IAR Systems

IAR Systemsは4月27にLow-Power Debuggingに関するプレスリリースを出しているが、こちらの実機デモが行われていた(Photo21)。

これは同社のJTAGプローブの中に電力測定機能がすでに仕込まれており、ターゲットボードの電力供給もJTAGプローブ経由で行うようにしておき、この際に消費電力を測定できるようにするというもの(Photo22)。現在は概ね0.1秒間隔で消費電流を測定して表示している(Photo23)。ちなみにこの機能の最初のターゲットはARMアーキテクチャで、その他のアーキテクチャについてはそのニーズがあれば対応、という事の様だ。キーはJTAGプローブがこれに対応しているか否かで、今のところはARMアーキテクチャ向けのJTAGプローブのみがこれに対応できているとのことだ。

Photo21:もっともこの機能はまだβ版で、実際に開発者に利用してもらえるようになるのは今年後半との話であった

Photo22:現行の同社のJTAGプローブにはすでにこの機能が搭載されているとのこと。ただ当然ながら同社の古いプローブや、あるいはIAR Systemsのものではないブローブを使っている場合、この機能は利用できない

Photo23:測定間隔はもっと短くすることも可能なはず、という事だった。まぁこのあたりはまだβ版だから、今後また変わってくるかもしれない

Intel関連

Intel自身の展示および記者発表会の内容はすでにレポートがあるので、それ以外の小ネタを4つほど。まず東京エレクトロンデバイスは、Z530ベースのボードにSpartan-6を搭載したプラットフォームを展示している(Photo24,25)。同社は元々Xilinxの代理店を行ってきていたが、Intel向けの代理店としては参入したばかりであり、他社製品との差別化を行うためにこうした構成を考えたとか。とりあえずは画像処理機器向けにCamera Linkを用意するなどの構成を取ってはいるが、要するに小規模なCPU+FPGAのシステムを構築したい、というニーズを狙ったものとなっている。

Photo24:ドーターボードは通常のZ530を搭載したもので、キャリアボードの側にSpartan-6が搭載されている

Photo25:Spartan-6はPCIeレーンが利用できるLXTタイプで、このPCIeレーンをUS15WのPCIeレーンに接続する形で接続している

逆にPFUはEmbeddedの枠を踏み越えるような、6core Xeon×2による24Thread同時実行デモを行っていた(Photo26)。ターゲットは? と聞くと、とりあえず構成してみたというレベルであり、お客さんの反応などを見ながらこれから考えて行くという返事であった。

Photo26:流石にターゲットアプリケーションがないため、とりあえずはCineBench R11.5のオートデモが行われていた

またリコーはMini-ITXサイズの製品を幾つか展示していたが、そのうちの1つが2010年末に発売予定のIT6で、Core i7-MとHM55を搭載したものとなっている(Photo27)。ただ目を引いたのはCore i7-Mとかではなく、そのバッテリバックアップ電池の巨大さであった(Photo28)。

Photo27:Mobile向けということで、ヒートスプレッダが無い形で搭載されているのが判る

Photo28:右上にCore i7-Mが見えるが、それよりも左のバックアップバッテリが目を引くところ。ちなみにリコーの製品はこのバッテリを標準で利用しているようだ。

ちょっと離れた場所にブースを構えていたのが台湾FIC。かつてはPCマーケット向け製品が主力だったが、昨今は組み込み向け専業となっている。このFICが持ってきたのがRPP-104M。MIL-STD-810G/MIL-STD-461Eに準拠、IP67(耐塵/水中への浸漬に対する保護)を実現したパネルPCであった。

Photo29:Windows XPの上でWindows Media Playerを連続再生しながら水没させていた。ちなみに「本体全般に放熱穴は無い」とか説明があったが、そりゃあったらまずかろう