国内外食産業のトップを走り続けているマクドナルド。主要都市の駅近郊やオフィス街をはじめ、車で行ける郊外店など、至るところに存在している同社の店舗が、大人から子どもまで多種多様なお客でにぎわっているのはご存知のとおり。最近ではメニューも様々なバリエーションが提供され、ニュースとなることも多々ある。そんななか今回は、22年目を迎えたという長い歴史を持つお子様向けセットメニュー、「ハッピーセット」にスポットをあて、その商品企画とコンセプトについてお話をうかがった。

「ハッピーセット」のデジタル・ゲーム『マック・デジ』は、5月28日(金)から販売中

取材に対応していただいた、日本マクドナルドの山本美和さん

――「ハッピーセット」の成り立ちを教えてください

「『ハッピーセット』は今年で22年目を迎えました。そもそも『ハッピーセット』の成り立ちというのは、『親子の団欒が提供できたらいいね』という発想からです。その際、親子の会話が弾むネタを考えていくと、お父さんやお母さんが子どものころに見ていたTVアニメの復刻版だったり、誰もが参加できるような音楽やスポーツだったりするわけです。『お父さん、(ドラえもんの)暗記パンが欲しかったよ』とか、そんなところから子どもと同じレベルで話しができるじゃないですか(笑)。特に『仮面ライダー』などは、大人の方にも人気がありますから、世代を越えてお楽しみいただけたと思います」

「ハッピーセット」の前身は、「お子さまセット」という名称。初回は「ダイヤブロックつきお子さまランチ」

――1アイテムの提供は、どれくらいのサイクルに設定されているんでしょうか

「年間、大体17~18プログラムがスケジュールされていますが、1プログラム3週間ぐらいのキャンペーンとなっています。おもちゃの種類も企画によって変わるのですが、1回6~8種類ほどで展開しています」

2001年第2弾のハッピーセット、「みんなでおしごと」

2001年第11弾のハッピーセット、「ハローキティのハッピーゆうえんち」
(C)1976,2001 SANRIO CO., LTD.

――基本的に『仮面ライダー』や国産アニメの企画は国内独自なのですか?

「実は海外でも展開していたりします。特撮キャラクターやアニメは日本が発祥の地なので早いですが、他国でも半年遅れくらいで提供されたりしています。米国では『NARUTO-ナルト-』がすごく人気がありますし、『ハローキティ』は国内、米国、欧州でそれぞれ違う企画で実施されたりしています」

――ワールドワイドに見た場合、日本マクドナルドから独自の企画を出してもらいたいといった要望とかもあるんですか?

「頻繁にあるわけではないですが、年に何回かグローバル規模で行われる会議に出席し、我々は"ベストプラクティス"と呼んでいますが、いろんな意見を全体でシェアするんですね。日本のアニメが世界的に非常に人気が高いので、米国などから『経験値をちょっと分けてよ』と言われることは多いですね」

――今回の『夢色パティシエール』トレーディングカードの海外展開も考えているのでしょうか?

「この企画の海外展開は未定ですけれど、トレーディングカードといった類のものは、おもちゃに比べて比較的短期間で作れます。ただ、作品自体が海外に進出してからの話になりますので、そこはライセンサー側と相談しながら進めていきたいですね。また、新しい試みとして、『夢色パティシエール』のトレーディングカードに描かれているスィーツがアニメで登場したり、ABCクッキングさんとのコラボで、実際にお教室で親子で作って楽しめる企画も行っています。今後もこういったバーチャルとリアルを融合させるような楽しい展開はどんどん考えていきたいですね」

今年5月7日(金)から全国のマクドナルドにて販売された「ハッピーセット」に付属した『仮面ライダー』の「仮面ライダーバトル ガンバライド」と、『夢色パティシエール』の「マイスイーツカード」

――海外展開されている国内アニメで代表的な作品は?

「例えば『ドラえもん』。この作品の『ハッピーセット』は、ここ数年毎年実施しています。韓国などでは映画版が一年遅れで公開されるので、我々が国内で扱うシンボル(例として、映画版に登場するキャラクターや秘密道具など)がタイムリーに使えないんですね。そういったときは、そのシンボルを変えたり、外したりしてアジア諸国で展開するなど、いろいろな工夫をしています」

――版権元からの売り込みなどもあるのでしょうか

「当然あります。玩具業界では当たり前かもしれませんが、企画というのは一年くらいかかるんですよね。けれど、一年後の流行って誰も占えませんから、やはり弊社と版権元、TV局、映画会社などが集まって各々が提案をするんです。この提案とは"海"、"宇宙"など、かなり大まかなものだったりするのですが、まずはそれに沿って話を進めていきます」