何台も所有したり頻繁に買い換えたりすることは難しいバイクと違い、ウエアは季節や気分に合わせて着替えることもできる身近な存在だ。だからこそ、来場者の興味も注がれる。新型バイクに搭載された新素材や新技術は話題になるが、ヘルメットやウエアだって負けないほど技術が結集されている。同じシリーズでも、去年のジャケットと今年のジャケットでは、重さも着心地も全然違うなんていうこともある。今回は、そんな最新技術で作られたヘルメットやウエアを中心に各ブースを紹介しよう。

クシタニのブースにて

カーボン製24万円のヘルメットも展示されたアライブース

「RX-7 RC」は次世代航空宇宙技術のために開発された超高性能カーボンファイバーを採用し、高い剛性確保と軽量化を実現。帽体を比較すると「RX-7 RR5」に使用されるPB-SNCに比べ20%軽くなり、製品重量で150g前後の軽量化を実現している。このRC帽体は、熟練した職人でも1日1個の生産が限度だという。正規取扱店のみの限定販売で、価格は24万円(税抜き)という超エクスペンシブなヘルメットだ。ブース内にはいくつもの「RX-7 RC」が並び、試着して、その軽さを実感できるようになっていた。

オープンフェイスの定番「SZ」シリーズの後継となる「MZ」も来場者の関心を集めていた。チークガード部が延長され、剛性感がアップ。オープンフェイスの開放感と、フルフェイスの安全性を兼ね備えたモデルとなっている。

スポンサードしている選手たちのサインが入ったヘルメットがケースに並ぶアライブース

来場者が口々に「軽い」と言っているので手に持つと、本当に軽かった「RX-7 RC」

「MZ」の延長されたチークガードには緩衝ライナー、システムパッドが装備される

ショウエイはフラッグシップモデルの「X-TWELVE」に注力

独特なフォルムを作り出すエアロエッジスポイラー2を装備したショウエイのフラッグシップ「X-TWELVE」。優れたベンチレーションや利便性の高いシールドシステムを採用しているだけではなく、帽体の積層構造をより強固にするなど安全性にも配慮したプレミアムモデルとなっている。

「X-TWELVE」や2010年の新色が並ぶショウエイブース

プレーンカラーだけでなく、グラフィックモデルも用意された「X-TWELVE」

美麗なグラフィックの「Z-6 ディアボリック ナイトウイング」

「シンプソン」「ベル」を扱うアクティブのブース

シンプソンは、発売されたばかりの「スピードウェイ RX10」が主力とのこと。世界初のシールドシステム「フリーストップ」機構を採用。従来のラチェット式留め具と比べ、操作性・耐久性に優れる。イメージとしてはノートパソコンの液晶ディスプレーの開閉のようなものだという。注目したいのは、今年夏ごろに発売予定の「ダイヤモンドバック」と来年発売予定の「スーパーバンディッド13」が参考出品されていたことだ。どちらも試作品だが、そのまま販売できそうな完成度だった。シールドは共通となるという。ファンが多いシンプソンヘルメットだが、これからも目が離せない。

シンプソンは「スピードウェイ RX10」、ベルは「M3J」「M5XJ」の主力が並ぶ

参考出品の「ダイヤモンドバック」と「スーパーバンディッド13」

肩とヒジにチタンプレートを採用したコミネのジャケット

快適なライディングのためのウエアを提供するコミネオートセンターのブースでは、夏に向けてのメッシュジャケットがラインアップされていた。ニューモデルの特長は、肩とヒジにチタンプレートを採用していること。このチタンプレートは、転倒時に路面との摩擦を抑えスライダーの役割ほ果たす。このチタンプレートをはじめプロテクションユニットをフル装備した「レザーメッシュジャケット チタニーテ」「チタニウムメッシュジャケット」がイチオシだ。ほかにも、今ある装備に簡単にプロテクション効果を追加できる「フルアーマードボディジャケット」や「CEサポートエルボーガード」「CEサポートニーガード」など、ライダーの安全性を高めるアイテムが多数展示されていた。

ウエアやバッグなどが並ぶコミネのブース

肩とヒジにチタンプレートを採用した新作ジャケット

ヒジに取り付けられたのチタニウムプロテクター

ズラリと並ぶ各種プロテクター

胸部を保護する「フルアーマードボディジャケット」

自転車用としても最適な「CEプロテクター」

超音波接着で縫い目のない加圧インナーに注目「クシタニ」

競技用ツナギからジーンズまで、幅広くライディングウエアを提供するクシタニのブース。今回イチオシだったのは、ライディングウエアの中に着る加圧インナーだ。人間工学に基づいて新開発された「フラットフィットアンダー」は、着圧により筋肉の揺れを防ぎ、疲労を軽減させるとともにポテンシャルを引き出す効果がある。かなり体を締め付けるため、今までは脱いだ際に縫い目がクッキリと付いてしまうという欠点もあった。この「フラットフィットアンダー」では、超音波接着による特殊製法で縫い目の跡が付かないようになっている。

レザージャケットやグローブなどが並ぶクシタニのブース

「フラットフィットアンダー」。ロングスリープやボトムスもある

超音波接着と特殊なテープでフラットなつなぎ目を実現

エナメルの輝きが新鮮。最新鋭の防水シューズを展示するゴールドウイン

ゴールドウインは、特殊防水加工「アウトドライ」を採用した「アウトドライ ライディングシューズ」を展示。従来は裏地に防水透湿処理がされ、表地から浸水した水分で内部のムレが解消されにくかった。今回採用したアウトドライは、表地の内側に防水透湿シートを圧着加工することで、表地で浸水を防ぎ、内部のムレも解消される。また、乾きが速く濡れても軽いのが特長。さらに、ライディングシューズとしては珍しいエナメルカラーがラインアップされる。

しっかりした作りのウエアでファンも多いゴールドウインのブース

靴内浸水がほとんどないという「アウトドライ ライディングシューズ」

エナメルタイプも用意される。ライディングシューズとしては珍しい

ラブリーなアイテムを展示するBUNBUN4649

大阪の箕面市でオリジナルヘルメットなどを販売しているBUNBUN4649のブースでは、オシャレなヘルメットとウォレットが展示されていた。ともに「恋するヘルメット」「恋するウォレット」という名称で、若い女性に人気のようだった。

「恋する~」シリーズを展開するBUNBUN4649のブース

ラブデコといわれるハートをモチーフにしたデコレーション

「恋するウォレット」も開くとステッチがハートマークになっている

当然ながら56だらけの56designブース

元MotoGPライダー中野真矢氏が立ち上げたブランド「56design」のブースは、新作ジャケットやカラフルなプリントTシャツで彩られていた。

56design」のブースは、新作ジャケットやカラフルなプリントTシャツで彩られていた

新作ジャケットなど。ロンTの胸には鏡像プリントのデザインが施されている

カラフルでスタイリッシュなTシャツも並ぶ

独創的なグラフィックモデルが充実するアイコンのブース

ドクロをモチーフとしたド派手なヘルメットやウエアが並ぶアイコンのブース。オススメは各国の安全基準を満たした「アライアンスSSR・ヘルメット」とのこと。オプションのFSBフィンキットが付属され、装着するとまるで角が生えたようなシルエットになる。ある程度の年代以上なら、懐かしさを感じることだろう。

離れて見ても、強烈なグラフィックが目立つアイコンのブース

全世界限定100着の「ビクトリー・メタルゴッド・ジャケット」

オプションのFSBフィンキットを装着した「アライアンスSSR・ヘルメット」