「サムライスピリッツ」とは?

筆者は、ネオジオの大ファンである。今も実稼働可能なROM本体システムを2台所有するほどの。

ネオジオといえば、1990年当時のゲームセンターで稼動していた業務用アーケードゲーム基板のスペックをほぼそのまま家庭用ゲーム機としてリリースしたことがセンセーショナルであった。筆者は当時、既に筋金入りのゲーム好きではあったが、ファミコンすら持たない完全なるゲーセン崇拝者だったので、ネオジオの登場には特に衝撃を感じたものだ。なによりあの冗談みたいにでかいROMカセットに痺れたものだった。

公開! 筆者のマニアックすぎる所有ネオジオ・ソフト・ラインナップ

ネオジオには数多くの名作ゲームが提供されたが、特に仲間内で流行ったのが初代『サムライスピリッツ』だった。武器格闘ゆえに「単発の必殺技よりも大斬りが強い」「ただし、それも当てられなければ隙だらけで大ピンチ」というハイリスク・ハイリターン・ベースのゲーム性は新発想とも言うべきものであり、「ストリートファイター」シリーズや『餓狼伝説』のような拳術格闘ゲームにはない魅力を持っていた。

また、当時のSNK/ネオジオはキャラクター作りと世界観作りがうまかった。『サムライスピリッツ』の、白土三平の忍者漫画シリーズに代表される漫画チックな剣術アクションと手塚治虫の「どろろ」に代表される妖怪奇譚の両方のテイストをうまく昇華した独特な世界観は、それまでの格闘ゲームにはなかったものだった。

初代『サムライスピリッツ』は大ヒット作となり、そのネオジオROMソフトは、2万円前後もした高額商品だったにもかかわらず、当時の秋葉原専門店では売り切れが続出。ちなみに、品薄時には海外版の逆輸入商品までが店頭で販売されたほどで、筆者が購入したのはまさにそれ。

筆者の私物。大ヒット作ゆえに、ブーム後に中古として出回ったときには100円で販売されていたりした。新品時の200分の1!!

「サムライスピリッツ」シリーズは、続編『真サムライスピリッツ』で人気を確固たるものとし、その後、数々の続編や外伝作品、スピンアウトシリーズを生むことになる。

2009年12月にSNKプレイモアから発売された『サムライスピリッツ閃』(以下、『サムスピ閃』)は、この最新作となる。筆者の場合、「サムライスピリッツ」シリーズは「天草降臨」編までをネオジオROMで所有していたことがあり、結構ゲーセンでもプレイしていたが、それ以降のシリーズはあまり馴染みがない。「"サムスピ"ファンを自称するには甘い」と言われそうだが、なんにせよ、筆者としては、この最新作『サムスピ閃』の存在は、発売前からかなり気になっていたのであった。それだけに、今回プレイする機会が得られたことは非常に嬉しいことであった。

2009年12月10日に発売された『サムライスピリッツ閃』のパッケージイメージ

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