今どきのエアコンは、とにかくスゴイ! まるで人工知能がついているかのような"考えるエアコン"に進化している。

最新機種のなかでも、抜きん出てスゴイのが、三菱「霧ヶ峰ムーブアイNavi」。「ムーブアイ」と呼ばれるセンサーが、室内をきめ細かく探索し、人の居場所を見つけ出す。人中心に送風し、暖房時には、冷えやすい足元付近を狙って温かい風を送り、冷房時には、足元が冷えすぎないように送風を加減する。

また、人が窓からどれくらいの位置にいるかを測り、窓から差す夏の日差しが人に当たっている場合には、窓際近くをしっかり冷房。室内の温度が下がったら、冷風を抑えた省エネ運転に切り替える。

次に、センサーが、人が動いているか、静止しているかをチェック。静止時は人の体感温度が高くないと考え、冷やしすぎを防止する。

さらに、驚くことに、人の動きから室内で人がよく行き来するエリアを学習し、そこに合わせて、ムダなく送風。つまり、このエアコンは、"見つける""考える""学習する"という機能で、省エネ運転を実現しているというわけだ。

「霧ヶ峰」には、もう1つ賢い機能がついている。それは「知らせる」機能。室内の状況をキャッチしたセンサーが、ムダを教えてくれるというもの。たとえば、冷房しているのに室内の温度が下がらないような場合には「ドアが開いていませんか」「閉めると省エネできます」、「外の気温が下がっています」「運転停止がおすすめですなど。ここまでくると、エアコンにお任せすれば、省エネは万全といった感じだ。

MSZ-ZW250三菱ルームエアコン霧ヶ峰ムーブアイNavi 快適・省エネへ導く「ムーブアイNavi」に肌にうるおいを与えてしっかり保湿する「ピュアミスト」を搭載した新機種

同様の省エネ機能がついたパナソニックの「エアロボ」もスゴイ! まず、"人センサー"が、人の居場所と動きをキャッチして、省エネ運転。部屋から人がいなくなった場合も、省エネ運転に切り替え、人が戻ったら再びパワーアップする。約3時間経っても、人が戻らなかったら、自動的にスイッチOFF。

次に、"間取りセンサー"が、家具の位置や高さを見分けて、家具を避けて送風。家具にさえぎられて、ムダな送風をすることがない。3つめの"日射センサー"が、日差しの強さに合わせて、省エネ運転する。

CS-HX250Cパナソニック ルームエアコン エアロボ エコナビ&ナノイー搭載の省エネNo.1(2.5kWクラス国内家庭用ルームエアコンにおいて。CS-HX250C 期間消費電力量706kWh。2009年11月15日現在)のハイスペックモデル

日立の「白くまくん」にも、人の活動量・湿度・居場所をチェックして、設定温度を自動調整できる機能や、手もとに置いたリモコンの周囲を快適な温度にコントロールする機能が搭載されており、人の動きに合わせた省エネ運転ができる。

RAS-S25Z「イオンミスト ステンレス・クリーン 白くまくん」Sシリーズ
エアコン内部の汚れやカビなどを抑制する「ステンレス・クリーン システム」や、肌のうるおいを保つ「イオンミスト」を搭載

富士通ゼネラルの「nocria」にも、人の動きをキャッチする、人が室内にいないとき省エネ運転に切り替える、長時間、人が不在の場合は自動OFFになる機能がついている。

今どきのエアコンの省エネ機能をひと言で表現するなら、"人を見張る"機能と言えるだろう。人を見張って、快適性に必要最小限のエコ運転をするというわけだ。エアコン、恐るべし!

AS-S25W富士通ゼネラルインバーター冷暖房エアコン nocria Sシリーズ 業界最小サイズ(家庭用ルームエアコン室内機の高さと幅において 2010年1月21日現在 高さ25cm、幅72.8cm)のエコポイント対象商品エアコン。人感センサー採用で省エネ&快適

このほか、最新機種の省エネ機能には、電気代のお知らせがある。ボタン1つで、現在運転中にかかっている電気代や今月の電気代がわかる。使いすぎが電気代という目に見えるかたちで表示されれば、自然とエアコンの使用が控えめになるはずだ。

最後に、エアコンの省エネ機能にばかり頼らず、自力で省エネするための使い方を紹介しよう。

  1. 設定温度は、夏場28℃以上、冬場は20℃以下に。
  2. カーテンやブラインドを閉める。
  3. 風向きを調整する。冷房は水平に、暖房は下向きに。
  4. 室外機の吹出し口の近くに物を置かない。
  5. 就寝時にはタイマーをセットする。
  6. 2週間に1度は、フィルターを掃除する。ただし、最新機種のエアコンは、自動そうじ機能付きで、そうじの手間要らず。