【レポート】
暦の上では夏も終わり……とはいえまだまだ残暑が厳しいこの時期、ホラーやサスペンスで肝を冷やしてみてはいかがでしょうか。電子貸本「Renta!」から、手軽に読める漫画をいくつかご紹介します。
子どもの頃に悲惨な出来事を体験すると、それがトラウマとなってしまうことがありますよね。そうした場合、立ち直るための心のケアが重要になってくるわけですが、そこでこんな風に考えてみたことはありませんか?
「そんな辛い記憶なら、いっそ消した方がいい」――と。
舞台となるのは、傷ついた子どもたちの心を守るため、記憶を操作する施設として造られた「ドリームタウン」。そこではたくさんの子どもたちが過去の記憶を抹消され、新たな生活を送っていました。そんなある日、テロリストに両親を惨殺されるという悲惨な過去を背負った少女・アリスンがやってきます。そこから、子どもたちの運命は少しずつ狂いだしていくのでした――。
「記憶操作」とか「背後に見え隠れする陰謀」とか、そういう中二心をくすぐられる要素が満載の本作、普通の少女漫画だと思ったら大間違い。読めない展開に最後までハラハラさせられます。
単純に正義と悪の二項対立ではないのもミソ。様々な立場の人間による複雑な対立構造が、物語に緊張感を与えています。特にラストに待つ怒濤のようなたたみかけは必見。全6巻(※電子書籍版)というほどよい長さもあって、良質な映画を見終わったかのような満足感が得られるはず。
恐ろしいというよりも哀しい物語ですが、夏から秋へと変わるこの時期にはちょうどいいのではないでしょうか。
き、きたー!!……と、思わずPCの前でガッツポーズしてしまったのがこの作品。いやーまさか三家本礼作品がここで読めるとは!
魔王サタンの力を操り、死人をゾンビとして蘇らせる能力を持つ女子高生・れい子。殺人事件などの被害者を復活させることで事件の真相を暴くというミステリー的な要素を持つ一話完結型の漫画――だったはずが、2巻からは突然ゾンビを操る者同士の能力バトルに移行し、少年漫画チックになっていきます。むしろ2巻からが本番、というか三家本礼作品の真骨頂なので、1巻だけではやめないように!
で、その召喚されるゾンビというのがまた、数百年前の騎士だったり、大蛇だったり、それもうどう考えても「ゾンビ」の範疇じゃないだろ! と言いたくなるようなフリーダムな奴らばかり。当然そのゾンビを操る人間キャラたちも一筋縄ではいかない濃い連中ばかりで、物語はどんどん読者の予想を超えた方向へと暴走していきます。
「いくらなんでもこいつは死なないだろ」と思っていたキャラがサクッと死んだり、「そんなのありかよ!」と言いたくなる方法で蘇ったり、印象に残る場面を挙げたらきりがありませんが、そのあたりはいちいち説明するよりも実際に読んで感じてもらうのが手っ取り早い。
本作はいわゆる"B級ホラー"と呼ばれるジャンルの作品なので、ガンガンつっこみながら読むのが正解です。ただし容赦なく内蔵ぶちまけたりするので、グロ耐性がない方はやや注意。
なお作者の三家本礼作品はこの他にもレンタル可能ですので、「ゾンビ屋れい子」の方向性が気に入った方は「巨乳ドラゴン」や「サタニスター」なども借りてみることをお薦めします。どのジャンルにも言えることですが、あらぬ方向に突き抜けともはやギャグ漫画になるということを体現した逸品です。
ホラー特集といいつつ正統派な作品を紹介できていなかったので、最後にちゃんとした(?)ホラー漫画をご紹介します。本作は関よしみによるホラー短編の傑作選で、幽霊や妖怪ではなく、異常行動に走ったときの人間の怖さがギュッと凝縮されているのが特徴。さらにどの話もただ怖いとか気持ち悪いというだけでなく、ストーカーやいじめなど現実社会の問題を取り入れているのもポイントです。
個人的に本当に恐ろしいのは人間だと思っているので、こういう話はじわじわとくるものがありました。読むとしばらく人間不信に陥ってしまうかも?
ということで毛色の違うホラー3作品のご紹介でした。どれも面白いので、皆さんの気分に合わせてチョイスしてみてください。
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