【レポート】
ネットインフラの充実とストリーミング技術の発達により、最近ではだれでも簡単に動画の配信を行うことが可能となった。特に、世界中のユーザーが利用しているYouTubeでの映像配信は、公開した映像がきっかけとなり様々なアーティストが誕生するなど、現在ではクリエイターにとっての作品公開の場としても大きな意味を持つものとなっている。今回は、そんなYouTubeの動画の中から、新たなサウンド・クリエティブの世界を感じられるiPad/iPhoneを使ったビデオをピックアップし、まとめて紹介していこう。
言わずと知れたテクノ・ハウスサウンドの第一人者「Fatboy Slim」(Norman Cook)の名曲を、iPhone/iPod touch用音楽制作アプリの大定番「BeatMaker」で再現したビデオ。パッドに各種サウンドをアサインし、リミックス的な感覚でアクティブなパフォーマンスが繰り広げられている。同ユーザーは、Timbaland、C&C、Lady Gagaなど、様々なアーティストの楽曲ビデオも公開中なので、ぜひ合わせてチェックしてほしい。
韓国人と思われる若き美女が、複数台のiPhoneを同時かつ巧みに操ることで話題となったビデオ。音楽制作アプリ「BeatMaker」を中心に、スタンドアロンタイプのシンセサイザーアプリ「miniSynth」、さらに「 I Am T-Pain」により人気のオートチューンサウンドを再現している。実際の楽曲制作の手順を段階的に追えるため、iPhoneを使って曲作りしたいユーザーには参考になるだろう。演奏される楽曲は、Lady Gagaの大ヒット楽曲「Poker Face」だ。
世界で活躍する一流の中国人ピアニスト・Lang Langが、サンフランシスコのDavies Symphony Hallで行われたクラシックコンサート(アンコール)で、iPadを使って「熊ん蜂の飛行」を披露したという。プレイヤーのみらず、指揮者や会場も非常に楽しんでいる雰囲気が伝わってくる。iPadには、「Magic Piano」や「Pianist Pro」、「Pro Keys」など、多数のピアノアプリがされているので、ぜひ皆様もiPadを使ったライブ演奏にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
各メンバーが、それぞれピアノ、ギター、ドラムなどのパートをiPhoneを使って担当する、まさに「iBand」の名に相応しいバンド形態のビデオ。ソフトバンクのCMでお父さんが演奏していたことで有名になったMooCowMusicのピアノアプリ「Pianist」はじめ、同社「Guitarist」、さらにカスタマイズされたサウンドを収録した「Beatmaker」などのアプリが演奏されている。また、MooCowMusicの未発売のドラムアプリ「Drummer」の存在感も非常に大きい。
日本のクリエイターも負けてはいない。Fingerの「BassLine」というアプリを活用し、高円寺の駅前にてテクノ女子がパフォーマンスを披露。ビデオ後半では、リズムトラックをバックにした2人同時プレイも行っている。ヴィレッジヴァンガード高円寺店で購入したという大人の科学マガジン付属のシンセ「SX-150」とiPhoneの競演ビデオもお見逃しなく。なお、「ARGON」、「Digital Bass Line」、「technoBox」などのアプリも、iPhoneでテクノする人にオススメだ。
アメリカで先行発売中のiPadを活用した、美人DJ・Rana SobhanyによるデジタルDJプレイが早くも公開された。MacBook ProとNumarkのDJミキサーを中心に、2台のiPadに本格的シンセアプリとして話題の「iELECTRIBE」およびループサウンドのプレイに最適化された「Looptastic HD」をインストール、本格的なDJセットを構築している。その他にもDaftpunkの名フレーズを搭載した「iDaft」、グルーブアプリ「Groovemaker」などアプリ情報が満載。
初音ミクを用いたニコニコ動画でもプロデューサーとして活躍するクリエイター「Denkitribe」が、80年代活躍した8bitゲームのサウンドを再現するiPhone/iPod touch用アプリ「NESynth」を使って、怒濤のパフォーマンスを繰り広げる。懐かしいファミコンのピコピコ音が、ノスタルジーと新鮮さを同時に感じさせる。同氏が内蔵プリセットパターン制作にも参加したというiPad用シンセアプリ「iELECTRIBE」を自ら演奏する映像も要チェック。
今やテクノ好きでなくても一度は耳にしたことがあるであろうUnderworldの名曲のフレーズを随所にちりばめたiPhone/iPod touch対応ドラムアプリ「iDrum Underworld Edition」。ボタンをタップするだけで、Underworldの世界感とライブ感を堪能できる。それぞれの音の組み合わせだけで、ファンでなくても遊び続けらるほどのキャッチーなフレーズの数々は、Underworldならでのものとなっている。
iPhone用DJアプリとして好評な同社無料DJアプリ「Baby Scratch」の機能をアップグレードしたiPad専用DJアプリ「Baby Decks DJ」。2台のターンテーブル、クロスフェーダー、ピッチコントロール(+/-16%)など、DJプレイに必須となる要素をiPad1台でコントロールできる。各デッキごとに搭載されたミュートボタンを活用した、クロスフェーダーをタッチ操作することでは不可能だった、キレのあるスクラッチプレイと高度なDJパフォーマンスは必見。
いち早くiPad対応を果たした「TouchOSC」は、OSC(Open Sound Control)と呼ばれる専用プロトコルを使い、iPadからコンピュータにインストールされた各種音楽ソフトなどをコントロール可能。ビデオでは、Logic内蔵のソフトシンセを組み合わせ、iPadの楽器/コントローラとしての可能性を感じさせる多彩な演奏が披露されている。なお、「Ecken」のWebサイトから、同氏が作成したTouch OSC用テンプレートもダウンロードが可能となっている。
iPhone/iPod touchの発売以来、多くのミュージシャンやクリエイターを刺激するような、これまでの常識や概念を覆す新しい楽器/シンセ/DJアプリが多数登場してきた。そして、iPadの登場により、そのムーブメントはさらに加速し、楽器/コントローラデバイスとして一気に広がりをみせることになっていくことだろう。今後も当分の間は、世界中のiPad/iPhone/iPod touchミュージシャンから目が離せない日々が続きそうだ。
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