ビジネスシーンでは、名刺も重要なアイテムだ。営業職の人ならば、取引先との挨拶の際に受け取った名刺をファイリングして、そのうち一部(あるいは全部)を常に持ち歩いているという人も少なくないはず。

しかし、仕事を長く続ければ続けるほど、名刺の数も増えていく。異動や昇進、転職で、部署や名刺の肩書き、会社名が変われば、同じ人の名刺が何種類も溜まっていくことになる。

ScanSnapには、こうした名刺を効率的に管理するためのソフト「名刺ファイリングOCR」が付属している。これは、ScanSnapで読み取った名刺の文字を自動認識してデータベース化してくれるOCRソフト。名刺の表裏の画像データも一緒に管理できるため、名刺の裏に走り書きした顧客に関するメモなども、後でちゃんと参照できる。

ScanSnapに付属する名刺管理ソフト「名刺ファイリングOCR」の画面。ScanSnapで読み取った名刺の文字を自動認識してデータベース化してくれる

うれしいことに、iPhoneやiPod touchにはこの「名刺ファイリングOCR」と連携して使えるビューワーアプリ「BC Holder 3.0」が用意されている。350円の有料版「BC Holder Pro」と、無料版の両方があり、登録件数や表示件数に大きな違いがある(無料版は最大50件までしか登録できないが、有料版は3000件まで登録可能)。いずれのバージョンも、連絡先情報だけでなく、名刺の画像イメージもそのまま表示可能だ。

名刺データをiPhoneアプリ「BC Holder 3.0」に転送するためのソフト「BC Transfer Pro for iPhone」の画面。名刺の画像イメージも転送できる

iPhone用アプリ「BC Holder 3.0」の画面。フィルタをかけて素早く検索可能。名刺のさまざまな情報が閲覧できる

iPhone用アプリ「BC Holder 3.0」の画面。名刺の画像イメージも表示させることができる

パソコンとiPhoneの連携の仕方は比較的簡単だ。おおまかに手順を説明すると、次のようになる。

  1. パソコン側に「名刺ファイリングOCR」と転送ソフト「BC Transfer Pro for iPhone」をインストール
  2. iPhone側に「BC Holder 3.0」をインストール
  3. パソコンで「名刺ファイリングOCR」を起動し、CSV形式で名刺データをエクスポートする
  4. パソコンで「BC Transfer Pro for iPhone」を起動し、先ほどエクスポートしたCSVファイルを読み込む
  5. パソコンで「BC Transfer Pro for iPhone」を、iPhoneで「BC Holder 3.0」を起動しておく
  6. 「BC Transfer Pro for iPhone」で「iPhone転送」を実行

転送ソフトをインストールする必要があるなど、多少の手間はあるが、これで重い名刺ファイルを持ち歩かなくすむのであれば、まったく文句はない。取引先の名刺だけでなく、飲食店やショップのカードもスキャンして持ち運べるので、飲み会やプライベートでも役に立つシーンはたくさんある。営業ツールとしてはもちろん、人脈を広げるツールとしても非常に魅力的だ。

また、iPhoneアプリの「BC Holder 3.0」にはパスワード機能が搭載されている点も見逃せない。うっかり端末をなくした場合でも名刺情報が漏れる心配は少ないわけだ。他人の手に渡るとダメージが大きいデータだけに、こうしたセキュリティ機能が用意されているのはありがたい。