ScanSnapで読み取ったデータは、PDFのほか、JPEGなどで保存することができる。Microsoft Office文書に変換することも可能だ。複数ページに渡る文書なら、PDFで保存するのがもっとも簡単で汎用性が高い。

また前述のiBooks以外にも、iPad用のアプリの中にはPDFを直接閲覧できるものがいくつかある。その中でも人気が高いのが「i文庫HD」だ。同アプリの場合、PDFだけでなくJPEGをZIP形式で圧縮したファイルを閲覧することもできる。ここでは、i文庫HDを例にとり、ScanSnapで保存したPDFファイルをiPadで活用する方法を紹介しよう。

といっても、実はそれほど説明することは少なく、パソコン初心者でも挑戦しやすいので、ぜひ試してみてほしい。具体的な手順は次の通りだ。

  1. パソコンでiTunesを起動
  2. パソコンにiPadをつなぐ
  3. iTunesの「デバイス」リストに表示されるiPadアイコンをクリックして選択し、メイン画面で「アプリ」タブを選ぶ
  4. 画面下部の「アプリケーション」リストで「iBunkoHD」をクリックして選択
  5. 「iBunkoHDの書類」が表示されるので、その下にある「追加...」ボタンをクリック
  6. 「ファイルを選択」ダイアログが表示されるので、パソコンに保存しておいたファイルを選択する

iTunesの画面。i文庫HDへは、iTunes上でファイルを指定して転送することができる

これで、パソコンからiPadにファイルが転送される。なお、iPadでは次のような手順でファイルを閲覧できる。

  1. iPadを起動する
  2. iPadのホーム画面でi文庫HDをタップして起動
  3. i文庫HDの「フォルダ」タブを選択して、ファイルリストの中から転送したものをタップ
  4. 「情報」ダイアログが表示されるので「読む」ボタンをタップする

これでOKだ。なお、i文庫HDの「情報」ダイアログで「登録する本棚」を指定しておくと、次回からは「本棚」画面に表示されるサムネールをタップするだけで文書を閲覧できて便利。これで、ScanSnap S1300でスキャンしたデータをiPadにガンガン放り込んでいつでも好きなときに活用できる。

i文庫HDで「情報」ダイアログを表示したところ。表紙や表題を変更することもできる

i文庫HDの「本棚」画面。さまざまな電子文書をサムネール表示することができる

もっとも、せっかく汎用性の高いPDFなのだから、iPadだけで活用するのはちょっともったいない。パソコンでもスキャンデータを活用したいところだ。ScanSnapにはパソコン上でPDFファイルやJPEGファイルを整理・閲覧するための「ScanSnap Organizer」というソフトが付属しており、専用ブラウザでスキャンデータを一元管理できる。

「ScanSnap Organizer」の画面。ScanSnapで読み取ったデータを一元管理できる

このソフトのすごいところは、OCR技術を利用してPDFを全文検索可能なファイルに変換してくれるという機能だ。この機能のおかげでファイル検索にかかる時間を大幅に節約できるようになるため、仕事の資料整理などで積極的に利用すると良い。

また、「ScanSnap S1300 楽2ライブラリ パーソナル V5.0 セットモデル」であれば、もうひとつ「楽2ライブラリ パーソナル」というソフトも付属する。こちらは、書類データの管理をパソコン上で行うためのもの。書庫をモチーフにしたメイン画面で直感的にデータを管理できる。利用シーンに応じて、これらのソフトを使い分けると、ScanSnapをより有効に活用できるようになる。

「楽2ライブラリ パーソナル」の画面。書庫をモチーフにしたメイン画面で直感的にデータを管理できる

「楽2ライブラリ パーソナル V5.0」は、ソフト単体でも購入可能(PFUダイレクト直販価格:25,200円)。「ScanSnap S1300 楽2ライブラリ パーソナル V5.0 セットモデル」であれば直販価格32,800円と非常にお買い得となっている