【レポート】

Xilinx、ARMベースアーキテクチャによる28nmプロセス採用FPGAの概要を公開

1 Cortex-A9を搭載したFPGA

    小林行雄  [2010/04/28]

    ARM+FPGAの新プラットフォーム

    Xilinxは4月27日(米国時間)、同社が開発を進めている28nmプロセスFPGAにARMのデュアルコアプロセッサ「ARM Cortex-A9 MPCore」をベースとしたプラットフォーム「Extensible Processing Platform」を公開した。

    ザイリンクスの代表取締役社長であるSam Rogan氏

    XilinxとARMは2009年に技術開発に関する提携を発表しており、今回はその成果の一部が公開された形となる。会見に同席したザイリンクスの代表取締役社長であるSam Rogan氏は、「半導体業界ではEvolutionとRevolutionの2つの言葉が良く用いられるが、今回はRevolutionとしての意味合いが強い。それは、FPGAの活用形態が、かつてはプロセッサなどのチップの周辺に添えられて補助的な役割を担っていたものから、徐々にプロセッサなどを統合し、システムの中心的な役割を求められるようになってきたためだ」と述べ、「プロセッサをFPGAに導入するのであれば、No1の性能のものを欲しいと思うのは当然」とARMコアの採用経緯を説明した。

    Xilinx ワールドワイド マーケティングおよび事業開発担当シニア バイス プレジデントであるVin Ratford氏(米国からのテレビ会議にて概要の説明を行った)

    こうしたことから、今回のプラットフォームは、「システムの中心となるという将来を見込した上で、新しい機能を拡張していけるプラットフォームを開発した」(Xilinx ワールドワイド マーケティングおよび事業開発担当シニア バイス プレジデントであるVin Ratford氏)と、今回のプラットフォームの名称である「Extensible Processing Platform」の名付け理由を語る。

    現在、組み込み業界は、主に動画像の処理やネットワーク経由でのデータ量の増加などでより高い性能が要求されているが、その一方で、低コスト化や低消費電力化、そしてさらなる小型化という相反する要求が存在している。特に広帯域・ハイパフォーマンス関連の市場は今後も成長が続くとの予測もあるが、ASICやASSPでは要件の変更や製品差別化に限界があることや、マルチチップによるシステムでは実装面積や電力の問題をクリアに出来ないという課題があった。

    現在の組み込み分野におけるニーズ

    アームの代表取締役社長である西嶋貴史氏

    こうした市場からのニーズに対し、Ratford氏は「最も高いパフォーマンスを出せるのがARMコアで、その中でもCortex-A9 が最高のパフォーマンスを出せたことが選んだ理由」と説明、それにRogan氏が「Xilinxとしては1番高機能なコアを選ぶことで、"今日のハイエンドは明日のミドルエンド"と考えることができるようになり、より長い期間活用してもらえるという意味でもCortex-A9が選ばれた」と付け足しをおこなった。また、こうしたXilinx側に対し、ARMの日本法人あるアームの代表取締役社長である西嶋貴史氏は、「我々としてもフラッグシップのコアをFPGAの中心として採用してもらい感謝している。今回のプラットフォームの名称については、"ARMコアが入ったFPGA"という意味だと考えている」とXilinxへの感謝を述べている。

    ARMコアを活用することで、NEONなどもサポート可能となるほか、超並列処理も可能となる

    AMBA/AXIでこれまでのボトルネックを解消

    FPGAのオンチップバスには2010年3月に発表されたオンチップ・インターコネクト仕様「AMBA 4」を採用。インターコネクト・プロトコル「AXI4」を活用することで、拡張性の確保やデータスループットの最大化などが可能となるという。

    また、AXIに対応したハードウェアおよびソフトウェアIPを用いることが可能となるほか、汎用OSの活用も可能となる。これにより内部メモリや外部メモリと広帯域でのやりとりが可能となるほか、Gigabit Ethernet、USB、SerDesなどをつなげるFPGAができるようになる。また、「ハードとソフトの協調設計が楽になり、開発効率の向上が可能となる」(Ratford氏)とするほか、どこまでのレベルについているのかは明らかにされなかったが、「最大のポイントはARMコアとメモリインタフェースや共通ペリフェラルを含むプロセッシングシステムを活用することで、電源を入れると従来のようなコンフィグレーションを行わなくても、すぐにOSが使えるようになる点だ」(同)ということも可能になるという。

    AMBA/AXIの活用により拡張性やスループットの最大化などが可能となるほか、IPなどもAXI対応IPなどを使えるようになる

    「Extensible Processing Platform」のイメージ図

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