【レポート】

ゲームだけではない、子どもを真の意味で"英語漬け"に - Moonshoot社の挑戦

    寺田祐子  [2010/03/25]

    Moonshoot社は2007年、代表取締役社長の加藤幸二氏と取締役Jay Jamison氏が共同で創設したベンチャー企業だ。シリコンバレーで調達する資金力を背景に、インターネット学習サイト『天空の魔法ガーデン』を展開。4月に本格始動する同サイトだが、既に3,000人のユーザーを超える。

    Moonshoot社代表取締役社長の加藤幸二氏と会長のTom Kalinske氏(写真右から)

    『天空の魔法ガーデン』の対象年齢は4~8歳。簡単なゲームの中にネイティブが発音する英単語が組み込まれており、ユーザーはゲームを楽しみながら英語を身につけていくことができる。使用されている英単語は355単語で、2010年中に600単語まで増やす予定。「アメリカでベストセラーになっている絵本を調べたところ、英単語数は平均して約250単語、少ないとおよそ50単語です。日常で使える単語をしっかり身につければ英語の絵本を読むことができますし、日常の会話も自然とできるようになります」と加藤氏は説明する。

    インターネット学習であることから、遠隔地での英語教育にも最適だ。「地方で英語教育を受けることは、首都圏よりも厳しい状況ですので、子どもに英語教育を受けさせたいが近くに英会話学校がないと悩まれている方にもお使いいただけると思います」。

    ただし『天空の魔法ガーデン』は、ゲームを要素として取り入れてはいるものの、厳密な意味での"ゲーム"とは一線を画する。それは、同社がゲーム会社ではなく「学習環境形成企業」を標榜していることからもうかがうことができる。「日本の子どもたちの日常を英語で取り囲みたいのです。そのため、子どもたちの遊びの中に英語学習を取り入れてもらおうと考えました。ですから、ゲームでなくても絵本やボードゲームでもいいと思っています」。その言葉通り、同社の展開はゲームだけにとどまらず、絵本の出版や英会話学校との提携など、様々な展開を視野に入れている。

    日本人は英語が苦手だ、それは紛れもない事実であろう。そこには自信のなさが大きいと会長のTom Kalinske氏は話す。「まずは話してみる、失敗しても構わないと思わせることが大事です。そうした自信を子どもの頃に身につかせることが重要だと考えます。『天空の魔法ガーデン』は、子どもたちがゲームに勝てるようにプログラムされています。それによって成功体験が身につき、英語を話すことを恐れなくなっていきます」という。

    シリコンバレーのベンチャー企業としての資金力も大きな強みだ。「Jayは当時、マイクロソフトを辞めてシリコンバレーのガレージで起業をしようとしていた。そんな時に、私はJayと出会った。2人とも子どもを抱え、英語教育の必要性を感じていた」と加藤氏は振り返る。「英語がネックで、海外に羽ばたくことができない人を多く見てきた。私はそういう状況を変えていきたい。今日は日本だが、明日はスイスにいてもいい。そんなボーダレスな感覚を子どもたちに教えたい」。

    同社は、日本でサービスを立ち上げたが今後は中国などへの展開も視野に入れている。「日本の子どもたちを"英語漬け"にしたい」と意気込む同社の動向に今後も目が離せない。

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