Google検索急上昇ランキングには、毎回数多くの人名がランクインしている。とくに2010年7月はそれが顕著にあらわれており、総合ランキングでは実に10位中9項目が人名。恋愛・結婚報道に関する報道があった人物名が多い傾向が伺える。

2010年7月のGoogle検索急上昇ワード

■通常検索ランキング
順位 ■パソコン検索 ■モバイル検索
1位 もり ちえみ 天野 浩成
2位 愛原 実花 プロボノ
3位 金賢姫 ユジン
4位 天野 浩成 岡本 健一
5位 選挙 速報 狩野 舞子
6位 徳澤 直子 比嘉 愛未
7位 早乙女 愛 仮面 ライダー オーズ
8位 河中 あい アマガミ
9位 北乃 きい 田中 圭
10位 真中 瞳 佐藤 江梨子
■イメージ検索ランキング
順位 ■パソコン画像検索 ■モバイル画像検索
1位 ピットブル 小森 純 すっぴん
2位 石津 幸恵 沢尻 エリカ セミヌード
3位 もり ちえみ リケルメ
4位 上原 あずみ つかこうへい
5位 日置 明子 サトエリ すっぴん
6位 いちごみるく we are smap
7位 河中 あい 園 佳也子
8位 リケルメ モロー
9位 小林 尊 松村 雄基
10位 松村 雄基 いちごみるく
■その他の検索ランキング
順位 ■ニュース検索 ■動画検索
1位 避難 勧告 やまぐち りこ
2位 防災 ヘリ 吉高 由里子
3位 ゆうぱっく 北乃 きい
4位 小石川 植物園 perfume
5位 高岡 早紀 森下 悠里
6位 二重譲渡 yui
7位 中日本航空 中西 里菜
8位 皆既日食 マッサージ
9位 参議院 選挙 結果 ウサビッチ
10位 早乙女 愛 ほしのあき
※本データは、Google Zeitgeistのアルゴリズムに基づき、日本における検索傾向を集計したものです。前月から検索量が増加しているクエリを抽出しています。提供/Google

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ネット選挙、有権者側は準備万端

大量にランクインした有名人の名前。総合ランキングではそのうち5項目が結婚発表や恋愛報道に関連する人々だった。この急上昇ランキングにおいて、結婚するカップル二人の知名度に差がある場合、より有名な人よりもその相手方の名前がランキングに登場することがしばしばある。前の月と比較したときの検索量の増加率を対象にランキング順位を算出しているため、元々ある程度の検索量がある人物では、絶対的な検索量が増えても上昇率で高いポイントを出しにくいからだ。逆に、これまでほとんど検索されたことのない人名ほど、にわかに検索量が増えたときに高い急上昇率をはじき出すことになる。いわゆるギョーカイにおいて、売名行為としてのスキャンダル報道がどこまで現実的に用いられているか一般人には知る由もないが、急上昇ランキングの視点で見れば知名度向上の効果が十分に狙えると言えるだろう。

2010年7月の大きなニュースといえば、11日に投開票が行われた衆議院議員選挙だ。2009年に民主党政権が発足して以来初の国政選挙となるだけに、現内閣への評価を反映する選挙だとして注目された。そこにはメディアが話題としての大波乱を欲したことによる演出もあったのだろうが、結果としてわかりやすい開票特番におあつらえの状況となったわけだ。

検索ランキングが高くても当選とは限らないようだ

一方で、ネットでも新聞各社が速報性を前面に出した特設サイトを提供したり、ニコニコ生放送で開票特番が放送されるなど、その特性を活かした取り組みが行われ、選挙におけるネットの存在感が改めて認識された機会でもあった。当のGoogleでは昨年の衆院選に続いて選挙関連情報をまとめて提供する「Google 未来を選ぼう 参院選2010」を設置し、当日はほぼリアルタイムで当確情報を掲載していた。ネット上でも大きな話題であり大量の情報が流れていたわりに、選挙関連のワードが低いランクに留まったのは、多くのテレビ局で開票特番が放送されていたことに加え、このように検索せずとも的確な情報が一覧できるページがポータルサイトや新聞社のサイトなどで提供されていたために、検索するまでもなく情報を得られたのがその理由だと考えられる。

ニュース検索4位の「小石川植物園」は、正式には「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」の本園で、約70万点の植物標本を持つ教育実習施設。一般にも公開されており、この7月にはスマトラ島原産の絶滅危惧種で世界最大の花(正確には「世界最大の花序」)と言われる「ショクダイオオコンニャク」が開花し、展示された。物珍しさからか予想を上回る数の人が押しかけ、2日目からは入場制限が行われるほどの混雑ぶりがテレビ等でも報じられた。強烈な色と形状で"可憐"とは言い難い花だが、その命は儚く、開花からの寿命は約二日。この花も3日目には"燭台"のろうそくにあたる部分が倒れ、その後同園によって標本にされたそうだ。

おすすめリンク

Wikipedia:第22回参議院議員通常選挙:過去の選挙についても参照できる

素顔のままでいいですか? 夏。

モバイルランキングにも数多くの人名がランクインしているが、その中において2位に入った「プロボノ」とは、職業のスキルを活かしたボランティア活動のこと。7月はじめにテレビ番組や新聞で採り上げられ、検索量が増加したものと思われる。プロボノは元々アメリカの弁護士などがボランティアで行う弁護活動や法律相談などを指したが、現在ではそれが拡大し、主にNPO法人などを対象にプロジェクトマネージャーやマーケター、デザイナーなどがプロの知識と技術を提供しているという。例えばNPO法人が自らの活動を外部へ発信しようと思っても、質の高いWebサイトやパンフレットを制作することは難しい。そこへプロの手が入ることで、伝わりやすく効果の高いものに仕上がるというわけだ。

これはNPOの活動を支えるだけでなく、プロボノに参加した社会人たちにとっても、普段とは異なる場で見聞を広げたりスキルを磨くことに繋がり、さらに自らの仕事が人のためになり喜んでもらえることで「働きがい」「働く喜び」を得る場となっているという。テレビ番組では特にこの部分が強調され、プロボノの広がりがリストラ・成果主義で殺伐とした現代の職場環境に対する反動なのではないかと解説されていた。このランキング2位という結果は、それを反映したものであるのだろうか。

モバイル画像検索の1位と5位には「すっぴん」の文字。理由は不明だが女性タレントらが自分のブログなどでメイクなしの"すっぴん"顔の写真を掲載することが度々起きていたようだ。1位となったモデルの小森純は、サッカーワールドカップ日本代表の決勝トーナメント第一試合の勝敗を予想し、外れたらすっぴんでテレビに出演することを約束。それが実行された。5位のサトエリこと佐藤江梨子は、自分のブログに写真を掲載。この他、安倍なつみ、小倉優子などのブログでも確認された。ノリは至って軽いが、少なくとも素に自信がなくてはできない芸当だ。一方で、一般人女性達はこの酷暑と汗に流れ落ちるメイクに打ち勝つべく、日々涙ぐましい努力を続けているのである。

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