【レビュー】

ライティングだけじゃない!超マルチメディア統合ソフト「Nero Multimedia Suite 10」

    c-bou  [2010/07/30]

    書き込み式の光学ドライブを古くから使用している人ならば、Neroのライティングソフトを経験した方も少なくないであろう。筆者もLinuxの起動可能なISOイメージの書き込みで、早くからマルチセッションに対応していたNero Burning ROMにはお世話になったものである。そのくらい歴史と実績のあるライティングソフトである。しかし、前バージョンの9から、大きく変貌してきている。たんなるライティングソフトだけではなく、マルチメディアコンテンツを自由自在に操ることができるツール群で構成されるマルチメディア統合ソフトとして位置付けられる。本稿では、Nero Multimedia Suite 10(以下、Nero 10と略記)の概要と新機能について紹介する。Webサイトには、15日間の体験版も公開されている。興味を持たれた方はぜひ試してみていただきたい。

    Nero Multimedia Suite 10のシステム要件など

    まずは、Nero 10の製品ラインナップであるが、パッケージ版とダウンロード版が用意されており、同社Webサイトではダウンロード版10,800円、パッケージ版12,150円で販売されている。他にもアップグレード版やオフィシャルガイドブックの有無などの商品構成もある。またWebサイトではいくつかのプラグインも販売している詳細はNeroのWebサイトで確認をしてほしい。動作環境は以下の通り。

    対応OS

    ・Windows 7 Home Premium/Professional/Ultimate
    ・Windows Vista Home Basic/Home Premium/Business/Ultimate(SP1以上)
    ・Windows XP Home Edition/Professional(SP3)、Media Center Edition 2005(SP3)
    Windows Vista/Windows 7の64bit版は、32bitエミュレーションモードで動作し、一部のアプリケーションも32bitモードでのみ動作する。

    図1 Nero Multimedia Suite 10


    CPU

    2GHz以上のAMDまたはIntelプロセッサ

    メモリ

    ・Windows 7/Vistaの場合は、1GB以上
    ・Windows XPの場合は、512MB以上

    ハードディスク

    ・標準インストールですべてのコンポーネント(テンプレート、コンテンツ、および一時ディスク領域を含む)をインストールする場合は、5GB以上の空き容量

    グラフィックカード

    ・Direct XR 9.0c互換のグラフィックカード
    ・128MB以上のビデオメモリ(256MB以上推奨)
    ・3Dアクセラレーション対応
    ・16bit以上のカラー表示(32bitのTrue Color以上推奨)

    光学ドライブ

    ・CD、DVD、BDの書き込みと読み込みに対応したドライブ
    ・本製品のインストール用にDVD-ROM互換のドライブ

    そして、アップグレードや各種オンラインサービスの利用には、インターネット接続環境が必要となる。これはあくまでも最小限の機能を実現するためのものであり、使用する機能によっては、さらに高いレベルが必要になることもある。特に映像関連では、高いグラフィック性能が要求される。NeroのWebページを参考にしてほしい。

    Nero Multimedia Suite 10搭載アプリケーション

    Nero 10を標準でインストールすると、非常に多くのアプリケーションがインストールされる。まずは、その概要を紹介しよう。

    Nero StartSmart

    プロジェクトランチャーと呼ばれ、行いたい作業内容から、最適なアプリを自動的に選択できる。

    図2 Nero StartSmart

    Nero Multimedia Suite 10に搭載されている機能をすべて選択可能である。画面左のクイックタスクには、ディスクの書き込みやコピー、音楽CDの作成やリッピングなど、頻繁に使われる機能が選択可能である。

    Nero Burning ROM、Nero Express

    Nero 10の主要な機能の1つである記録メディアへの書き込み機能を持つアプリである。書き込みエンジンは安定性が高く、Blu-rayにも対応している。さて、書き込みソフトが2種類用意されているのだが、まずは、Nero Burning ROMである。

    図3 Nero Burning ROM

    Nero Burning ROMは、上級者の要求にも応えられるように、細かな設定が可能となっている。もう1つのNero Expressは、ウィザード形式で簡単に書き込みを行うことができる。

    図4 Nero Express

    トップ画面で、行いたい操作を選択していくだけで書き込みが行える。

    Nero VisionXtra

    ハイビジョン映像の取り込みや編集、メニューの作成などが可能なビデオ編集/オーサリングアプリである。

    図5 Nero VisionXtra

    DVDやBlu-rayはもちろん、AVCHDなどの映像編集、そしてオーサリングを行うことができる。特に、自身で撮影したビデオクリップなどを扱うために、豊富なテンプレートなどが用意されている。Nero 10で大幅に機能強化されたアプリの1つでもある。

    Nero MediaHub

    Nero MediaHubは、Nero 10の新機能の1つである。主な機能は、メディアファイル再生、音楽CDの再生やリッピング、DVDビデオや動画ファイルの再生、写真ファイルの表示を行い、PCに保存しているメディアファイルの一元的な管理も可能である。

    図6 Nero MediaHub

    さらに、写真の修正機能やスライドショーの手軽な作成機能もある。

    Nero Recode

    DVD(ただし、プロテクトなどで保護されていない個人制作のもの)や動画ファイルを変換するアプリである。近年、携帯端末、スマートフォン、ポータブルゲーム機などでは動画再生機能を有するものが多い。しかし、いずれも独自のコーデックや仕様があり、そのままでは再生可能といかない。

    図7 Nero Recode

    Nero Recodeでは、上述のような各種のデバイス用にフォーマットや解像度を選択し、高品質で動画変換を行うことができる。

    Nero BackItUp

    その名の通り、バックアップソフトである。

    図8 Nero BackItUp

    機能的には、スケジュールバックアップ、完全/差分/増分バックアップ、バックアップデータへのパスワード保護/暗号化、起動ディスクの作成、CD/DVDやBlu-rayへのバックアップデータの書き込みも可能である。バックアップソフトとして、標準的な機能を備えている。Nero 10を使うPCでは、HDDの使用量も大きくなることが多いであろう。そんなときに、Blu-rayへのバックアップはディスク枚数が増えなくて、使い勝手がよい。さらに有償で、オンラインストレージも利用可能となる。

    Nero SoundTrax、Nero WaveEditor

    いずれも音声データの操作を行うアプリである。Nero SoundTraxは、レコードやカセットテープなどのアナログ音源のデジタル化、5.1ch/7.1ch のマルチチャンネル録音などが可能である。

    図9 Nero SoundTrax

    Nero WaveEditorでは、波形データの編集が可能である。

    図10 Nero WaveEditor

    Nero RescueAgent

    Nero RescueAgentは、誤って削除してしまったデータなどの復旧を行うことができる。ここで、USBメモリに保存していたファイルを削除し、Nero RescueAgentを実行してみよう。

    図11 Nero RescueAgent

    まず、復旧するドライブを選択する。ここでスキャンレベルがあるが、とりあえず[高速スキャン]を選択する([詳細スキャン]を選択するとファイル発見の可能性も高まるが時間もかかる)。スキャンが開始され、図12のように復旧可能なファイルが表示される。

    図12 Nero RescueAgentで復旧可能なファイル

    あとは復旧先などを指定して、復旧作業を行う。今回はUSBメモリなので、すべて復旧できた。しかし、Cドライブなどでは上書きが行われてしまうと、復旧の可能性は低くなる。すばやい対応が求められる。

    Nero DiscSpeed

    光学ドライブやメディアの性能を計測する。特にPIエラーを用いたメディアチェックなどは、メディアの品質を確認するためのよい指標となる。

    図13 Nero DiscSpeed

    これら以外にも、システム情報の検出するNero InfoTool(図14)、メディアのラベルを作成するNero CoverDesigner(図15)、ワンクリックでディスクのコピーが可能なガジェットNero DiscCopy(図16)などもある。

    図14 Nero InfoTool

    図15 Nero CoverDesigner

    図16 Nero DiscCopy

    Nero VisionXtraの映像編集機能

    Nero VisionXtraはインタフェースも一新され、新たなビデオ編集アプリとなった。特に強化されたのは、

    1. クリップアート
    2. 多彩なエフェクトとパン&ズーム効果
    3. マルチトラック

    である。

    図17 Nero VisionXtraの映像編集作業のようす(Nero Webサイトより)

    まずは図17の右上を見ていただきたい。[クリップアート]タブにクリップアートが表示されている。ここからドラッグ&ドロップでクリップアートを選択し、ふきだしやフレームを追加することができる。さらにその下には、エフェクトがある。こちらもさまざまな視覚効果をドラッグ&ドロップで簡単に追加できる。画面の最下段をみると複数のトラックが表示されている。マルチトラックとい呼ばれるもので、ピクチャ・イン・ピクチャやクロマキ合成を行うことができる。

    新機能のNero MediaHubを使いスライドショーを作成

    新機能のNero MediaHubでは、簡単にスライドショーを作成できる。実際に作成したところを紹介しよう。まずはNero MediaHubを起動し、ライブラリの写真を選ぶ(図18)。ここではWindows 7のサンプルを使った。画面下の[スライドショー]をクリックする。

    図18 Nero MediaHubを起動し、写真を選択

    スライドショーの名前をつけると、スライドショー作成画面となる(図19)。

    図19 スライドショー作成

    まずは、画面の左のペインから[テーマ]をクリックし、開始と終了のテーマを選択する(図20)。

    図20 テーマの選択

    「Sample Text」の部分は[タイトル]タブで設定する(図21)。

    図21 タイトル

    開始時と終了時のメッセージを入れよう。[音楽と長さ]では、1枚の写真の表示時間とテーマに付属するBGMの音量などを調整できる(図22)。

    図22 音楽と長さ

    以上で完成である。この例では静止画を使ったが、動画を素材にしても同じ手順で作成できる。そして、Nero MediaHubから直接、Webなどへの公開もできる。もちろんディスクに保存も可能だ。簡単に作成できるのではじめてスライドショーに挑戦する場合にも適しているだろう。さらに作り込みたい場合は、拡張編集でNero VisionXtraを起動して編集も可能だ。これにより、かなり凝ったことが可能になる。またAVCHDでの直接ディスクへの書き込みなどもサポートする。

    マルチメディア関連のアプリのみならず、バックアップや復旧ソフトなど単体でも使えるアプリがたくさんそろっている。iPhoneやiPad、AndroidやノートPCとますますデータの価値が重要となってきているご時世である。映像、写真、音楽とデータの加工、バックアップからライティングまで各種マルチメディア関連ソフトもバージョンアップでより強力になってきており、コストパフォーマンスにすぐれた製品といえるのではないか。

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