようなものが多くあります。そうしたコメントを見ていると、作品自体の力を改めて感じますし、文芸作品を朗読で楽しみたいという人たちが大勢いたということではないでしょうか。
──ものづくりで大切にしている考え方はありますか?
ものづくりで念頭に置くのは、まずは自分が本当に欲しいと思えるかどうかにかかっていると思います。私自身、物欲はあまりないほうなので、商品やサービスに対してシビアな見方をするほうですが、まずは自分に問いかけたうえで、他の人も欲しがってくれるかどうかを知ることが大切だと思います。
オーディオブック事業を始めるときにも、サラリーマンが購入してくれるかわからず、デモ作品を作って日比谷公園まで行って調査をしました。欲しいかどうか、いくらだったら買うのかなど、100人以上に聞き込みをしたんです。消費者は統計や数値ではありませんし、ビジネスセンスよりも、お客さんの生の声を聞くことが大切だと思っています。
──開発期間や制作費、リリース後のダウンロード数はどうですか
細部にこだわりを入れたことと、はじめてアプリ開発に携わったので、着想を得てからリリースするまで6カ月以上かかりました。制作費については、具体的な数字は明かせませんが、ご想像以上の金額がかかっていると考えていただいて良いと思います。
ダウンロード数は、7月23日にアプリをリリースしてから、1週間で5万ダウンロード。8月中には10万ダウンロードを達成しました。
──『朗読少女』はアプリ自体、無料でダウンロードできますが、アドオン課金となっています。実際に有料サービスを利用する人たちはどのくらいですか
現状だと、無料版をダウンロードされた方の10~20%くらいが有料のコンテンツを購入してくださっています。既に採算のめども立っている状態でして、これからの展開を現在検討しているところです。
──これからはどんな機能や展開が考えられるのでしょうか
まずはTwitterの書き込みなどを見て、読者からの要望の多いものを取り上げていこうと思っています。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』、暑い夏にマッチする怪談物、ほかにはSFの名作なんかですかね。今はまだ3作品ですが、そろそろ毎週一作ずつ新しい作品をリリースできるように頑張りたいと思います。
ジャンルの展開でいうと、当面の間は、読み物が中心になってくると思いますが、将来的にはビジネス書やライトノベル、資格試験、語学などへも広げていこうと考えています。
ほかにも、乙葉しおりの眼鏡やリボン、コスチュームといったアクセサリの販売もしようと考えていますし、男性か女性かはまだ検討中ですが、新しい人物を登場させることも検討しています。
他社のゲームやアニメなどとのコラボレーションも進めていますよ。10月からの配信予定ですが、日本ファルコムの歴代ゲームヒロインが、『朗読少女』とコラボするという形で、ゲームの作中小説を朗読することになります。ゲームファンの方にも『朗読少女』に触れていただくことで、朗読の楽しみを体験してもらえるのではないかと思っています。
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