MyEclipseは、genuitec社が2003年から提供しているEclipseの有償のプラグインである。JavaEEのアプリケーション開発のサポートをはじめ、UMLツール・DB閲覧ツール・プロファイラなど多岐にわたる機能を提供している※1。
MyEclipseの4つの製品タイプの1つである「MyEclipse for Spring」は、Spring Framework(以下、Springと略記する)を使用したWebアプリケーションのScaffolding※2や、SpringおよびJAX-WSのアノテーションをサポートするコードアシストなどの機能を提供する。8月3日にリリースされたバージョン8.6(MyEclipse for Spring 8.6)※3では、「Spring Web Flow」「Flex」「GWT(Google Web Toolkit)」「iPhone※4」のScaffoldingが新たにサポートされた。
※1 料金、機能の一覧、製品タイプの詳細は以下のURLを参照願う。
http://www.myeclipseide.com/module-htmlpages-display-pid-1.html※2 アプリケーション(主にWebアプリケーション)の雛型となるコードを生成する機能。Railsをはじめとしたさまざまな製品がScaffoldingを提供している。Scaffoldは直訳すると「(建設現場などの)足場」の意味。
※3 30日の試用版が以下のURLからダウンロードできる。
http://www.myeclipseide.com/index.php?name=Downloads&req=viewsdownload&sid=39※4 iPhoneのWebブラウザ用に最適化されたWebアプリのサポートを指す。iOS SDKを使用したアプリ開発のサポートではない
本稿では、MyEclipse for Spring 8.6の主要な特徴であるScaffoldingについて紹介する。なお、現時点(8月29日)でMyEclipse for Spring 8.6の日本語版が提供されてないため、画面キャプチャは英語版のものを使用している事をご了承願いたい。
Scaffoldの構成
MyEclipse for Spring 8.6のScaffloding※5では、データベースのテーブル・JPAのエンティティ・Java beansのいずれかを入力としてCRUD※6のWebアプリケーション(Scaffold)を生成することができる。アプリケーションの開発者は、生成されたScaffoldを元に簡単にコードを再利用したり拡張したりすることができる。生成する際、Web層を以下の5つから選択することができる。
※5 以下では、Scaffoldingで生成されたものをScaffoldと呼ぶ。
※6 データの作成(Create)・読込(Read)・更新(Update)・削除(Delete)を指す。
- Spring MVC
- Spring Web Flow
- Adobe Flex
- GWT
- iPhone Web
Scaffoldの構成を図1に示す。