一体どういう仕組み??

電子レンジでチンするだけで、焼き魚やだし巻玉子、とんかつなどをあっという間につくれてしまう世にも不思議なお皿がある。佐賀県の割烹食器メーカー・小森谷 嘉右ヱ門窯が製造している家庭向け電子レンジ専用皿「FIRのふしぎなお皿」だ。ここ数年のうちに口コミで人気が広がり、インターネット通販などで堅調に売れ行きを伸ばしている注目商品だ。

「FIRのふしぎなお皿」。写真は小判型焼皿で価格は3,675円

この皿は、新しい技法で無機炭素を磁器に調合することで強度を高めたもの。皿を電子レンジでチンすると、マイクロ波で遠赤外線(=FIR)が発生するので、油を使わなくとも、焼魚やポークソテーなどをつくれてしまうのだという。

油を使わないのでとってもヘルシー。しかも本来なら火を使っての調理が電子レンジでの加熱で済むので、短時間でとてもお手軽。素材の旨味を外に逃がさずに芯から焼いて温めるので、誰でも簡単においしい料理がつくれると評判だ。

銀ダラの味噌漬けも美しい仕上がり

完成した銀ダラの味噌漬け

さっそく「ふしぎなお皿」で調理してみた。まずは焼き魚に挑戦。皿の上にクッキングシートを敷き、下味をつけた魚の切り身をのせる。その上にクッキングシートを覆いかぶせて、シートの端の部分を皿の下に挟みこむ。そして電子レンジで2分加熱。最初は半信半疑だったのだが、本当にきれいな焼き魚が出来上がって驚いた。レンジでチンしても、魚の身が縮んだり、身がパサ付いていないのが不思議だ。これがFIR効果というものか……。

イカも破裂せずに完成

電子レンジでイカ焼ができるだなんて。塩コショウで下味をつけただけの簡単クッキングなのにおいしい!

次に、レンジでチンしてはいけない代表選手・イカに挑戦。イカがどうして電子レンジNGかって!? それは、加熱すると「パンッ! 」という音と共に身が破裂して、見るも無残な状態になることが多いからだ。

今回は「『ふしぎなお皿』ならこの難題をクリアできるかもしれない……」と思い、イカの調理にチャレンジ。まずは皿にクッキングシートを敷き、下味をつけたイカをのせ、クッキングシートをかぶせてレンジでチンする。ドキドキしながら加熱後のイカを見てみると……身が裂けていなくて美しい仕上がり!

今回はクッキングシートを敷いたが、皿には溝が付いているため、クッキングシートを使わず直接食材をおくと、焼き目をつけることも可能なのだとか。電子レンジで焼き物がつくれるだなんて、本当に"不思議"である。

トンカツなど揚げ物も可能

オムレツもパパッと簡単。忙しい朝に活躍してくれそう

ほかに同封されてあった同社の専用料理レシピ集を見てみると、さつまいもの丸ごと蒸しやハンバーグ、ポークソテー、シュウマイ、きんぴらごぼう、オムレツ、出し巻き玉子、ピラフなどもつくれるということだ。目玉焼は黄身の部分を数カ所、楊枝で刺してからチンすればよい。トンカツなどの揚げ物調理も可能で、肉などの素材に小麦粉、溶き卵を付け、砕いたコーンフレークに油を注いだもの(これが衣代わりになる)を付けてチンするだけ。揚げ物は、揚げ油の後処理に困ったり、油ハネでコンロが汚れてしまったりと何かと面倒だが、なんと言う手軽さであろうか。

もしかしたらこのお皿があれば、魚焼きグリルも玉子焼き器も必要なくなるかもしれない。食事後に鍋を洗う手間も省ける。だって、このお皿のまま食卓に出せるのだから。実際に使ってみると、この商品が人気の理由が納得できる。同社では「FIRのふしぎなお皿」を5タイプ用意し、ネット通販などで販売している。

  • 小判型(21cmx16cmx3.5cm)3,675円
  • 小判型焼皿(21cmx16cmx3.5cm)3,675円
  • 長角焼皿(25cmx17cmx2.5cm)6,825円
  • 深丸型(直径19cmx3cm)3,675円
  • 深丸型大(直径22.5cmx4cm)6,825円
※小判型焼皿にだけ専用料理レシピ集がもれなく付いてくる。

あえて最後に取り扱いの注意点をあげるとすると、レンジから皿を取り出す時のやけどには十分に気をつけたい。ちなみにラップは禁物ということだ。また加熱時間は食材の分量や電子レンジの性能によって異なるので、こまめに食材の様子を見ながら加熱をすすめるとよいだろう。