マイクロソフトは6日、7月1日よりスタートした同社2011年度に関する経営方針説明会を開催した。会場は、来年2月1日の本社移転先に選んだ東京都港区の品川グランドセントラルタワー。経営幹部が未来の本拠地に参集し、新年度にかける想いや注力分野を明らかにした。

2010年度の成果 - Windows 7、Office 2010、パートナー増

マイクロソフト 代表取締役 社長の樋口泰行氏

発表役を担当したマイクロソフト 代表取締役 社長の樋口泰行氏は、2010年度の成果報告からプレゼンテーションを開始。主な成果を「製品・サービス」と「ソリューションビジネス」の2分野に大別して紹介した。

これらのうち製品・サービスに関しては、大きなトピックスとしてWindows 7 / Microsoft Office 2010のリリースとクラウドの推進を挙げた。

Windows 7では、「Windowsの中で過去最高のペースで普及した」(樋口氏)ことを強調。法人向けでも5360団体/企業が導入を表明していることなどを明かした。

さらに、Office 2010に関しては、パッケージ販売がOffice 2007の2倍以上のスピードで進んでおり、424機種のプレインストールPCが販売されていることを説明。クラウド分野では、「Microsoft Online Servicesのパートナー企業数がサービス開始直後の10倍以上にまで増え、ユーザー数も25万ユーザーに達している」(樋口氏)ことや、「Windows Azureが50以上のパートナーに採用され、対応アプリケーションも4000以上提供されている」(樋口氏)ことなどを列挙した。

製品・サービス分野の主なトピックス

一方のソリューションビジネスに関しては、「自社の取り組み」、「クラウドコンピューティング」、「戦略分野での協業」、「製品連携」の4分野に分けて詳細を説明。マイクロソフト大手町テクノロジーセンターを開設し、共同検証作業が活発に行われていることや、富士ソフトをはじめとするクラウド分野のパートナー企業を着実に増やしていることを強調。さらに、富士通の「Teamware」、サイボウズの「サイボウズ ガルーン」、日立製作所の「JP1」などとマイクロソフト製品が連携できるようになったことなどを挙げ、国内向けエコシステムの強化が進んでいることを紹介した。

ソリューションビジネス分野の主なトピックス

なお、ソリューションビジネスについて樋口氏は、「現在、国内におけるシェアは決して高くない。しかし、逆に言えば、それだけ"伸びしろ"があるということになる。周りを見渡すと、すでにベンダー各社のエコシステムが出来上がっており、各ベンダーともパートナー企業にまで専用技術を習得したエンジニアを抱えてもらっている状態だが、これを切り崩すために、四半期ごとではなく中長期の戦略を立てて、長い目で売上増を目指していく」とのビジョンを語った。

中長期視点での戦略立案を強調