【インタビュー】

個人ライブ配信の魅力とは? ニコニコ生放送の人気ユーザー・百花繚乱に聞く

 

巷では個人によるライブ配信が流行中だ。

ニコニコ動画のユーザー生放送、Ustream、スティッカムなど、配信をサポートするウェブサービスも充実してきた。

なぜ彼らは配信するのか。個人配信の魅力はどこにあるのか。

ニコニコユーザー生放送で人気を博し、自身のコミュニティで4万人を超えるファンを抱える「百花繚乱」に、個人配信を取り巻く現状とその魅力などについてお話を伺うことができた。

ライブ番組の個人配信が広まりつつある潮流の中、百花繚乱はもっとも注目すべき配信者のひとりと言える。ニコニコ生放送のユーザー生放送で、4万人を超えるファンを抱える有名人だ

*  *  *

──百花繚乱さんが配信されているニコニコユーザー生放送(以下、ニコ生)はどんな世界なのでしょうか。本家にあたるニコニコ動画とはまた違った空気があるように感じます

百花繚乱 ニコ生は最初は入りにくいんだけど、入ってしまえば今度は出にくい、という独特の世界ですね。配信者と視聴者の一体感はクセになります。ニコ生独自の空気というのも確かにあるのですが、やっぱりニコニコ動画を見ている人が集まっているんですよ。だから別物ってわけではないですし、その共通点があるからこそ一体感が生まれるのかなと思います。

──配信にも流行のジャンルなどがあるのでしょうか

百花繚乱 流行はありますね。ニコ生がスタートしたのが2008年12月なのですが、最初に流行ったのは「声真似」だったと思います。そこから顔を出す人が増えてきて、次に「○○するぜ!」という企画物が流行りました。そして外からの配信やゲーム配信も増えて……という感じですね。

──百花繚乱さんがニコ生を始めたきっかけは何だったのでしょう

百花繚乱 そもそも僕はニコ生以前にニコニコ動画ユーザーだったんです。ニコ動を見始めたきっかけは、今まで遊んでいた友人が急に遊んでくれなくなって、何をしているのか聞いてみると「ニコニコ動画を見ている」と。それで僕も見てみたらハマってしまいました(笑)。で、同じ感じで友人から「こういうサービスが始まるよ」と聞いたのがニコ生だったんです。最初はとりあえずやってみようという好奇心だけでスタートしましたね。僕はもともと人前に出る仕事をちょいちょいやっていたので、喋る練習になるかなとも思いましたし。最初は友人と一緒に声だけで放送していたんですが、それから一人でやるようになって、次に顔も出し始めました。それでも物足りなくなったので、何か面白いことをやろうと女装して外に出てみたりと、エスカレートしていきました(笑)。

──配信サイトとしてはUstreamなどもありますが、なぜニコ生を選んだのでしょう

百花繚乱 ニコ生以外の選択肢はあまり考えなかったですね。配信を始めた場所がニコ生だったので、変えようという気もないですし、そもそも僕はニコニコ動画が好きなんです。だから別にニコ生以外でやる必要はないかなと。落ち着く場所……というか、自分の場所がニコ生にあるんですよ。Ustreamで配信はしていませんが、見たことはあります。枠の制限もないし、音質や画質もきれいですよね。だからこれから配信を始める人はUstreamでもいいと思うんです。ニコ生はクセがあるので、得意な人と苦手な人が分かれると思いますしね。

──"クセがある"というのは具体的にどんなことでしょう

百花繚乱 たとえば生主(生放送の配信者)同士の人間関係とか、人間ドラマがあったりとか、そういった部分ですね。僕が友人にニコ生を説明するときよく言うのは、極端な話なんですけど、"今からニコ生に入るのは『ワンピース』を途中の巻から読むのと同じ" ってこと。面白い世界なんだけど、やっぱり途中から、なんです。前提知識があるとさらに楽しめるのですが、その知識を得るまでが大変という。そのへんが新しく入ってくる人がなじみにくい理由かもしれないですね。

──サークルに途中から参加するような感じでしょうか

百花繚乱 そうですね。たとえばゲーム配信をやっている人はそういう人たちでグループができていたり、そういったサークル的なノリはあるかもしれませんね。

──でもそれがニコ生の持つ一体感につながっているわけですね

百花繚乱 一体感はすごいですね。僕が言ったことに対してのコメントが同じタイミングで流れたりすると、「言ってよかったな」って思うんです。見ている側も参加している感じになれますよね。Ustreamでももちろんコメントはできるし、決してダメなわけではないんですが、やっぱりニコ生はコメントが自分の放送に重なっているというのが良いんです。パッと見てみんなで楽しんでいるというのが一目でわかりますし、直感的です。この前、人前に出る仕事をしたんですが、ニコ生みたいにコメントがつかないから寂しいなって思いました(笑)。コメントがないと「今見てくれてるんだ」っていう安心感がないんですよね。

──百花繚乱さんのように個人で配信する方が増えていますが、今後はどうなっていくとご覧になっていますか

百花繚乱 人と関わったり、コミュニケーションすることってやっぱり楽しいんですよ。だから個人配信は広がっていくと思いますし、その中で人を集めてさらに飛躍していく人も出てくるとは思います。この一年で色々な方からお話を聞いてきたんですが、TV局の方なんかもけっこう個人配信に注目されているそうです。ただ、あまり人が増えて放送自体が当たり前になってくると、珍しさはなくなってきますし、ハードルは高くなっていくと思いますね。ニコ生も今は2,500枠ありますが、昔は100枠とかしかなくて、やれば人がくるという時代がありましたからね。

──配信が一般化するということですね

百花繚乱 ただ一般化といっても、爆発的に人が増えることはないんじゃないかと思うんです。ニコ生については、やっている人が増えていっても、興味を持ってくれる人はまだ意外と少ないんですよね。知り合いは見てくれますけど、一般ユーザーからしたらまだまだ近寄りがたい世界だって感覚があるのかなと。そのイメージは取り除かなければ、と思います。もちろんニコニコの世界観を壊していいわけではないから、難しい部分ですけどね。

──配信を始めて何か変わった部分や影響を受けた部分はありますか

百花繚乱 挑戦すること、失敗することは怖くなくなりましたね。人前に出続けるという経験やプレッシャーを通じて、人に対する抵抗も少なくなりました。個人の放送って、面白くしないと人が来ないんですよ。だから人に来てもらえるように努力することはサービス精神を鍛えていくことに近いんじゃないかと思いますし、見ている人を楽しませることを一番に考えるようになりましたね。

──今後の活動について教えてください

百花繚乱 僕はあまり今後については考えてなくて、やれることをやって、なるようなればと思っているんです。配信に限らず、人前に出ていく仕事をしていきたいですね。面白いことであればやりますし、それで見てくれる人が増えたらなと思います。

*  *  *

現在、広島から上京して公式生放送「ココデキ!ニュース」のレギュラーコメンテーターを務めるほか、「ニコラジ」の木曜アシスタントとして数々の有名人と共演するまでになった百花繚乱氏。彼を見出し、育てたのがニコニコユーザー生放送という場とファンの存在だったことは間違いない。"ニコニコ発のタレント"として、百花繚乱氏の今後から目が離せない。

取材・文/山田井ユウキ 写真/かずさ

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