【レポート】
Mozilla Japanは30日、現在開発が進められているモバイル向けWebブラウザ「Fennec」、iPhone向けアプリ「Firefox Home」を解説する説明会を開催した。
モバイルブラウザFennecは、もともとMozillaがノキアの携帯電話「N800」に搭載したブラウザで、ノキアが採用しているスマートフォンOSである「Maemo」向けに開発されたもの。当初MaemoにはOperaブラウザが採用されてきたが、「モバイル向けではなく、PC向けのWebサイトをそのまま表示したかった」(Mozilla Japanテクニカルアドバイザ加藤誠氏)というニーズから、Firefoxのブラウザエンジン「Gecko」ベースのFennecが採用されたという。Fennecはその後、「N900」にも採用されている。
Mozillaは、ブラウザの開発においてモバイル環境であってもPCと同じ表示を実現することを目指しているという。モバイル向けにレンダリングエンジンを作り直すと、PCとは異なる表示結果になることがあるため、MozillaではPC向けのFirefoxと同じGeckoエンジンをそのまま搭載し、PCと同じサイト表示を実現している。Maemo向けに搭載されているFennec 1.0/1.1には、Firefox 3.6と同じGecko 1.9.2が採用されている。
加藤氏は、Firefoxがオープンソース化されて約10年経ったが、10年前のPCのCPUスピードと現在の携帯電話のCPUスピードは同等ぐらい、iPhoneなどのスマートフォンにいたっては当時のPCよりも高速と指摘。10年前にはすでにCSS2もあり、PCサイトを表示するスペックはすでに存在しており、スマートフォン向けブラウザにPCと同等のエンジンを搭載しても問題ないと話す。PCと同じ表示が可能になり、Webデザイナーやプログラマーがサイトをチェックする労力も省ける、という。また、同じエンジンを使うことで、AndroidのChromeブラウザのようなファイルのアップロードへの非対応など、モバイルブラウザの機能制限もなくなるとしている。
そのため、FennecではPC向けのアドオンも「UIを若干変更する必要はあるが、(PC版と同様)JavaScriptとXMLで開発できる」(同)という。
Fennecは、7月以降にバージョン1.1がリリースされ、今年末から来年にかけてAndroid向けがリリースされる。その時にバージョンは2.0になり、Geckoエンジンは1.9.3(2.0)になる。これは今年秋にも登場するFirefox 4と同じエンジンとなり、HTML5やWebMもサポートされる。また、マルチプロセスアーキテクチャにも対応していく。
さらに、スマートフォンのカメラをサポートし、ブラウザからカメラを制御できるようにしたい考えだ。従来も、GPSやジャイロセンサーは最初にFennecがサポートし、その後Firefoxに取り込まれたとのことで、スマートフォンのデバイスをFennecから操作する機能を今後も追加していく方針だという。
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