パナソニックは2日、過酷な作業環境向けのモバイルPC「TOUGHBOOK」の新製品2機種を発表した。「CF-31」と「CF-19」の2機種とも、堅牢性を示す国際規格の「IP65」に準拠したことが大きな特徴で、従来モデルからCPUなどの高性能化も図られている。ここでは都内で行われた記者発表会の模様をお伝えする。

新たに発表された「TOUGHBOOK」の2機種

冒頭では、パナソニックグループのAVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット 市場開発グループ グループマネージャーの島田伊三男氏が新製品コンセプトを紹介。

AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット 市場開発グループ グループマネージャー 島田伊三男氏

「モバイルPCには徹底的にこだわっており、軽くて持ち運べるという考え方と、頑丈で壊れないという考え方がある。フィールドモバイルの『TOUGHBOOK』は、頑丈で屋外でも安心して使えるモバイルPCを目指している。1996年の初代TOUGHBOOKから一貫して頑丈さにこだわり、2002年から8年間、堅牢性モバイルPCでは世界トップシェアを獲得してきた。TOUGHBOOKは世界の150カ国で導入され、ボルボやメルセデス・ベンツといった自動車メーカーの過酷なテスト環境をはじめ、大企業のフィールドメンテナンスの一線で利用されている」

モバイルPCのカテゴリと「TOUGHBOOK」のコンセプト

また、島田氏はモバイルで快適な7つの性能として、屋外視認性、セキュリティ、放熱、ワイヤレス、軽量、長時間バッテリー駆動、堅牢性を挙げる。さらに今回の新製品では「高性能」にも進化したと自信を見せた。

防塵・妨滴はIEC60529/JIS C0920のIP65に準拠し、最高ランクの堅牢性を実現。落下テストはCF-31が120cm、CF-19が90cmをクリアしている。

AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター プロジェクトリーダー 亀岡信夫氏

続いて、TOUGHBOOKの開発を担当している、パナソニックグループのAVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット テクノロジーセンター プロジェクトリーダーの亀岡信夫氏がCF-31とCF-19の特徴を紹介した。

CF-31は標準電圧版のCPU、Intel Core i5-520M(2.40GHz)を搭載しているが、高性能化と堅牢性、放熱の実現が大きなテーマ。「従来のTOUGHBOOKはファンレス仕様だったこともあり、CPUは"そこそこ"のものを使っていた。高性能なCPUは放熱が不可欠であり、ファンを搭載して熱対策すると堅牢性が低下する。そこで妨滴ファンを開発した」

CF-31が搭載する妨滴ファンは、回転部を迷路状にして空気溜めを作り、防水リングで覆われている。ファンの中心部に水が入ってこない構造になっており、ファンが完全に水没しても回り続けるデモが展示されていた。

水の中でも回り続ける妨滴ファン

新開発のLEDバックライト液晶ディスプレイは、輝度の調整幅が2~1,000cd/平方メートルと広い。晴天下の屋外でも視認性が高く、逆に暗い場所でも明るすぎない輝度に設定できる。米国の警察で好評な点として、パトカー内での使用時に液晶の輝度を落とせるので相手に気付かれにくいという話題が印象的だった。

CF-31の本体はマグネシウム合金だが、従来モデルのCF-30から200gほど軽くなっている。キャビネットの肉厚を薄くしたり、キャビネットに穴を空けたりなど、ビジネスモバイルPCのLet'snoteシリーズで培ったノウハウが活かされているという。重量が軽くなると重力加速度が低くなり、これによっても落下の衝撃が緩和される。

液晶ディスプレイは輝度の調整幅が広い

暗い場所でも明るい場所でも見やすい明るさに調整できる

妨滴と落下のデモも実演された。電源オンで液晶ディスプレイを開いた状態のCF-31にバケツで水をかけたり、水中に沈めたり、120cmの高さから落としたりしても、何ごともなかったように動作を続けていた。

「CF-31」を水に沈める

「CF-31」に水をかける

大量の水をかける激しいデモ

120cmの高さから自由落下