iPadやiPhoneの大ヒットで、その母艦としてのMacの需要が急上昇中だという。とくに、これまでWindowsを使っていたユーザーの乗り換えが目立つとのこと。そんな中、アップルが人気シリーズ「iMac」を刷新した。従来の洗練されたデザインはそのままに基本性能の強化が図られており、コストパフォーマンスが大きく向上しているのが特徴だ。

新モデルで、とくに注目したいのがプロセッサとグラフィックスだ。昨年秋に登場した前モデルは、上位機種にのみCore iシリーズが搭載されており、ミドル以下のモデルはCore 2 Duoが採用されていた。しかし今回のモデルチェンジで、エントリーモデルを含むすべての製品でCPUにCore iシリーズが搭載された。

今回評価したiMacには、Core i3 (3.2GHz)が採用されていた。メモリは標準で4GB搭載されている

本機の場合は、CPUコアがふたつ(スレッド数は4つ)のCore i3 (3.2GHz)が採用されている。また、ディスクリート・グラフィックスのATI Radeon HD 5670も搭載され、総合的なパフォーマンスが大きくアップしている。

そこで、どれだけ性能が向上したかを測るため、ベンチマークソフト「Xbench」で前モデルとパフォーマンスを比較してみた。また、QuickTimeを使ってムービーを変換するのにかかった時間も計測した。比較対象は、昨年秋に発売されたiMac 27インチモデル (Core 2 Duo 3.06GHz、ATI Radeon HD 4670搭載)である。

ベンチマークの結果は、下の表のように、すべての項目で新モデルのほうが上回っていた。とくにCPUの性能差は大きく、ムービーの変換時間でも新モデルの方が40%近く高速だった。CPUのクロック数が両機種でほとんど変わらないことを考えると、ほぼ純粋に「プロセッサ世代の差」だと考えることができるだろう。

■表:Xbench 1.3の結果(数値が大きいほど高速)
iMac 27インチ Core 2 Duo (3.06GHz) iMac 27インチ Core i3 (3.2GHz)
CPU Test 212.87 220.33
Thread Test 344.75 546.54
Memory Test 187.35 379.00
Quartz Gfraphics Test 238.75 280.44
OpenGL Graphics Test 272.40 348.44
User Interface Test 335.31 401.22
Disk Test 66.45 106.29
■表:QuickTime X H.264エンコードの所要時間(時間が短いほど高速)
iMac 27インチ Core 2 Duo (3.06GHz) iMac 27インチ Core i3 (3.2GHz)
Apple TV向けファイルへの変換 5:21:86 3:38:43
iPhone向けファイルへの変換 3:08:02 2:14:90
HD 720pへの変換 7:02:60 4:57:39
※1,920×1,080ドット/H.264/AAC、再生時間4:10の映像を使用。Apple TV向けファイルは960×540ドット、iPhone向けファイルの解像度は640×360ドット、HD 720pは1,280×20ドットで、いずれもビデオコーデックはH.264