まずiPhoneの新デザイン。基調講演中に表示された写真からはそれほどスリムな印象を受けなかったが、実際に触ると非常に薄い。厚さが9.3mmで、これはiPhone 3GSよりも24%減だ。

前面だけではなく、背面にもガラスが用いられ、それらの間の本体をステンレススチールの枠が囲む。落ち着いた高級感があり、Jobs氏は「これに近いのはライカの美しいクラシックカメラだろう」と述べた。

iPhone 4の上質な質感とデザインをライカのクラシックカメラにたとえた

写真右側はアクセサリの「Bumpers」を装着した状態。一転してポップな感じになる

流出画像を見たネットユーザーの間で、ステンレススチールの枠に溝があるのが話題になった。細部までとことんこだわり、ねじや接合部を嫌うAppleらしくない。そのため、流出画像のデバイスが偽物、またはごく初期のプロトタイプという意見が出てきたほどだ。

発表前に「これはAppleらしくない」と言われた謎の溝

その溝はiPhone 4に残されている。なぜか?

ステンレススチールの枠をアンテナ機構の一部として利用しているためだという。Wi-Fi、Bluetooth、GPS、UMTS、GSMなどをサポートするため、枠が3つのパーツで構成されている。溝はデザイン的に望ましいものではないが、ステンレススチール枠がアンテナの役割に担うことでスリム化が可能になり、またステンレススチール枠は9.3mmの薄さでも十分な強度を実現する。

アンテナ機能を兼ねていることが分かると会場から大きな拍手。ステンレススチール枠は高級感を演出し、強度を保ち、そして通信機能をサポートする

A4チップの応答性の良さはiPadで実証済みだが、iPhone 4ではチップの小型化という点でも大きく貢献している。「iOS 4」(iPhone OS 4)が十分に動作する性能を備え、またA4チップ以外の内部部品もほぼ全てが小さくなったことで、スリムな筐体に大きなバッテリを内蔵できた。これによりバッテリ駆動時間が、3G通話で7時間、Wi-Fiブラウジングが10時間、待機時間が300時間に延びた。

本体に占めるA4チップのサイズは非常に小さい

A4チップ以外のパーツもコンパクトになり、薄い本体で大きなバッテリを実現