【レポート】
日本オラクルは2月18日、自社主催イベント「Oracle Applications Summit 2010」を開催。「"ニューノーマル"時代における成長戦略と経営革新」をテーマに、金融危機後の企業戦略やITシステム導入のあり方、オラクル製品/ソリューションの優位性などが紹介された。
基調講演では、米Oracleでアプリケーション開発担当シニア・バイスプレジデントを務めるスティーブ・ミランダ氏と、アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)の常務執行役員でIT部門を統括(Chief Information Officer for Japan)する福島行男氏が登壇。「ニューノーマル」という言葉の意味や、そうした言葉で表現される時代におけるITソリューションやIT部門の役割などを講演した。
Oracleのミランダ氏は、リーマンショック後の国際経済を表す言葉として米国で用いられるようになった「ニューノーマル」について、『Harvard Business Review』(2009年10月)のスコット・アンソニー氏の見解を引用しながら、「ノーマル(通常)の状態に戻ることはない。常に変化が起き続けるということがニューノーマル(新しい常識)。成功するためには、違ったやり方で能力を獲得することが必要」と主張した。
実際、CEOに対するアンケートで、継続的に成長するために重要だと思う競争優位性を聞くと、変化への対応能力、人材の確保、サービスやブランド力と回答するCEOの割合は、それぞれ95%、96%、94%に上るのだという。ミランダ氏は、これらを踏まえながら、「ニューノーマル(新しい常識)」時代においてIT施策を推進するうえでは、大きく、顧客/製品/従業員、オペレーション、リスク、パフォーマンスという4つの要素が重要になるとし、それぞれの要素で、Oracle製品/ソリューションがどう役立つかを事例とともに紹介した。
具体的には、顧客/製品/従業員の分野では、顧客に対して電子課金、電子商取引、電子サービスを一貫して提供する「Oracle's Siebel Self-Service」、顧客ロイヤリティの向上を支援する「Oracle's Siebel Loyalty Management」、ERPやCADと連携し製品ライフサイクル管理を支援する「Oracle Agile Product Lifecycle Management」、タレントマネジメントを支援する「PeopleSoft HCM」を紹介した。
また、オペレーション、リスク、パフォーマンスについては、需要管理/予測ソリューションである「Oracle Demantra」や、仕入れ・販売(サプライチェーン)の計画と実行を支援する「Oracle Rapid Planning」、統合リスク管理ソリューション「Oracle Governance, Risk and Compliance」、業績管理ソリューション「Oracle Enterprise Performance Management」などを紹介した。
つまり、「顧客が求めるもの(需要)を予測しながら顧客と深く強固な関係を築き、適切な新製品をすばやく投入する体制を整備し、ガバナンス/リスク/コンプライアンス(GRC)に対して統合的なアプローチをとっていくことで、変化に対応していくことが重要になる」(同氏)という。こうした包括的なソリューションを提供できることは、買収を通じて1万以上の製品を持つオラクルの強みの1つで、同社のアプリケーション戦略も、Complete、Open、Integratedというオラクルの掲げる戦略に沿って展開しているとする。
一方、アフラックの福島常務は、基調講演の後半で登壇し、「セールスレディが中心となって顧客を勧誘する時代は終わった。顧客のライフスタイルが変わったことで、新契約の契約数の伸びも鈍化しはじめている」と現状を分析し、生保業界でも「新しい常識」が求められていることを指摘した。
福島氏は、IT担当の常務取締役として、2006年から、社内システムのアーキテクチャやアウトソーシング戦略などIT全般を指揮しているが、「時代の変化を読んで、ITシステム側も対応していくことが望ましいが、実際は難しい。当社の保有契約件数は約2,000万件だが、社内システムの開発保守の工数も2,000万ステップに拡大した。アプリケーションをタイムリーに提供できなくなっていた」との課題を抱えていたと説明。これにより、システム導入によるコスト効果が低下したほか、スピード、品質が低下するなど、ITがビジネスの足かせになってしまう状況だったという。
具体的には、Oracle EBSのサポート期限が切れたままだったり、アップグレードがされないまま運用されていたりした。また、ミッションクリティカルなシステムの運用方法も、20数年前からのやり方を踏襲したものだった。そこで、2006年以降、インフラの改革を進め、次いで、運用のアウトソーシングを進めた。現在は、その次のステップとして、データベースの統合やビジネスプロセスの最適化(BPO)に取り組んでいる段階だ。
「従来は、IT部門の位置づけはビジネス支援だったが、今後は、ビジネスに貢献するという視点に移らなければならないと考えている。ビジネスのソリューションとITのソリューションを融合させるにはどうしたらいいか、考えているが、これもなかなか難しい。社員の意識改革も必要だ」
そこで、同社では、「BESTIT」というコンセプトで、
という6つの施策を進めている。このうち、特に重視しているのが、ビジネスへの貢献(ビジネス・アラインメント)と人材育成(タレンテッド・エンプロイイー)だという。
「マインドセットを変え、人と組織の活性化を促す。変化に対応するといっても、着実に人を育てていくのが王道だと考えている」
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