【レポート】

仏頂面から破顔、小沢一郎がニコニコ動画ユーザーの支持を得る!

    北岡雅可  [2010/09/07]

    ニコ動は自民党支持者が多い場所でして……

    民主党・小沢一郎前幹事長が9月4日、ニワンゴが運営する「ニコニコ動画(9)」のニコニコ生放送に出演した。大のマスコミ嫌いで知られている小沢氏だが、一般ユーザーからの質問に大笑いする場面も見られるなど、番組ではこれまでのメディアの前とは違った姿を披露した。いつもの仏頂面は返上して終始おおらかに対応した小沢氏に対し、ユーザーからは多数の応援コメントが寄せられるという意外な結末となった。小沢氏はいかにしてニコ生ユーザーの心をキャッチしたのか。ここではその模様をレポートしよう。

    番組冒頭はやや表情が硬い小沢氏であったが……

    菅直人首相と小沢一郎前幹事長の一騎打ちとなる今月14日に開かれる民主党代表選。いわゆる"次期首相"の座を巡る選挙である。その行方が注目されるなか、なんと小沢氏がニコニコ動画に生出演するという。おいおい、なんと無謀な。そう思った人は少なからずいるのではないだろうか。なにしろこれまでニコニコ動画が行ってきた世論調査では民主党は自民党にずいぶんと後塵を拝している。むしろ、嫌われているといっても過言ではないのが現状だ。前首相の鳩山由紀夫氏が幹事長時代に生出演した際はコメント欄が大炎上したという前例もある。今回も"小沢バッシング"が展開されるのでは……。

    そうした波乱含みを予感させる生放送である。スタジオは"ニコ生"とは思えないくらい取材陣がぎっしり。SPとともに小沢氏が到着するとスタジオは一気にピリピリムードに包まれた。当初モニタが小沢氏の席からは見えない位置に置かれているのは、コメント欄の炎上を警戒したスタッフの配慮なのだろう。冒頭の説明によると台本は一切無し。ユーザーから受け付けた質問を直接、小沢氏にぶつけるということで司会のジャーナリスト・角谷浩一氏も若干緊張気味で、最初から「ニコニコ動画ユーザーは自民党支持者が多い場所でございまして……」とフォローを入れる始末だ。重苦しい。しかし、この雰囲気を覆したのは意外にもそんなユーザーからの質問であった。

    ニコ動ならではの質問で勢い出る!

    ユーザーからの質問には人懐っこい笑顔で対応。これは「ニコニコ動画」ならでは?

    角谷氏が言いにくそうに読み上げた最初の質問は「若き日の田中真紀子議員との縁談の噂は本当ですか?」というもの。明らかに他のメディアでは聞かれることがないだろう、この先制パンチには百戦錬磨の小沢氏も顔を仰向けに。破顔一笑。「それは事実でぇ(一瞬、喉に引っかかり)、事実ではないです。よく知らないけど、他の方とのお話があったんじゃないでしょうか?」と回答。これで一気に場の空気が和んだ。それからは終始笑顔を絶やさずに「昔の仇名はなんですか」という質問では「小さいときは、仮分数と言われてた。頭でっかちだから」と、ゆるい質問にも実に気さくに答えていく小沢氏だ。これまでの記者会見での憮然とした態度からは想像できないほど。失礼ながらカワイイ。

    政策面に話が及んでも言葉に窮することなく、しゃべりまくる小沢一郎。混迷する沖縄問題に関しては「沖縄が絶対ダメだと言っているのだから基地の移転はできない。まず沖縄と話を合わせてから」と現在の政府の対応をパッサリ。首相になったらやりたいことについては「中央集権と地方分権。地方に人を戻す。できるだけ金と権限を地方へ与えて、雇用や医療、介護をまかないたい」と主張した。ただし、道州制に関しては官僚重視になるという理由で否定。あくまでも政策に対しては政治家自身が責任を取ることを強調する。

    放送中には何度も大笑いする場面が

    イメージとは違って饒舌な人であった小沢氏。意外な一面にニコ生ユーザーが驚く

    また、先日の菅首相と鳩山前首相との会談で「トロイカ体制」を宣言したにも関わらず、代表選に出馬したことに関しては「菅さんとは一度合意したんですけどね。菅さんは感動感激して、そういうことにしましょうとなった。なのに翌日になったら、やっぱり『密室政治』みたいだからのめないって」と裏話をぶっちゃける。さらに後日、菅首相サイドから「ふたりで話したい」ということが伝えらたことを受けて「それこそ『密室談合』でしょ?」と菅氏をチクリと批判して会場を笑わせた。

    当初の予定は1時間であったが、30分の延長にも快く承諾し、政治とは関係のない質問にもよどみない口調と自分の言葉で答える小沢氏。その姿には用意された回答を読み上げるだけの政治家という印象は感じられない。ニコ生ユーザーたちも感銘を受けたのだろう。当初の予想はどこへやら。「小沢が好きになった」「いいオヤジだな」という応援コメントが多数寄せられるという展開に。具体論に踏み込んでいないという批判はあったものの、番組の最後に行われた菅氏と小沢氏の「どちらが首相にふさわしいか」というユーザーへのアンケートでは小沢氏への支持率が78.5%と圧倒的に勝利する結末となった。これまで聞こえてきた世論とはまったくの逆である。その画面を見せられた小沢氏は「すぐわかるの? すぐ意思疎通ができるのがいいですね。これからも出演したい」と思わずニンマリ。パネラーの上杉隆氏からTwitterへの参加を勧められると「インターネットは操作がよくわからない」と嘆いたもののの、ネットでの情報発信に強い意欲を示して会場を後にした。

    番組最後に行われた支持率アンケートは小沢氏が管氏に圧倒的に勝利。その結果が映った画面を覗き込み、小沢氏の顔が思わずほころぶ

    関連記事

    関連サイト

    関連したタグ

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        本音ランキング

        特別企画

        マイナビニュースマガジン