【レポート】

オフィス家具メーカー6社が提案する、近未来のオフィス空間

    大河原克行  [2010/02/22]

    野村不動産は、イトーキ、インターオフィス、内田洋行、岡村製作所、コクヨ、プラスの6社が参加し、「理想のオフィス・未来のオフィス」をテーマとした、コンペティションを、2月25日まで開催している。

    野村不動産が、東京・秋葉原に、PMO第5号オフィス物件「PMO秋葉原」を、2010年1月末に竣工。これにあわせて開催したもの。

    PMOは、プレミアム・ミッドサイズ・オフィスの略称で、野村不動産が2008年6月に竣工したPMO日本橋本町を、第1号物件として展開しているオフィスビル。50~150坪の中小規模のフロアながら、空調やトイレなどの各種設備において、大規模ビルと同等のグレードを実現。各ビルとも同じ外観としたブランド展開を行い、これまでに5物件を竣工。IT系ベンチャー企業や、大手企業の支店、外資系企業の拠点などの入居が多く、第1号、第2号物件はすでに満床になっているという。今回のPMO秋葉原は、最大規模となる131坪を持つ物件となる。

    野村不動産が竣工したPMO秋葉原

    1フロア131坪は、PMOのなかでも最大規模となる。現在、8棟までの建設計画が明らかになっている

    最上階となる8階からは東京スカイツリーが見える

    こちらは秋葉原電気街方向の様子

    野村不動産では、「PMOの展開にあわせて、モデルオフィスの提案を行ってきたが、複数の企業が参加し、コンペの形で提案するということはなかった。業界でも初めての試みになる。デベロッパーやオフィス家具メーカーなどの『提供者』と、テナントである『ユーザー』の交流を通し、『理想のオフィス』、『未来のオフィス』を探求することを目的として開催した」としている。

    野村不動産のテナント企業や、企業の総務部門の担当者などに約3000通のダイレクトメールを送付。さらに参加企業の招待などを対象に見学ができるようにしているが、期間中は予約なしでの見学も可能。また、来場者の投票を受け付けており、得票数が最も多い出展企業は、今後、PMO物件に設置するモデルオフィスのメインコーディネートを担当することになる。

    6社が約10坪のスペースを割り当てられ、モデルオフィスの提案展示を行った

    コンペティションに参加した1社である内田洋行は、「No Rule もう、ルールはいらない。」をテーマに、空間全体が、建物の制限を受けることなく、建築や内装工事が無しでも自在に設計できる点を訴えた。

    これは、スマートインフィルと呼ばれる内田洋行独自の提案によるもので、支柱、梁などのアルミパーツを組み合わせ、そこに様々な情報機器や照明器具を自在に取り付けたり、交換できることが可能としている点が特徴。オフィス空間で使用する、プロジェクターやモニターなどのITデバイス、LED照明などの機器を一体式で設置できるプラットフォームシステムとなっている。

    「オフィスビルの耐用年数は60年以上であるのに対して、オフィス環境は2~3年で変化する。また、急な組織改正によるレイアウトの変更にも対応する必要がある。従来のスクラップ&ビルドでのオフィスづくりではなく、既存の空間のなかに即興的に別空間を作り上げるボックス・イン・ボックスという概念を用いることで、使い続けること、再利用することを目指したプラットフォームシステムとなっている。ICTデバイスやソフトウェア、その場所で必要とされる情報までを一体化して提供するシステム」と同社では説明している。

    内田洋行が提案したモデルオフィスブースの様子

    机の延長線上にオフィスがあるような形で遠隔会議システムを運用している

    ブースでは、85型のプラズマディスプレイを設置し、遠隔地のオフィスの様子を映し出し、まるでひとつのオフィス空間のような環境を作り、会議の場合だけに遠隔会議システムを利用するのではなく、日常の業務のなかでもコミュニケーションが取れるようにする提案のほか、NECのテレワークロボット「パペロ」を利用して、自宅からパペロを操作することで、音声でのやりとりや、会議に参加してパペロが代わりに頷いたり、首を振ったりといったアバターとして利用できるといった提案も行った。

    支柱、梁などのアルミパーツを組み合わせるスマートインフィル。LED照明を設置した様子

    スマートインフィルでは117kgの重量を持つ85型のプラズマディスプレイも支えることが可能

    オフィスにアバターとして置かれたパペロ

    パペロの目を通じて、利用者のパソコンに映像を転送。頷いたり、首を横に振ったりといった指示ができる

    さらに、固定席に縛られず働くスタイルとして提案しているテーブルシステム「LEMNA(レムナ)」によって、執務、会議、リラクゼーションといった異なる用途にも横断して利用できる提案を行っていた。

    LEMNAは、モバイルPCワーカーの特性に合わせ、人の行動・行為を分析し、開発したカスタマイズテーブルシステム。仕事の内容にあわせ、個人が使用するデスクスペースを自由に変更できるといった使い方も可能だ。

    また、内田洋行では、LED照明の積極採用による省エネ化、国産の天然杉材の採用、オフィス内を緑化するグリーンレールなど、環境を重視した提案活動を強化しているが、今回の展示でもそのあたりを強く訴求するものとなっていた。

    「木材などの自然素材は、そこで働くワーカーにリラックス効果を与えるとともに、木材には、温室効果ガスを吸収し、炭素として貯蔵する機能があり、森林の活性化促進にもつながる。未来のオフィスへの環境対応として積極的な活用が求められている素材であり、内田洋行としてはより本格的に、オフィス空間への木の活用を提案していく」としている。なお、内田洋行は、「木づかい運動」顕彰において、最高位となる大臣賞を受賞している。

    壁には国産杉を利用。オフィスにおける木の活用を提案する

    グリーンレールによりデスク上にも緑を置くこともできる。土の部分にはサントリーグループが開発したパフカルを使用。オフィスが土で汚れない

    一方、各社の展示にも、「理想のオフィス・未来のオフィス」を強く感じることができるものがあった。

    各社の展示の様子を写真を通じて紹介しよう。

    イトーキは、「オフィスLANの常識を変える 一枚のITネットワーク ~LAN Sheet~」をテーマに、LANシート上に置かれた機器だけが無線LANに接続するというデモストレーションを実演した

    インターオフィスは、ゆったりとしたオフィス空間の提案とともに、「いつでも、どこでも、だれとでも」もテーマに、iPhoneをはじめとするIT機器を活用しながら働ける環境を提案した

    コクヨオフィスシステムは、「適業適゛場゛」をテーマに、バッテリーシェアードデスクなどを展示していた

    岡村製作所のテーマは「Smart Work」。心と体に優しい空間作りを目指して、筋肉のメカニズムを応用し、着座から立ち上がりまでの姿勢変化に追随するオフィス用エルゴノミックチェアのレオパードなどを展示した

    プラススペースデザインは、「私の"間(MA)"3つのMY MY SPACE MY TIME MY SENSE」で展示。個人が所有している機器などを、置きやすく工夫したデスクの提案を行った

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