【インタビュー】
「SF」、「時代劇」、「peace」などのキーワードをモチーフに、多くの映画/映像作品を生み出している中野裕之。彼がハワイ、タヒチなど南太平洋の島々すべてを空撮し、地上や水中も含めた50時間もの映像素材で作り上げた作品『美しい惑星 The Beautiful Planet』が『virtual trip』シリーズの1作としてBlu-ray/DVDでリリースされた。「至福の映像作品」をドロップした中野監督に話を訊いた。
中野裕之
テレビ局にてCM制作業務に携わる。退職後、日本初のPV制作会社を設立。Mr.Children、GLAY、サザンオールスターズなど、多数のアーティストのPV監督を務める。映画『SF サムライ・フィクション』(1998年)で映画監督デビュー。その他の監督作品に『Stereo Future』(2000年)、『RED SHADOW 赤影』(2001年)、『Short Films』(2003年)、『TAJOMARU』(2009年)など多数
――『美しい惑星 The Beautiful Planet』は、中野監督らしい映像作品でした。この作品に収録された美しい映像はいつ頃撮影されたものなのでしょうか?
中野裕之(以下、中野)「以前、PVの制作会社をやっていたときに、とにかく資金をつぎ込んでハワイやタヒチで空撮しまくったんですよ。当時は、素晴らしい映像を撮影したはいいけど、また9年前なので、この映像をそのままのクオリティで観る環境も日本では整っていない。そんな状況でしたが、PCや機材が進化して、やっと家でも最適の形で映像を見て編集作業ができるようになったんです。それから映像に合う音楽探しに1年かかりましたね」
――アウトプットの予定がないまま、映像を撮り溜めていたというのが凄いですね。
中野「別の仕事でいったときに、空撮のスケジュールを自分で入れて、ひたすら撮影したんです。衛星まではいかないけど、鳥の視点で見下ろしてるような映像作品を作りたいとずっと思っていました。当時、Blu-rayはまだなかったのですが、映像のクオリティとして、DVではなくHDで撮影するしかないという決意は持っていましたね」
――ヘリコプターで撮影されていると思うのですが、どのような状況だったのでしょう?
中野「ヘリなので轟音なのですが、ヘッドフォンをして、CDを聴きながら撮影してましたね。でも、崖にしがみ付いている人みたいな、過酷な状況でしたよ(笑)。ベルトで機体に固定されているとはいえ、身体は半分ヘリから出ている状態で、カメラを持ちながら必死に撮影していました。必死さを数字に例えて言うと、CMの撮影現場が一番余裕があるとして、映画が0フラットだとすると、PVは400倍速、この作品の撮影はマックスという感じですね」
――50時間という撮影時間も凄いですね。
中野「フィルムではないから、気にせず撮影できたのですが、その瞬間しかない自然の映像を撮る必要があったので、そこはこだわりました」
――それでも、アウトプットのイメージがないまま撮影するといのは、大変だと思うのですが。
中野「そうですね。でも、Blu-rayもようやく普及して、来年はテレビ放送も地デジになる。来年の冬ぐらいに、映像作品はすべてハイビジョン化すると思うんです。それを考えると、良い時期に作品として完成できたと思います」
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