【レポート】
GoogleのMike Belshe氏は、Webの高速化のためにプロトコルやインフラのアップデートの必要性を語ったUrs Holzle氏のキーノートの内容を、Chromeがどのようにサポートしているかを説明した。DNSプリフェッチ、パケットロスの緩和、OCSPキャッシングやOCSPステープリングといったSSLの改善、コンジェスチョンコントロールやInitial RTOなどTCP特有の問題に対する最適化などだ。
Webの高速化に、なぜ包括的なソリューションが必要になるのか? 一例としてBelshe氏は、通信帯域やRTT(Round-Trip-Time)がデータダウンロードに及ぼす影響を調べたデータを示した。
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通信帯域の拡大と通信速度(ダウンロード)の関係。4Mbpsを超えると通信速度の向上率がわずか数%に落ち込み、帯域拡大の効果が見られない |
一方、RTT(Round-Trip-Time)の削減は継続的な効果を望める |
現状で通信帯域の拡大は4Mbpsを超えたあたりで、通信速度に対する効果がなくなってしまう。ところがRTTは下がれば下がるほど、PLT(Page Load Time)の削減につながる。たとえばモバイルブラウザで採用されているユーザーインターフェイスとデータの分割など、RTTを削減する取り組みは今後のカギの1つになる。なお今日のネットユーザーの平均的な利用環境は、通信帯域は米国平均が3.9Mbps、グローバル規模で1.7~1.8Mbps。RTTは100msを超え、グローバル規模でパケットロスは1~2%であるという。
Webプラットフォームでは、ユーザーが常に最新のアプリやサービスを利用できる。これは大きな利点だが、現状では机上の"最新"に過ぎないとBelshe氏は指摘した。たとえばInternet Explorer 8はリリースから15カ月で、同バージョンにアップグレードしたユーザーは全体の52%のみ。Firefox 3.6は5カ月で67%である。様々なWebの高速化の取り組みを採り入れた最新ブラウザが登場しても、ユーザーがアップグレードしなければ意味がない。Web開発者が最新機能を活用していこうという意欲が下がり、負のサイクルに陥ってしまう。最新版へのアップデートの促進は、Webの前進を促す重要な要素なのだという。
GoogleはChromeを安定版、ベータ版、開発者向けの3つのチャンネルで提供し、開発者以外でもベータ版での改善点や新機能に触れやすくしている。またユーザーがアップグレード・プロセスが容易になるように努めており、現時点でChromeユーザーは安定版のリリースから1週間で98%が最新版にアップグレードしているそうだ。「Chromeの最新版は、すなわちユーザーが利用している最新版である。これは開発者をひきつけるChromeの秘密兵器になっている」と語った。
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